大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、義経が退場しました。
大河ドラマには、ずばり「義経」という作品も過去にあったように、源義経は人気の武将で、大河ドラマ以外にも数多く描かれてきましたが、今回の義経像は、ひときわサイコパス的な感じでしたね。
現代人から見ると、実態だったのか誇張だったのか、鎌倉時代の坂東武者というのはサイコパスではないかという習慣が書かれた史料もありますが、それら鎌倉武士や源平合戦の頃の武士の中でも、義経は特に毛並みが違いました。
司馬遼太郎がエッセーや対談の中で、日本の武将で騎馬の集団運用を行ったのは、唯一、源義経のみだと言ったように、また、軍事的天才はひとつの民族の歴史でひとりとか多くて2~3人しか現れないが、義経は間違いなくそのひとりであるというようなことも言ったように、義経というのは、源平合戦の流れの中でも、戦績はもちろんのこと、戦術も発想もかなり独特です。
神風が元寇の勝因だったとされていた時代に比べ、源平合戦の武士や鎌倉武士が実際はかなり合理的な戦い方をしていたということが知られてきていますが、義経は飛び抜けて合理的なんですよね。
そして、リスク選好的。
それらをひとりの武士として落とし込むと、サイコな義経というのはしっかりとした説得力がありました。
当時の武将から見て、発想が奇想天外で、常識も通じない。
そんな武将像ですね。
さて、義経が退場したということで、奥州藤原氏も間もなく滅亡し、いよいよ草創の功臣同士の権力争いが本格化しますな。
まだ5月ですから、先は長い。
草創の功臣が次々と失脚していくのは高祖の功臣潰しに似た面がありますが、こちらは家臣筋の北条得宗家が政権を確立していく過程です。
頼朝の意を受け、義経に対して陰謀を仕掛けるまでになった義時がどのように描かれるのか。
楽しみですな。
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