2021年12月30日木曜日

青天を衝け

2021年の大河ドラマ、「青天を衝け」
説明するまでもないですが、新一万円札に採用された渋沢栄一の物語でした。
今まで幕末の大河ドラマは、維新後に見続けることができなくなって完走した試しが無かったんですが、なんだかんだ今回は完走することができましたね。
残念ながら、視聴率自体は良くなかったみたいですが・・・(^^;)
歴史と経済、2つの要素があったのが個人的には良かったのかもしれません。
江戸時代末期の商品経済の成熟。
江戸幕府側から見た幕末の政情。
維新後の近代経済の立ち上げ。
この辺りに焦点を当てた物語は少ないですからね。
一般に想像されているよりずっと、江戸時代の日本で商品経済が活発だったこと、つまりは近代経済の素地があった事が描かれていましたし、江戸幕府が旧態依然とした運営ではなく、それなりに合理的であったことも物語から見えました。
そして、近代経済を四苦八苦しながら築き上げて行く様子。
華々しい志士の物語から見れば地味ですが、その代わり、今の価値観に繋がる何かしらがあったようにも思います。
さて、来年は鬼門の源平争乱の時代。
戦国と幕末以外は苦戦が多い大河ドラマですが、三谷監督がどう料理するか、見ものですね。
 

2021年12月25日土曜日

2021走り納め

コロナに振り回された2021年も、間もなく終わろうとしています。
春は、関西がコロナでえらいことになっていたのでツーリングに行けず、秋は秋でコロナは落ち着いたのに仕事に勉強にやたらと忙しく、ツーリングに行けませんでした。
バイクに関しては、完全に不完全燃焼ですわ。
仕事に関しては、燃え尽きて灰も残らないぐらい振り絞りましたが(^^;)
せめて走り納めぐらいはと、頑張って確保した12月のフリーな休日。
 
7 日  - 雨
16日 - 曇り時々雨
18日 - 最高気温8℃
そして明日26日 - 予想最高気温6℃
 
終わった・・・
今年は、終わったんだ・・・
16日の昼間、雨が降っていない隙にと走り出した直後、パラパラと降り始めた為にいつもの20km周遊コースのみで帰ってきたのが、まさかの走り納めになろうとは・・・
来年こそはたっぷり旅に出てやる!!
 

2021年12月18日土曜日

ついにデフォルト

前々からずっと話題になっていた中国の恒大集団の債務問題ですが、ついに債務不履行、つまりデフォルトになりましたね。
そもそも、利払いで困っているのに、借り換えなんてそう簡単に応じてもらえないでしょうから、期限が来ると償還という事になるんですが、当然ながら利払いが無理な会社が償還なんてどう考えても不可能ですわな。
つまり、遅かれ早かれという事だったんですが、今月6日分の利払い不履行によって、9日にフィッチが格付けを一部債務不履行に格下げしたことが報道されていました。
そして、17日にS&Pが格付けを選択的債務不履行へと格下げ。
これにより、三大格付け会社の内、2社で債務不履行の格付けになった、つまり、多数決ではないとは言え、広く債務不履行の格付けが浸透することになります。
中国では、恒大集団だけではありません。
陽光100中国の社債デフォルト、佳兆業の債務満期延長交渉からの債務不履行格付け、世茂の債権の堕天使化、広州富力地産の満期延長交渉などなど、不動産デベロッパーセクターは話題が目白押しです。
これがいつまで続くのか、同業他社に波及していくのか、さらに他セクターにまで影響が広がるのか、まだまだ目が離せませんね。
 

2021年12月13日月曜日

TOBその後のその後

関西スーパーTOBについてのまさかの続編です。
地裁で統合差し止め、と思ったその刹那、高裁でその差し止めの取り消しが。
目まぐるしいですな。
ただ、どちらにも正しい部分がありますね。
地裁が差し止めの仮処分を出したのは、手続き重視の為。
焦点となっている株主の代理人は、統合案には実際に棄権となる白票を投じていました。
しかし、株主は事前の議決権を賛成で行使していましたから、その白票を投じることで意思が上書きされてしまったわけですね。
株主の意思を伝えられていた関西スーパーが、この意思を重視して、棄権から賛成に変えたことが手続き上の争点となったわけですが、手続きを厳格に重視した地裁に対し、高裁は株主の意思を重視しました。
前述のように、どちらにも正論的部分がありますが、白票での棄権は手違いや認識不足の可能性が高いですから、高裁の判断の方が本当の意味での株主の判断に近いと言えますね。
こういうこと、組織運営にもよくあるように思います。
規則や社則を厳格に運用するのか、現実的に柔軟に運用するのか。
また、運用を主管する長によっても方針は変わりますから、会社などでは継続性という意味で難しいところもあります。
法曹というのは一般庶民には縁遠いイメージですが、扱ってる案件は、やっぱり人間社会にとって普遍性のある問題が多いんですよね。
今回のことで、そのことを改めて感じました。
 

