2022年6月28日火曜日

将軍落馬す

「鎌倉殿の13人」で、鎌倉殿こと源頼朝が没しました。
ちょうど折り返しの6月最終週。
これから、鎌倉幕府草創の功臣による権力争いが繰り広げられていくわけですな。
普通なら暗い雰囲気になる展開ですが、どのような描き方をするのか、楽しみですね。
 
史料的な話をすると、頼朝の死の状況というのは、その年代の吾妻鏡の記述が失われているのもあって、超が付くほど有名な武将なのに、実は定かではありません。
落馬したことと、それからほどなく没したことが、過去の事として触れられているだけです。
また、その他の史料では病死と表現されている場合が多いですね。
その隙間を埋めるように、北条氏による暗殺説なんかもありますが、当時の北条氏は、外戚という強みはあるものの数多の功臣の中の一家に過ぎず、後の得宗家の権勢からの逆算に過ぎないように思います。
しかし、その隙間がドラマとしては描きどころではありますね。
ただ、今回は変化球もなく、単なる落馬とも言えるし、手の痺れが病死も暗示しているし、義時のみに聞こえなかった虫の声が暗殺説を暗示してもいました。
視聴者に委ねた形ですね。
 
しかし、今回の頼朝、色んなドラマで見た頼朝の中で、1番笑わせてもらったかもしれません(笑)
冷酷な政治家という印象が強い頼朝ですが、女好きで嫁さんに頭が上がらなかったですし、実際の姿は、まさか大泉頼朝ほど愛嬌があるとは思いませんが、意外と親しみが持てる人だったのかも知れませんね。
独立志向が旺盛な開発領主である東国武士を、曲がりにもまとめていった人物なのですから。
そんな事を思わせるほど、今回の頼朝像というのは、今までのイメージを打ち破るものでした。
大泉洋が秀吉を演じた「清須会議」でも思いましたが、大泉洋は三谷組の中での必殺のカード、ジョーカーになりつつありますね。
独特の愛嬌が、三谷幸喜の作り出す喜劇に、恐ろしいほど絶妙にマッチします。
深夜にパパパパフィーでいじられていた頃から考えると、引き出しの多い、本当に良い役者になりましたね。
出演していたら見てみようかなと思うほどに。
これからも活躍が楽しみです。
 

2022年6月24日金曜日

尼崎市の個人情報漏洩

情報の管理が厳しい昨今、個人情報保護とか、情報漏洩などのインシデントについて、色々とセミナーを受けることもあります。
その中で、書面やUSBメモリのビジネス上の機密情報を鞄に入れたまま飲食に出かけ、深酔いして鞄ごと忘れたなんてベタベタな事例が出てくるわけですが、大木こだま張りに、
そんな奴おらんやろ~
なんて言っていました・・・
が、
ほんまにおった!
大きなニュースなのでソースは貼りませんが、尼崎市の全住民約46万人の情報が入ったUSBメモリを、委託業者が紛失したとのこと。
なんでも、USBメモリを使って作業したが、中身を消去せず鞄に入れて飲食し、泥酔して路上で寝ていた際に鞄ごと紛失したらしいです。
市役所外での作業は許可されていましたが、データ持ち出しには許可が要るそうで、その許可も取っていなかったようですね。
これ、役満やん。
ドラ何個乗っけんねん的な、ミスと違反のオンパレードですな。
情報セキュリティセミナーの講師が泣いて喜ぶほどに。
しかし、全市民の基本的な個人情報のほか、住民税の情報、非課税世帯の給付金の対象世帯の情報、生活保護や児童手当の受給口座の情報など、情報のラインナップも物凄いですな。
漏洩情報の質を考えれば、かつての日本年金機構の125万件の情報漏洩も霞む勢いで、漏洩史上トップクラスの事件ではないでしょうか。
そして、ダメ押しとして、尼崎市がパスワードの桁数を言ってしまうというオマケも付きました。
総当たりアタックを仕掛けるならやってみろ的な、高度なボケなんでしょうか。
まだまだ日本には、至る所でITリテラシーが足りませんな。
 

2022年6月19日日曜日

ビットコインが・・・

アメリカの予想外のインフレ加速と、それに対するFRBの大幅な利上げによって、世界同時株安の様相を呈していますな。
インフレ加速は予想外ではありましたが、利上げと景気後退をある程度織り込めば、インフレ耐性の強い株価はそれなりに戻ってくるでしょうから、短期的に過剰反応気味かなという個人的感想を持っています。
それよりも目についたのが、ビットコインの暴落とその余波。
ビットコインは持っていないので、暗号資産がどう動こうとも自分自身に影響は無いんですが、近々では無かったぐらいの割と長い期間の停滞している状況の中での急落で、取引業者等で引き出しストップというニュースが多かったので、気になりましたね。
ざっとニュースを挙げてみると
 
6/13
 
6/17 
 
こんなところでしょうか。
バイナンスに関しては、流動性の問題ではなくシステム障害のようですが、この急落局面で負荷が集中した為で、場面が場面だけに影響が大きかったように思います。
また、この動きを背景として、気になる記事もありました。
 
 
このような運用をしている企業がどれぐらいあるのか、気になります。
多ければ、下落局面でロスカットが出てくる可能性があり、投げ売りによる下落幅拡大という、売りのスパイラルになってしまいかねません。
そういう意味では、2万ドルというのは支持線であると共に色々な決済ラインとして設定しやすい値ですから、そこを割れたと言う事に物凄くインパクトがあるんですよね。
このようなニュースを追っていくと、暗号通貨が安定するには、今しばらく掛かりそうですな。
 

