2021年8月29日日曜日

晴天を衝けが明治突入

今年の大河ドラマは、新しい一万円札の肖像になる渋沢栄一です。
明治に突入したし、さて今週も見るかとスタンバイしていると・・・
パラリンピックやないかい!
うっかりしてました。
オリンピック後に再開したので、定期放送が再開したのかと思ってましたが、冷静に考えたらパラリンピックの中継しますわな。
がっつり見るつもりで予定も空けていたので、このブログを書いているわけですが、ちょうどよいので、前半の感想をば。
 
前半の前半は、栄一の青少年期で、言わば幕末通史とはあまり関係なく物事が進んで行くということもあり、自分みたいな歴史を主眼において観ようとした層にとってはあまり興味の無い部分ではあるんですが、予想より面白く観ることができました。
駆け出しの家内制手工業の経営見習いとして、その商習慣や仕組みを理解していく様は、ちょっと少年誌の漫画のようで、成長物語としてテンポが良かったように思います。
また、経済原理が成熟して浸透していた江戸時代後期の空気感も、良かったですね。
江戸時代の農村と言えば、水呑百姓が赤貧の苦しい生活を送るというのが一般のイメージだと思いますが、実際は、各藩が商品経済に乗って自藩のブランド特産物を育てて保護し、江戸や大坂といった大市場で売りさばいていた時代。
民間でも、庄屋層や富農層が資本投下して色々な商品を作り、大都市に売っていた時代です。
今で言えばご当地ブランドですが、そういうのが成立していた、今の時代にすぐに置き換えられる言葉がある、というだけで、どれだけ商品経済が浸透していたか解りますね。
大量生産や道具の性能、利便性という点では全く違いますが、ブランドに対する意識という意味では、当時の都市生活者は今の一般消費者とそれほど変わらなかったんじゃないかとすら思うことがあります。
そういう側面が描かれているのは、商才の人が主人公の作品ならではでしょうか。
前半の中盤あたりからは、幕末の歴史が濃厚に栄一にも降りかかってくるわけですが、大筋としては幕末史にとって関係がなく、極端に言えば気楽な展開とも言え、肩肘張らずに観ることができましたね。
若い時代の熱病のような時間。
栄一にもそういう時間があり、自分自身、そういうのをやや懐かしく感じたのは、残念ながら自分も歳を取った証拠ですね(^^;)
一橋家臣となって以降は、再び少年誌漫画的な成長の物語となって行きます。
色々なアイデアを出し、それを実現して行く。
観ている方としては、面白い。
また、大きな時代の流れとしては、幕末ものの大河ドラマはやはり勝者側である薩長土肥の視点で描かれているものが多いのですが、今回は幕府側から見た視点というのがバックグラウンドとして存在しているのが良いですね。
徳川慶喜が、京都の宮中政治で四苦八苦していたことも描かれていました。
どす黒い寝技が渦巻く宮中で、慶喜が孤軍奮闘していたのはもっと評価されていいと思いますが、なかなか敗軍の将の評価というのは難しいですね。
ただ、このことが、今までの幕末ものと一線を画している雰囲気のような気がします。
さて、これから明治編に入るわけですが、幕末ものは、明治時代に入るとどうしてもリタイアしてしまいがち。
ですが、栄一にとってはこれからが活躍の本番。
今年はドラマの出来も良く、このまま完走できそうな気がしますので、楽しみですね(^^)
 

2021年8月22日日曜日

マンボーからキンキュー

先日20日、兵庫県にも緊急事態宣言が発出されまれした。
蔓延防止措置が強化されたのは16日でしたが、感染者の増加が急過ぎ、緊急事態宣言不可避に傾いたと思われます。
ま、現在の感染状況では仕方のないことですね。
ただ、どこでも言われていますが、第4波に比べて重症者や死者はそれほど跳ね上がっていません。
東京では、重症病床使用率は逼迫してきていますが、関西はまだそれほどではありませんね。
今日22日の段階で、大阪は39%、兵庫は40%。
ワクチンの効果が出て、重症化しやすい高齢者の感染が少なく、上昇が抑えられています。
ただ、分母が増えている以上、重症確率は低くなったとは言え、いずれ分子も増えるでしょう。
 
