2016年10月27日木曜日

大詰めのアメリカ大統領選

アメリカの大統領選のビッグイベントである討論会を終え、クリントン氏の優勢が伝えられていますね。
しかししかし、アメリカの支持率調査を調べてみると、
え?ほんまに優勢なん?
と首をかしげたくなる状態です。
 
http://www.investors.com/politics/ibd-tipp-presidential-election-poll/
http://www.realclearpolitics.com/epolls/2016/president/us/general_election_trump_vs_clinton-5491.html
 
この辺りの数字を見てみると、クリントン氏優勢ではありますが、かなり際どい勝負ですな。
日本の報道を見ていると、あれだけスキャンダルが出てまともに勝負になるわけない、というような印象になりますが、全世界共通でメディアは、やや左、そして過激な言動を嫌う、という傾向がありまして、アメリカ国内でも民主党支持のCNNを筆頭にネガティブキャンペーンをやっている状態なんですね。
当然、それを引用する日本のメディアもネガティブ情報が多くなるということになります。
アメリカ国内では、クリントン氏に対する私用メールを使ったなどというセキュリティ系のスキャンダルも報じられていますが、ネガティブ要素の物量が違う。
それで尚、この支持率ですからね。
どんだけ不人気やねん!
という話ですが。
史上最も不人気同士の対決とはよく言ったもんですな(笑)
 
ただ、報道を見ていると、日々感じてる事はアメリカでも進行中なんやな、感じずにはおれませんね。
それは、ネットなどの影響で市井の人々の意見と、メディアの論調や調査にかなりの乖離が生まれていること。
昔はメディアが世論を先導、誘導する傾向がありましたが、メディアはまだその気分も持ち続けている一方、市井の人々はネットで素早く多くの情報を手に入れ、自らの論を持つようになっている。
その結果がこの乖離なんだと思います。
日本のマスコミの報道の論調を見ていると、安倍政権はそんなに強くないし、安全保障法案も廃案に追い込まれてるし、原発の再稼働も不可能だったはず。
ところが、市井の人々はメリットデメリットを判断して、全面的な賛成でないにしろ、現実的な手段として支持した。
トランプ氏の場合は、現実的な手段というよりは、どうしようもない現実を変えてくれそうな人という意味での支持ですがね。
いずれにしてもメディアと市井の乖離は大きいわけです。
しかし、オバマ大統領もチェンジを掲げてたことを考えると、アメリカの中下層に社会の歪が相当に溜まり続けてるという印象ですな。
アメリカンドリームという言葉に乗せて富裕層の優遇をしてきたツケが、来てるのかもしれません。
 

2016年10月21日金曜日

黒田という人

かつて高校球児だったこともあって、プロスポーツの中では野球を最もよく見ますが、今年は広島カープが強くて、なんだか面白かったですね。
とは言え、広島カープのファンではないんですが(笑)
広島カープという球団は、お金を掛けずに選手を鍛えに鍛えて生え抜きの凄い選手を生み出してくる素敵な球団です。
浪花節にも通じるような、日本人が好みそうなスタイルなんですよね。
怪我で潰れてしまう選手も多いですが。
そんなカープも、ここしばらくは停滞していました。
でも、自分の幼い頃は赤ヘルと言われた強い時代で、その印象もあって弱い印象はないんですよね。
その頃は、山本、衣笠というバッターはもちろん、何より北別府、川口、大野という投手の柱が凄くて、この3人の誰かが登板すると、あ~今日も負けかなぁ、なんて思ってました。
もう、ほんとトラウマレベルで(笑)
何はともあれ、なんだか他球団のファンでも優勝を祝福してしまう雰囲気を持っている球団です。
 
その広島カープの中で、精神的な柱といえばやっぱり黒田投手ですかね。
黒田の野球選手としての生き方は、なんという武士的で、低迷期をエースとして支え、メジャーで結果を残し、更にメジャーのオファーがありながらカープでやり残した事をやり遂げるべく、戻ってきたという、男気のある野球人生。
プロスポーツは夢を与える職業ですが、当人にとっては仕事という面もあるわけで、そういう中でこのような選択をしてきたというのは、ちょっと男として羨望の眼差しで見てしまうほどですね。
憧れと羨ましさと。
そんな黒田投手が引退を表明しました。
やっぱり、思い残したものを遂げたというのが大きいんでしょうな。
それでも今季も10勝。
選手としてまだやれるだけの実力はあるはずですが、そういう問題でもないんでしょう。
今シーズンもあともう少し。
ここまで来たら、徹底的に燃え尽きてほしいですね。
 

2016年10月17日月曜日

ノーベル文学賞

ノーベル文学賞の発表が先週にありましたが、今年の発表には驚きましたね。
ボブ・ディランの字を見て、思わずテレビのニュース速報を、えっ!?という感じで2度見しました(笑)
流石にリアルタイムで全盛期を知ってるわけでないので、色んな曲を知ってるわけではないんですが、それでもこんな自分ですらいくつかの曲を知っているというぐらいメジャーなシンガーソングライターですな。
ノーベル文学賞のイメージは、今まで純文学というイメージがありましたが、それがひっくり返されました。
選考委員会の間で、何か選考基準が大きく変わったのかも知れません。
今後の選考において、大きな転換点になりそうですね。
とは言え、噂では、ボブ・ディランは過去に候補者に上がったこともあると言われていますが、財団が候補者を公表するのは50年後です。
それまでは、選考基準もただの推測でしかありません。
今年に大きく変わったのか、それとも何年も前から変わっていたのか、それを知るのは選考委員の人だけですな。
そもそも論を言えば、書籍の文学というのが世に一般的になったのは比較的最近で、学校制度が整備され、識字率が上昇してからです。
それまでは、西洋では吟遊詩人、日本では講談師と呼ばれるような、唄い聞かせる、読み聞かせる文学が中心でした。
そういう意味で、歌手に与えられたのは、文学における原点回帰と言えるのかもしれません。
 