2022年6月13日月曜日

曽我兄弟の仇討ち

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が、曽我兄弟の仇討ちの回まで来ましたね。
言わずと知れた、日本三大仇討のひとつです。
この事件が起こったのは、建久4年(1193)。
鎌倉時代の始まりは、昔はイイクニの1192年、今はイイハコの1185年になっているそうですが、いずれにしても鎌倉幕府成立後で、奥州藤原氏もすでに滅び、次第に幕府が盤石となりつつあった時です。
そういう中で起こったこの事件。
今までは外向けの戦いの連続だった頼朝政権が、そのエネルギーを内向きの権力闘争に転換する起点だったように感じますね。
 
曽我兄弟の仇討ちの経緯はと言うと、ドラマの中での癖の強いじいさまとして描かれていた伊東祐親が、祐経の領地を押領した事に始まります。
祐親は、本来の嫡流筋である自分を差し置き、祖父の養子の子である祐経が伊東荘を相続したことに不満を抱いていたようで、押領だけでなく、祐経に嫁いでいた娘も離縁させてしまいました。
武士としての存在を全否定されたに等しい処置と言えるでしょう。
祐経は、当然ながらこれを恨み、祐親を襲撃するんですが、祐親を討つことはできず、その嫡男河津祐泰が討たれてしまいます。
この祐泰の子が、祐成と時致の曽我兄弟というわけですな。
まさに恨みの連鎖。
そして、祐の字のゲシュタルト崩壊。
う~ん、赤松氏を調べた時に似たような記憶が・・・
まぁそれはともかくとして、この事件は、表向きは仇討ちとして知られていますが、異説として、時政が黒幕となって頼朝の暗殺も企図していたというものがあります。
仇討ちを成した後、弟時致が頼朝の寝所に侵入して捕らえられたことや、北条時政が烏帽子親になっている点からのようですが、「鎌倉殿の13人」では、なんと頼朝暗殺がこの事件の本当の目的で、仇討ちは後付けの表向きの理由として描かれました。
しかも、時政は知らなかったという形で。
これは意外でしたね。
そう持ってくるか、と。
上総広常の誅殺の時もそうでしたが、ここでも、関東の開発領主たる御家人と鎌倉政権中枢の意識の差や確執を散りばめており、この先、幕府が合議制へと変化していくのに、重要な要素となって行くんでしょう。
要因に諸説がある事件を使って、歴史の大筋を変えずに伏線を張っていく演出は、さすが。
そして、忘れちゃいけない、スケベ心丸出しの頼朝神回避。
頼朝と義時のやり取りは、今までの大河視聴歴の中で一番面白かったかもしれません(笑)
 
ドラマも後半戦。
幕府草創の功臣はまだまだ健在で、これから幕府内で主導権争いを繰り広げ、淘汰されていくわけですが、そういう人気の無いドロドロの部分をどう見せるのか、どう持っていくのか、展開が楽しみです。
 

2022年6月8日水曜日

チェーンとスプロケ交換

少し前の話になりますが、バイクを車検に出しまして、そろそろチェーンが伸びて替え頃という話になりました。
今のバイクは2013年モデルですから、もう9年ですね。
長持ちさせ過ぎなぐらいです。
その間、コロナによってツーリングへ行きにくい期間があり、走行距離が伸びなかったのも一因ですな。
車検から帰ってきたバイクは・・・
 
 
チェーンとスプロケがピカピカ!
ゴールドもありますよ?なんて聞かれましたが、武骨な旅バイクですから、これぐらいがシンプルでいいですね!
 

2022年6月3日金曜日

ついにデフォルト

ついに、ロシア国債がデフォルト判定されました。
実に、ロシア革命以来1世紀ぶりの出来事となります。
通常、デフォルト判定は格付け会社が判断するのですが、各社のロシアに対する格付けは停止されている為、今回のクレジット・デリバティブ決定委員会の判定をもってデフォルトという認識が広がると推測されていますね。
クレジット・デリバティブ決定委員会は、クレジットデフォルトスワップ(CDS)という、デフォルトになったらお金が払われる金融商品の絡みで判定をするんですが、今回は本来の支払期日から30日あるデフォルト猶予期間に支払いがあったものの、その遅れた分の利息が含まれていなかったことから、デフォルト判定になったとのこと。
ロシアは、ドルを始めとする西側通貨で支払いを行うことが制裁で難しくなっており、支払い能力の有無ではなく、その制裁の影響と見られています。
ですので、金融実務的なインパクトは大きくなく、また、色々な方面で織り込み済みと考えられるので、今回のデフォルトは象徴的な意味合いが強いですな。
ただ、象徴的とは言ってもデフォルトになった影響はあり、戦争が終結しても、今後、相当長い期間、外貨による起債ができなくなるでしょう。
ロシアは、当初の目的に掲げていたウクライナ東部の足場固めに集中しているようですが、東部の各要衝も砲撃によって都市機能が格段に低下し、復興の資金も賄う見通しが立たず、コストばかり掛かって何の為の占領か分からなくなりそうです。
そして、緩衝地帯を作る目的で始めた戦争なのに、今後は国境までNATOが迫ることになる始末。
ロシア的にもウクライナ的にも、落としどころが相当難しくなっていますな。