2022年6月3日金曜日

ついにデフォルト

ついに、ロシア国債がデフォルト判定されました。
実に、ロシア革命以来1世紀ぶりの出来事となります。
通常、デフォルト判定は格付け会社が判断するのですが、各社のロシアに対する格付けは停止されている為、今回のクレジット・デリバティブ決定委員会の判定をもってデフォルトという認識が広がると推測されていますね。
クレジット・デリバティブ決定委員会は、クレジットデフォルトスワップ(CDS)という、デフォルトになったらお金が払われる金融商品の絡みで判定をするんですが、今回は本来の支払期日から30日あるデフォルト猶予期間に支払いがあったものの、その遅れた分の利息が含まれていなかったことから、デフォルト判定になったとのこと。
ロシアは、ドルを始めとする西側通貨で支払いを行うことが制裁で難しくなっており、支払い能力の有無ではなく、その制裁の影響と見られています。
ですので、金融実務的なインパクトは大きくなく、また、色々な方面で織り込み済みと考えられるので、今回のデフォルトは象徴的な意味合いが強いですな。
ただ、象徴的とは言ってもデフォルトになった影響はあり、戦争が終結しても、今後、相当長い期間、外貨による起債ができなくなるでしょう。
ロシアは、当初の目的に掲げていたウクライナ東部の足場固めに集中しているようですが、東部の各要衝も砲撃によって都市機能が格段に低下し、復興の資金も賄う見通しが立たず、コストばかり掛かって何の為の占領か分からなくなりそうです。
そして、緩衝地帯を作る目的で始めた戦争なのに、今後は国境までNATOが迫ることになる始末。
ロシア的にもウクライナ的にも、落としどころが相当難しくなっていますな。
 

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