2022年5月20日金曜日

こっちもデフォルト

日本で今、デフォルトと言えば、アメリカがロシアのドル決済の道を閉じることで、ロシアがデフォルトの瀬戸際に追い込まれていることが注目されていますが、あまり注目され無いままデフォルトになってしまった国があります。
それは、スリランカ。
自分は、セイロンティーが一番クセが無くて好きなんですが、その紅茶が主要輸出品という国です。
ただ、デフォルト自体は市場もすでに織り込んでいるようで、影響も少ないと思われ、それを表すように報道も少ないですね。
一番詳しく報じていたのは、ロイターでしょうか。
 
 
何が原因だったかと言うと、直接的には、新型コロナの世界的影響による景気減退と資源インフレが直撃して外貨不足が露呈したという事ですが、潜在的、長期的には、一路一帯構想に乗って過大な負債を背負い、インフラ投資を行ったからです。
それで首が回らなくなり、国内の権益を中国に渡したりしましたが、ついに破綻に至ったというわけですね。
つまり、中国が得意とする債務の罠というわけです。
4月に起こったパキスタンの政変も、資源高と外貨不足という、同じ構図でした。
ただ、中国も、昔のように債務国に対して帝国主義的な無茶な要求を出すというのは難しくなっています。
G20では、国の債務についての処理プロセスの策定を行うパリクラブの枠組みで債権処理することに合意しており、返済を確実に履行できるようリスケや債務の一部放棄が検討されるでしょう。
ですので、中国が闇金みたいに振る舞うことはないでしょうし、それなりに貸倒れの痛みも受け入れなければならなくなっています。
とは言え、同様のことがアフリカでも懸念されており、ウクライナ情勢と世界的なインフレが落ち着くまでは、しばらく続くのかも知れませんね。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