2022年3月2日水曜日

経済制裁の影響

ロシアのウクライナ侵攻に対して、西側各国は経済面での核とも称されるSWIFT排除を含む経済制裁を策定しました。
かなり素早い対応でしたね。
これにより、影響がかなり広がってきています。
ただ、最も影響が大きいと思われたSWIFTからの排除には、ロシア最大手のズベルバンクやガスプロム系の銀行が含まれず、思ったよりも影響は大きく無さそうですな。
他銀行もズベルバンク経由で決済できるわけですからね。
その他では、
 
・各国でのロシア中銀の預金等凍結
・ルーブルの暴落に伴う基準金利20%への変更
・外貨収入のあるロシア企業に対する8割の外貨売却命令
・ズベルバンクの各国子会社の破産や売却の検討
・各国上空の航空機通過の禁止
・船舶や航空機の再保険を受けているロイズが再保険の引き受けを停止
・ロシア国内の約半分を占める航空機のリース契約の解除
・各国企業のロシア事業からの撤退
・ノルドストリーム2の運営会社の破産検討
・エクソンモービルのサハリン1からの撤退
・シェルのサハリン2からの撤退
・TSMCなどの半導体の輸出停止
・各スポーツのロシア選手の参加停止
 
などが報じられています。
多すぎて追い切れないぐらい。
流れを見ていると、金融だけではなく、物流や諸々の製品等の製造、メンテナンスまで止まる勢いです。
ロシア国民の生活が、10年単位で巻き戻されかねないですね。
これら一覧の中でも、徹底されなかったSWIFTからの排除よりも影響が大きそうなのが、ロシア中銀の資産凍結。
これは相当大きな制裁で、テロ支援国家と同列の扱いです。
プーチン大統領は、ドルの凍結を見越して中銀の外貨準備をユーロや円、元、金などに替えていました。
しかし、国外の外貨資産を凍結されると、使えるのが国内の外貨や金などの現物資産や手持ちの資産に限られ、ルーブル防衛に大きな影響が出ます。
報道では、74兆円程度の外貨準備が実質的に半分程度に減るとのこと。
半分も凍結されていることから、プーチン大統領もこの早さはちょっと想定外だったんでしょうね。
今後も影響は広がり続けそうです。
また、これら制裁の反動として、ビットコイン等の暗号資産のルーブル取引急増、中国の決済網であるCIPSの地位向上などが取り上げられており、経済面でも世界の役割や機能が大きく変貌しそうですな。
 

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