2022年5月29日日曜日

誤送金のその後

阿武町で起こった4630万円の誤送金問題。
面白い展開になっていますね。
誤送金された田口容疑者は、オンラインカジノの決済代行業者へ送金し、使ったので返金できないという話をしていましたが、ほぼ全額が返金されました。
まず、賭博罪のある日本では田口容疑者とカジノ決済代行業者の契約は公序良俗に反する契約で無効という主張を行い、決済代行業者に田口容疑者の債権、つまり送金したけど契約が無効となった為に田口容疑者のお金が存在するとした上で、田口容疑者に税金の滞納があったことを理由として町が送金先の決済業者の口座の差し押さえを図り、その結果、決済業者から全額返金されたようです。
行政のみが使える奇策ですな。
実際に、口座に残っていた田口容疑者の分は600万円ほど。
残りは、決済代行業者が自腹で補填したわけですね。
ま、オンラインとは言え、決済する先はカジノですから、日本ではカジノの決済代行業者自体がグレーなわけです。
そりゃ、脛に傷持つ身としては、補填してでも手打ちにしてしまいたいですよね。
カジノは、マネーロンダリングのスキームとしてもよく使われますから、ゴタゴタしてると、警察どころか金融庁が手を伸ばしてくるかもしれませんし。
ただ、現実的ではないとは言え、決済代行業者が田口容疑者に補填した分の損害賠償を請求できるようです。
また、別のカジノ利用者が負けた場合に、公序良俗に反する契約だとして返還を求める可能性も考えられるとか。
ややこしいですね。
また、賭博罪はもちろん、電子計算機使用詐欺罪、占有離脱物横領罪といった聞きなれない罪名も出てきました。
そして、不当利得返還請求という手続きも。
結構長い期間、生きてきましたけど、まだまだ知らないことが多いもんですな。
勉強になりますわ。
 

2022年5月25日水曜日

義経退場

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、義経が退場しました。
大河ドラマには、ずばり「義経」という作品も過去にあったように、源義経は人気の武将で、大河ドラマ以外にも数多く描かれてきましたが、今回の義経像は、ひときわサイコパス的な感じでしたね。
現代人から見ると、実態だったのか誇張だったのか、鎌倉時代の坂東武者というのはサイコパスではないかという習慣が書かれた史料もありますが、それら鎌倉武士や源平合戦の頃の武士の中でも、義経は特に毛並みが違いました。
司馬遼太郎がエッセーや対談の中で、日本の武将で騎馬の集団運用を行ったのは、唯一、源義経のみだと言ったように、また、軍事的天才はひとつの民族の歴史でひとりとか多くて2~3人しか現れないが、義経は間違いなくそのひとりであるというようなことも言ったように、義経というのは、源平合戦の流れの中でも、戦績はもちろんのこと、戦術も発想もかなり独特です。
神風が元寇の勝因だったとされていた時代に比べ、源平合戦の武士や鎌倉武士が実際はかなり合理的な戦い方をしていたということが知られてきていますが、義経は飛び抜けて合理的なんですよね。
そして、リスク選好的。
それらをひとりの武士として落とし込むと、サイコな義経というのはしっかりとした説得力がありました。
当時の武将から見て、発想が奇想天外で、常識も通じない。
そんな武将像ですね。
 
さて、義経が退場したということで、奥州藤原氏も間もなく滅亡し、いよいよ草創の功臣同士の権力争いが本格化しますな。
まだ5月ですから、先は長い。
草創の功臣が次々と失脚していくのは高祖の功臣潰しに似た面がありますが、こちらは家臣筋の北条得宗家が政権を確立していく過程です。
頼朝の意を受け、義経に対して陰謀を仕掛けるまでになった義時がどのように描かれるのか。
楽しみですな。
 

2022年5月20日金曜日

こっちもデフォルト

日本で今、デフォルトと言えば、アメリカがロシアのドル決済の道を閉じることで、ロシアがデフォルトの瀬戸際に追い込まれていることが注目されていますが、あまり注目され無いままデフォルトになってしまった国があります。
それは、スリランカ。
自分は、セイロンティーが一番クセが無くて好きなんですが、その紅茶が主要輸出品という国です。
ただ、デフォルト自体は市場もすでに織り込んでいるようで、影響も少ないと思われ、それを表すように報道も少ないですね。
一番詳しく報じていたのは、ロイターでしょうか。
 
 
何が原因だったかと言うと、直接的には、新型コロナの世界的影響による景気減退と資源インフレが直撃して外貨不足が露呈したという事ですが、潜在的、長期的には、一路一帯構想に乗って過大な負債を背負い、インフラ投資を行ったからです。
それで首が回らなくなり、国内の権益を中国に渡したりしましたが、ついに破綻に至ったというわけですね。
つまり、中国が得意とする債務の罠というわけです。
4月に起こったパキスタンの政変も、資源高と外貨不足という、同じ構図でした。
ただ、中国も、昔のように債務国に対して帝国主義的な無茶な要求を出すというのは難しくなっています。
G20では、国の債務についての処理プロセスの策定を行うパリクラブの枠組みで債権処理することに合意しており、返済を確実に履行できるようリスケや債務の一部放棄が検討されるでしょう。
ですので、中国が闇金みたいに振る舞うことはないでしょうし、それなりに貸倒れの痛みも受け入れなければならなくなっています。
とは言え、同様のことがアフリカでも懸念されており、ウクライナ情勢と世界的なインフレが落ち着くまでは、しばらく続くのかも知れませんね。
 

2022年5月17日火曜日

北風がもの凄い

以前、ロシアとその周辺国の動向を北風と太陽の童話に喩えましたが、ロシアの北風が勢いを増していますな。
中立主義を保っていたフィンランドとスウェーデンが、NATO加盟申請を正式に決定しました。
 
