取りあえず60日という期限は付いていますが、ホルムズ海峡の航行の解放へ前進ですね。
一刻も早く、石油や石油製品の輸出入の正常化に繋がって欲しいものです。
しかし、戦闘が続いている間、野党が高市首相に対して、外交努力を!なんて声を上げていましたが、個人的には、打つ手なんてあるか?という思いで冷ややかに見ていました。
日本は、イランと長い間、友好関係を築いていますが、こと中東情勢に関しては、ただの買い手であって、軍事力を展開できる法体系でもない国ですし、仲裁できるバックグラウンドもありません。
なんたかんだ、世界の国々の間では、経済力と軍事力がものを言います。
日本は、経済力がありますが、軍事力については、あくまで専守防衛の戦力であって、遠国に対する影響力なんて無いに等しい。
これから先の未来は、兵器の輸出が次第に実現しだしていることもあり、そういう意味での影響力は出てくるのかも知れませんが。
そんな状態で、ホルムズ海峡という大動脈が止まった中、政府はよく対策したんじゃないでしょうか。
今の内閣が頑張った、というよりは、オイルショック以来構築してきた、非常事態に対する様々な駆動装置のようなものが起動したイメージです。
各国の資源権益の上流に食い込んでいる資源開発企業が日本へ石油を仕向けたり、当面の策として備蓄を放出したり、中東各国や民間企業と協力して新たな通商体制を構築したり。
アメリカからの石油やLNGの輸入急拡大に関しては、高市さんの影響も強いのかもしれませんが、概ね、準備していた仕組みの話が多かったように思います。
さて、次は戦後世界の話ですな。
覚書では、48兆円規模の枠組みを作ってイラン国内に投資するという項目が挙げられました。
これは、日本からアメリカへの80兆円投資の枠組みに似ていて、全体の枠組みをアメリカが保証し、民間企業が出資するというものです。
つまり、民間企業がイランに進出し、その投資は当然ドルで行われるということになります。
イランには、外貨を獲得する有力な物資として、当たり前ですが石油というものがあり、これもアメリカが正規市場で売るのを認めていますから、わざわざ闇市場で元建てで安く売らなくても、正規市場で高い市場価格で売り、市場からドルを調達するのが最も手っ取り早い。
イスラム金融は利子が禁止されていますから、西側の企業は、実態のある投資をドルで行い、配当としてドルを受け取る、という形になります。
ここから見えるのは、西側の企業がイラン国内の市場にアクセスすることと、ドル決済漬けですね。
イランの庶民には雇用が発生し、アメリカを始めとした西側の企業が儲かり、ドルの決裁圏も維持される。
イラン国内の経済に楔があれば、今後、イランも大人しくせざるを得ないということになります。
当然、革命防衛隊系の企業や地域は除外されるでしょうから、イラン国内の二重権力体制も是正に向かうことが期待できる。
さすが戦後処理に慣れた国。
うまいこと考えたもんだ。