一方、そのワクチンの接種率も上がってきています。
21日現在で、2回接種完了者が約4割。
政府が当初目標としていた、8月中の接種4割は達成ということになりますな。
過去30日間の1日平均が約140万回で、接種開始前に100万回なんて無理だと散々報じられていたことを考えれば、ことワクチン接種に関しては、地方自治体の頑張りもあってうまくいっているようです。
現場の実務に強さを持つ、日本人らしさかもしれませんね。
政府に利することになる為か、メディアはあまり報じませんが。
ただ、初期のウイルスでは、ワクチンの接種率が40%を超えると感染者抑制効果が顕れてくると言われていましたが、デルタ株についてはもっと上なのがはっきりしてきました。
変異株蔓延前まではワクチンによって感染者数が抑制的であった欧米やイスラエルでも、デルタ株の広がりによって感染者が再拡大しています。
それがどれくらいなのか、はたまた希望者全員に打っても抑止効果が顕れないのか、気になるところですね。
 
それから、治療薬についても、漸く薬が出揃う気配となってきました。
現在はエボラ用やリウマチ用、ステロイドなど、既存薬で効くものを症状に応じて使っている状況ですが、中外製薬製造で感染初期に効く抗体カクテル薬を承認して一定数確保できた他、塩野義製薬を始めファイザー、ロシュ、メルク、アストラゼネカが対コロナ用に開発した治療薬が治験の段階に進んできています。
各社が目指すのは経口薬。
分かりやすく言うと、コロナ用のタミフルですね。
これがあれば、ワクチンに続くゲームチェンジャーと成り得ます。
初期にコロナと診断された段階で予防的に処方できれば、多くの人が以後の悪化を抑えることができるでしょう。
そうなれば、まさにインフルエンザと同じになる。
そこまで、頑張って持ち堪えたいですね。
 

2021年8月18日水曜日

カブール陥落

アフガニスタンのカブールがタリバンによって陥落しました。
アメリカ軍の撤退が進むとタリバンが息を吹き返すことは確実視されていましたが、反攻があまりにも早いですね。
最初の州都陥落が6日ですから、そこから首都陥落までわずか9日。
こんな電撃戦はなかなかお目に掛かれないレベルです。
広い国土に散在する各部族の寝返りや汚職の蔓延、架空の兵士の存在など、理由はいくつも挙げられるんですが、そこの分析は専門家に任せるとして、個人的な感想としては、織田・徳川連合軍による武田家攻略を連想しましたね。
甲信に加えて駿河と上野の一部を抑えて、最盛期に比べれば劣るとは言え、相当な領国を持っていた武田家ですが、実際に侵攻が始まると諸将の寝返りが相次いで瞬く間に崩壊し、組織的な抵抗もほとんど無いまま滅亡しました。
一連の合戦はわずか1ヶ月。
期間の短さもさることながら、山々に区切られて土豪が割拠しやすい甲信と、拠点間が散在して距離が遠く、同じく地縁の部族勢力が割拠しやすいアフガニスタン。
なんか妙に条件も結果も合うな、と。
武田家の旧領国はその後、駿河は徳川家に与えられ、甲斐の大半は、甲州征伐の総大将織田信忠の下で重鎮となっていた河尻秀隆に、上野信濃は滝川一益を始めとした織田諸将に与えられましたが、その領国支配が安定しない内に本能寺の変が起き、甲斐は徳川家が、上野は北条家が押さえ、信濃を巡って徳川対北条の天正壬午の乱が起きます。
今回は、アメリカ軍や織田家という絶対的な重しが無くなったのが同じで、大きな情勢としては時間的に前後する本能寺の変の後が近いのかも知れませんね。
ロシアや中国がアフガニスタンに侵攻すれば、天正壬午の乱的な草刈り場の合戦となりますが、タリバンも前回の敗北を教訓に穏健的な姿勢を装っていますし、中国やロシアと比較的友好関係を築けているみたいですから、今後はロシア中国がアメリカに対抗する形でそのまま政権を承認するかもしれません。
ただ、いずれにしても、電撃戦の後は勢いに隠れていた利害関係が表面化し、対立することが多いですから、今後も情勢はしばらく落ち着きそうにないですな。
 