 
スウェーデンは、なんと、200年ぶりの外交政策転換となります。
まさに、歴史的変換ですな。
フィンランドは、フィンランド化などという揶揄を受けながらも、安全保障の為にこれまで中立を貫いてきましたが、北風で方針を転換させました。
冷戦以来ですから、こちらも歴史的。
中立政策は、それぞれの国民にもしっかりと浸透しており、集団安全保障の政策は、ロシアのウクライナ侵攻まではそれほど高い支持を得ていない外交政策でしたが、侵攻以降、一気に支持を得るようになったわけです。
北風が、どれほど衝撃的で強かったのかが解りますね。
フィンランドは1340kmもロシアと国境を接していますし、スウェーデンも陸では国境を接していませんが、バルト海を挟んでロシアの飛び地であるカリーニングラードと相対しています。
侵攻されたウクライナの姿を、自らの国に重ねるには十分でしょう。
ただ、北風にも影が見えます。
ロシアに近しいと見られるカザフスタンが、ロシアからの派兵要請を断り、ウクライナ東部の独立も認めていないとの報道が開戦直後にありましたし、ベラルーシのルカシェンコ大統領も、ロシアの侵攻が失敗したと取れる発言をし、実際、傍観的です。
 
 
 
更に、侵攻の苦戦の影響か、ジョージアでウクライナ東部と同じように親ロシア派が実質的に支配している南オセチアでは、ロシアを後ろ盾とする現職の大統領が落選し、ロシア編入が白紙に戻されました。
ただ、南オセチアに関しては、新しい大統領もロシア編入を支持するとしており、どう転ぶか分かりませんが。
ウクライナの反転攻勢の報道が多くなっている中、外交的にもロシアがどんどん袋小路に入っていくような、そんな感じですね。
ウクライナを含め、NATOとの緩衝地帯を作るのがロシアの侵攻目的だったと思いますが、外交的には大幅な退潮を招いており、何の為に軍を興したのか分かりませんな。
着地点は、クリミアを含むウクライナからのロシア軍の総撤退になりつつあるようですが、早く終結して欲しいものです。
 

2022年5月11日水曜日

REC MOUNT+

去年、スマホを TORQUE 05G に替えたんですが、結局去年はツーリングに行けず、スマホのホルダーも替えませんでした。
機種編前のスマホは TORQUE G02 で、シリコンのホルダーを使っていましたが、さすがに本体が大きくなったので、ちょっとシリコンでは難しい感じに。
シリコンホルダーは、万一落とした時にクッションにもなるので、これはこれで安心感はあって良かったんですがね。
さて、どんなホルダーにしようかとネットで物色していると、なんと REC MOUNT で 05G 純正のホルダーが出ているではないですか。
ちょっとお高いですが、純正があるならそれに越したことはない。
という訳で購入。
ついでに、背面が当たって削れたりすることと、山で落とした時に見つけやすいように、黄色の背面カバーも購入しました。
スマホがコールマン限定モデルで、背面が赤黒の迷彩になっているんですよね。
山で落としたら、見つけられない自信が・・・(^^;)

 
 
左から、手振れ補正機能保護の為の衝撃吸収ダンパー、Motoマウント6、TORQUE 05G 専用アダプタ、黄色の背面カバーです。
 
 
早速、バイクのハンドルブレースに装着。
ハンドルブレースは20mmなので、22.2mmが最小対応径のMotoマウント6では固定できません。
そこで、付属の径調整用のゴムを加工して2重に巻き、きつく固定します。
完成!
 
 
よし。
久々にツーリングに行くで!
 

2022年5月3日火曜日

レンドリース法

レンドリース法という名を久々に聞きましたね。
第二次世界大戦で、アメリカやイギリスが連合軍各国に武器等を提供した際に、根拠となった法律です。
アメリカが、第二次大戦で反攻すべく本格的な戦力投入を行う前、枢軸国側に押し込まれた各国の戦線を支えた重要な要因が、このレンドリース法と言われていますな。
無限・・・というのは言い過ぎですが、相当な量の軍需物資が供給されるわけですから、攻める側にすれば非常にやっかいです。
昔、信長の野望や三國志という有名なシミュレーションゲームの初期の作品で、敵の戦力を削ってもいつの間にやら恐ろしいペースで回復しているというゲームがありましたが、攻める側にすれば、それをリアルにやられている感覚でしょう。
「マジでー!?ずるいわー」
というのをよく言っていましたが、現実だと唸るしかない。
それを現実世界でできてしまうというのが、アメリカの超大国たる所以であり、恐ろしさでもあります。
色々問題があるとは言え、日本がアメリカと同盟を組んでいて良かったというのが、正直な心情ですな。
 
その法律が今回、ウクライナに適用される見通しです。
上院に続き、下院でも現地時間の28日に可決され、あとはバイデン大統領の署名を待つばかり。
これにより、一層ロシアは苦しくなりましたね。
改めて大規模侵攻を行うと言われていたウクライナの東部戦線も、それほど捗っていないようですし、欧米からの補給も次第に攻勢に使える武器が多くなってきていますから、戦線の後退すら有り得る状況になってきています。
ウクライナの発表によれば、これら補給の武器が届いて戦力を厚くできるのは、5月中旬から下旬とのこと。
ロシアの残虐行為と戦線の停滞によって停戦の目は実質的に無くなっていますから、いっそのこと、東部の2州からロシア軍を追い出すぐらいに反抗してほしいところですな。
現代社会において、侵略行為で得をするという前例を作らないことが、中国を牽制する上でも大切ですね。