それと、もうひとつ。
ノーベル文学賞には、やや政治的な部分があると言われます。
リベラル的であること、業界に貢献すること、などですね。
リベラルなのは解りやすいですが、業界に貢献することというのは、日本ペンクラブのような団体に所属してその活動をすること。
具体的には幹部となって活動し、西洋の文学界にも活動を知ってもらう事が必要といわれます。
そういう意味で、良くも悪くもそういう政治的な前提条件は覆されたことになりますね。
もともとノーベル文学賞は、商用ベースの売れた文学、つまり通俗小説という分野には厳しく、大衆が評価するものと、受賞者の作品は乖離する傾向があります。 
実際、文学賞受賞者の本なんてほとんど読んだこと無いって人がほとんどでは?
その傾向が強くなると、身内の賞レースみたいになってしまいがちで、そういう意味で隠れた受賞条件を覆したのは、先々を考えると何よりも良かったと個人的には思います。
ボブ・ディラン自身は、賞などに興味が無さそうなのがまた、ツボでいい感じですわ(笑)
 

2016年10月12日水曜日

ヤマハとホンダ

二輪業界的には、かつてHY戦争とまで呼ばれた熾烈な販売合戦があり、とてもそんな話は出ないだろうという先入観があったヤマハとホンダ。
その2社が提携したというニュースが先週ありました。
 
ヤマハ・ホンダが提携 若者の味方「原付バイク」はどこへ消えた?
https://dot.asahi.com/toyo/2016101100041.html?page=1
 
上に詳しい記事が載っていますが、確かに気付けば原付ってほとんど見なくなりましたよね。
自分の世代には、高校行ったら原付の免許取るねん!というやつがたくさんおり、自分も高校時代に原付の免許を取ってバイクデビューした口ですが、20歳ぐらいにはもう周りで3・4人しかバイクに乗ってなかったですね。
その頃にはもうバイクに乗る人も減少傾向で、更にその数年後に電動自転車が出たのが致命的でした。
お手軽な乗り物は見事に主役が交代しましたね。
ま、それに火をつけたのはヤマハPASなんですが・・・
今では、ヤマハ、ブリジストン、パナソニックが電動自転車の御三家になっています。
そして、ちょっと荷物を運んだりする用事には軽自動車。
上下に二分して食われた感じです。
更に、環境規制や安全技術による製造コストの上昇。
そうなると、やっぱりOEM供給になってしまうのはしょうがないですかね。
ホンダは生産量を確保し、ヤマハはコスト低下の恩恵を受ける。
昔々に原付にときめいていた世代としては残念ですが、これも時代の流れでしょう。
個人的には、岡山から神戸まで120km以上を、大型のバンバン走る国道2号線で帰ってきた同級生が開口一番、危ないし寒いし死ぬかと思ったわ!と宣ったのが今でも忘れられません。
あいつの原付は輝いていた!
 

2016年10月4日火曜日

ドイツ銀行再び

前に少し触れましたが、ここにきて、再びドイツ銀行が注目を集めていますね。
間接的には収益力の低さ、各事業の減損、リーマンショック後に注力した中国事業のデイバティブへの懸念といったところですが、直接的にはアメリカ司法省からの罰金でしょうか。
この辺りの詳しい分析は、

 
http://diamond.jp/articles/-/103550
 
にシンプルで解り易い解説がありました。
その記事によれば、罰金の額140億ドル!
1ドル100円として計算すると1兆4千億円。
ふむ。

欲しい・・・
いや、つい本音が漏れてしまうほどの巨額ですな。
ただ、2年前にBNPパリバが同じようにイラン等への金融制裁への違反で89億7千万ドルを課された時は、当初は160億ドルを吹っ掛けられていました。
これに対するBNPパリバの引当金が10億ドルだったので、BNPパリバ側の予測とアメリカ司法省側の認識の差が、相当あったことが判りますね。
この時は、フランス政府の働き掛けもあって、最終的には半値近くになっていますので、今回のドイツ銀行も100億ドル以内に収まるものと思われます。
ただ、ドイツ銀行の引当金は60億ドルだそうなので、経営的には追加で損失が出ることになりそうですが。

 
しかし、アメリカの司法当局は、世論の後押しもあって、オイタをした金融機関に対してはかなりキツい罰を下しますな。
BNPパリバの件の前には、自国のJPモルガン・チェースに、MBSと呼ばれる住宅ローン担保証券の不正で130億ドルを課しています。
リーマンショック前は、投資銀行はそれはそれは本当に巨額の収益を上げていたので、当然と言えば当然かもしれませんがね。
翻って日本。
金融機関に対する制裁が甘い。

不正で1億儲けて数百万の罰金というような罰が多いですね。
まだまだ性善説で動いている感じです。
自由の部分を大きくするなら、罰も懲罰的でないとなかなか抑止効果は表れない。
この辺り、多少は罰を重くする動きも見られますが、まだまだです。
不平感を持っている市場参加者も多いですから、早く改善して欲しいですね。