2021年8月14日土曜日

キンキューではなくマンボー

日本全国で、再び感染者が増加してきましたね。
ワクチン接種がある程度進んだ段階でワクチンを接種していない人も含めて緩みが出る、というのが日本より先行してワクチンを打った国々の状況でしたから、日本もそうなるとは予想していましたが、現実になりました。
とは言え、過去に比べて感染者と死者の数が連動していません。
感染者と死者の数を集計しているサイトならどこでも確認できますが、第1波から第4波まで、感染者の数が二次曲線的に立ち上がってしばらくすると、死者数も同じように立ち上がってきています。
昨年夏の第2波は例外的にその角度が緩やかでしたが、それでも連動はしていました。
ところが、今回は感染者数が二次曲線的に立ち上がった後も、死者数に明確な関連性がまだ見られません。
これが明確なワクチン効果なんでしょうね。
 
兵庫でも感染者が急増してきた為、非常事態宣言が検討されましたが、結果的にマンボウこと蔓延防止措置に落ち着くことになりました。
ワクチンの効果で重症病床にまだ余裕がある、というのがその理由のひとつです。
個人的には、非常事態宣言のインパクトが落ちて言葉自体の抑制力が無くなっていますから、マンボウで地域に濃淡を付けて現実的に対処するのが正解だと思います。
阪神間の感染者の多寡で、但馬地域や丹波地域まで巻き込むのは、さすがにちょっと非合理的ですから。
しかし、1ヶ月前に就任したばかりの斎藤知事ですが、なかなか冷静ですね。
これまでの井戸前知事は、大阪とソリが合わないながら連動して緊急事態宣言を要請していましたから、維新の支持も受けた斎藤知事なら大阪府の施策に合わせるかと思いきや、そうではありませんでした。
副知事上がりでも県庁職員上がりでもないですから、まだ県庁内の実情を把握したわけではないでしょうが、独自判断をして遂行できるようなそれなりの体制作りは進んでいるようです。
その辺りは、自治官僚上がりの井戸前知事と、維新系とは言え同じ流れを汲む総務官僚上がりの斎藤さんで、手法に近しいものがあるんでしょうな。
経歴を見ると、地方自体への出向も多く経験しているようですし、行政組織には慣れたものといったところでしょうか。
県民として、ちょっと期待値が上がりました。
これから頑張って欲しいですね。
 

2021年8月6日金曜日

なんか届いた

先日、ネットでショッピングをしたんですが、朝に発送連絡があって、昼に配達完了メールが届きました。
えっ?
いくらなんでも早すぎるやろ!
と思っていたら、こんな物が届いてました。
 
 
キャンペーンに応募していたんですが、いつもこういうものには縁がないので忘れてましたわ。
中身は・・・
 
 
予備電池!
そう、新品購入時に合わせて買っていた電池がもう1つ増えた!
嬉しいことなんですけど、もっと考えて応募したらよかったですな(^^;)
これであと10年は戦える・・・な。
プレゼントが当たるなんて全くもって思ってなかったし・・・な。
 

2021年8月1日日曜日

オリンピックの陰で

日本の報道はオリンピック一色という様相になっていますが、財務状況の不安が伝えられる中国の恒大集団で、相次いでネガティブなニュースが出てますね。
 
 
 
 
恒大集団は、グローバルファミリー企業世界25位にもランクされた巨大企業集団です。
預金凍結は、負債総額約33兆円というのを考えれば、22億円という規模なので大したことはないはずですが、ネガティブなニュースは影響は大きく、これを受けて株が大幅に下落しました。
株価も与信力のひとつとして換算されているはずですから、借り入れや債務の多い恒大集団としては痛手になりますね。
また、2つ目の記事にある、香港での住宅ローンの提供停止も、影響範囲の拡がりをなどを考えれば、今後は地味に効いてくるでしょうな。
中国や香港には、一括で住宅を一括で買える富裕層も多いとは言え、その層は当然ながら資産運用も視野に入っている為、トラブルは避けたいでしょう。
一方、住居用の住宅として買う一般庶民の層にとっては、ローン無しで買える人は限られますから、物件の回転率は確実に下がりますね。
恒大集団に限らず、不動産デベロッパーは回転率が大事な自転車経営の側面を持っていますから、回転率の低下はかなり大きな影響を及ぼします。
そして、3つ目の記事。
オンショアの子会社という部分が気になりますね。
これを受けて、さらに債権等に下落圧力が掛かっています。
今後どうなるか、気になりますね。