中立主義を保っていたフィンランドとスウェーデンが、NATO加盟申請を正式に決定しました。
スウェーデンは、なんと、200年ぶりの外交政策転換となります。
まさに、歴史的変換ですな。
フィンランドは、フィンランド化などという揶揄を受けながらも、安全保障の為にこれまで中立を貫いてきましたが、北風で方針を転換させました。
冷戦以来ですから、こちらも歴史的。
中立政策は、それぞれの国民にもしっかりと浸透しており、集団安全保障の政策は、ロシアのウクライナ侵攻まではそれほど高い支持を得ていない外交政策でしたが、侵攻以降、一気に支持を得るようになったわけです。
北風が、どれほど衝撃的で強かったのかが解りますね。
フィンランドは1340kmもロシアと国境を接していますし、スウェーデンも陸では国境を接していませんが、バルト海を挟んでロシアの飛び地であるカリーニングラードと相対しています。
侵攻されたウクライナの姿を、自らの国に重ねるには十分でしょう。
ただ、北風にも影が見えます。
ロシアに近しいと見られるカザフスタンが、ロシアからの派兵要請を断り、ウクライナ東部の独立も認めていないとの報道が開戦直後にありましたし、ベラルーシのルカシェンコ大統領も、ロシアの侵攻が失敗したと取れる発言をし、実際、傍観的です。
更に、侵攻の苦戦の影響か、ジョージアでウクライナ東部と同じように親ロシア派が実質的に支配している南オセチアでは、ロシアを後ろ盾とする現職の大統領が落選し、ロシア編入が白紙に戻されました。
ただ、南オセチアに関しては、新しい大統領もロシア編入を支持するとしており、どう転ぶか分かりませんが。
ウクライナの反転攻勢の報道が多くなっている中、外交的にもロシアがどんどん袋小路に入っていくような、そんな感じですね。
ウクライナを含め、NATOとの緩衝地帯を作るのがロシアの侵攻目的だったと思いますが、外交的には大幅な退潮を招いており、何の為に軍を興したのか分かりませんな。
着地点は、クリミアを含むウクライナからのロシア軍の総撤退になりつつあるようですが、早く終結して欲しいものです。
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