2021年12月9日木曜日

外交ボイコット

かなり前から時折報じられていましたが、北京オリンピックに関して、アメリカが政府関係者を派遣しない外交ボイコットを表明しました。
これに同調したのが、イギリス、オーストラリア、そしてカナダ。
AUKUSやファイブアイズと被る、アングロサクソン系国家ですな。
また、欧州議会も、欧州委員会や加盟各国に対し、招待を断るよう求める決議を出していますね。
とは言いつつも、フランスは外交ボイコットをせず、スポーツ担当相が訪中するとのこと。
欧州は国ごとで斑模様の対応になる可能性が高そうです。
さて、翻って日本はどうするんでしょうか。
米中の間で難しい舵取りを求められています。
アメリカからは、日本も外交ボイコットをするよう同調圧力が掛かる一方で、中国からは、中国は東京オリンピックを全力で支援したのだから日本が信義を示す番と、露骨に言及していますね。
ボイコットを表明した国に対しては、招待していない等のコメントを出していますが、日本に釘を刺してくるということは、それなりに嫌がっているということ。
やはりメンツ的なものを重んじる中国というところでしょうか。
ただ、外交ボイコット自体は、2013年のソチ五輪でも行われており、欧米首脳はソチには行きませんでした。
なので、今は話題になっていますが、そこまでダメージがあるかと言えば、多分に対立の象徴的な意味合いでしかないと言えるでしょう。
そういう意味では、閣僚でも政治家でもない室伏スポーツ庁長官や山下JOC会長を派遣する案は、双方にある程度は顔が立つ良い案と言えるかもしれません。
日本が得意とする折衷案的な雰囲気はプンプンしてますけども・・・。
旗幟を明確にするような決断は今回もないんだろうなぁ
 

2021年12月5日日曜日

政権のグリップ

衆議院議員選挙後、新たな閣僚が任命され、第2次岸田政権の陣容が確定しましたが、どうも岸田首相のグリップが利いているのかいないのか、よく判らない状態ですね。
まだ国会が開かれていないので、何とも言えない部分もあるんですが。
最初に、「ん?」と思ったのは、林外務大臣の発言。
中国から招待を受けて調整しているという発言でしたが、後で何も決まっていないという火消しのコメントを出しました。
林大臣と言えば、日中友好議連の会長を務めていたこともあり、親中派と言われる人。
中国としては、日本の政治家の中でも是非招きたい政治家のひとりであることは間違いないでしょう。
しかし、外交儀礼としては、調整前に発表するのは異例です。
発表した後でやっぱり行けないとなったら、招待した国に対して失礼にもなりますしね。
この辺り、ちょっと稚拙でしたな。
大臣就任でちょっと浮足立ってしまったんでしょうか。
で、米中の対立もある中ですし、即座に自民党内からも批判の声が出て、前述の火消しとなったわけですね。
米国は日本にとって唯一の同盟国で、外相や首相は親密な国から訪問というのが外交の定石ですし、外交メッセージにもなりますから、普通は大臣自ら軽々に表に出すような話ではないはず。
岸田首相の年内訪米が、スケジュール上の都合やオミクロン株への懸念で取りやめになりましたが、岸田政権の姿勢がアメリカから疑問視され、これにも微妙に影響したかもしれませんね。
また、これに関連したのかどうか、安部元総理が台湾の民間研究機関が主催した会合で中国の台湾政策に対する自制を求める発言をし、中国当局が猛烈に反発しましたが、この辺りも、日本の政権が親中に傾いているのではと疑念を持つ米国と、それを懸念する米寄りの政治家、日本を取り込みたい中国の間の綱引きの結果でもあるんでしょうな。
 
次に、日本版マグニツキー法に対する中谷首相補佐官の発言も。
マグニツキー法は、人権侵害に対する制裁に関する法律で、中谷補佐官はその推進派であり、就任当初は、人権侵害を行う中国に対する、前述の林大臣とバランスを取った人事とも言われていました。
ところが、この中谷補佐官の発言がややトーンダウンしたんですね。
これに対しては、岸田首相の方針があったのか、中谷補佐官が落ち込んだ経済の状況を考えての自律的な発言だったのか、判断が難しいところですな。
グリップが利いているとも、利いていないとも取れますが、いずれにしても手としてはあまり良くないように思います。
人事の最初がバランスを取る目的なのであれば、変わらず強硬な姿勢でバランスを取った方がいいでしょう。
良い警官と悪い警官の交渉術があるように、カードは両方ともあった方が生かすことができます。
戦略的にグリップを利かせ、就任前と変わらず推進の方針を示させることが王道だと思いますが、実際はどうだったのか。
それによって感想が180°変わるんてずが、気になりますな。
 
最後に、「ん?」と思ったのは、航空会社に新規予約停止を要請したこと。
オミクロン株への警戒によって、入国規制の厳格化が素早く実施されました。
これに関しては、今までの政権より判断が早く、迅速さは評価したいと思ってるんですが、やや厳し過ぎたような気がしますね。
新たな変異株とは言え、コロナという大原則は変わっていないわけですから、運用としては14日間の隔離を徹底するだけでよかったんではないでしょうか。
結論から言えば、その要請は数日で撤回され、国交省の担当部局の独断指示ということになりましたが、本当は政権からの指示があったのか、責任転嫁されたのか、どうなんでしょう。
実態は、外国人の入国が再び5000人から3500人に下げられましたから、そのまま到着便の予約を取り続けたら枠がパンクしてしまうという事への対処に過ぎなかったのかもしれませんが、統制が利いていないという印象はどうしても拭えませんな。
 
なんだかんだ、船出早々不安定さが垣間見られる岸田政権ですが、今後、どのような舵取りをしていくのか、気になるところです。