ウクライナ侵攻。
そう、侵攻です。
紛うことなき軍事侵攻へと、事態は悪化しました。
有識者の間でも、本格侵攻を決断するとは思っていなかったという声が多いようですが、合理的に考えてもリターンが少ない決断に思え、自分も予想外でしたね。
一時的とは言え、ロシアの株価の50%を吹き飛ばすほどのインパクトですし。
プーチン大統領には、NATOへの根強い不信感があり、どうしても緩衝地帯を作りたい思惑があるようですね。
思えば、戦前の日本が朝鮮半島に進出したのも、南下するロシアに対して朝鮮半島を緩衝地帯化するのに失敗し、突き出した半島をロシアに取られれば喉元のナイフになってしまう恐怖からでした。
古くは、上杉謙信が自領外の川中島で武田信玄と衝突したのも、義理堅い謙信の性格はあるにせよ、軍事的には、本拠春日山城に近く喉元のナイフと成り得る北信を取られる恐怖からでしたしね。
帝国主義時代の東南アジアでは、イギリスとフランスが緩衝地帯を作る為に、タイを独立国として温存し、植民地化しませんでした。
古今東西を問わず、軍事的にも政治的にも、緩衝地帯は安定と安心をもたらします。
それは解るんですがねぇ
解るんですが、現代ではリスクが大きすぎる。
特に今回はリターンに対して失うものが多すぎる気がします。
また、多くの住民が迎え入れる意思のある東部だけならともかく、首都や全土への軍事侵攻となると、投入兵力がちょっと少ないような。
戦国時代でも、城を落とすには5倍の兵力が要るとされましたが、近代戦でも3倍の兵力が要ると言われます。
ウクライナには20万の兵力があるとされ、予備役も招集し、守備側には民兵も参加していますから、士気は高いでしょう。
その上、西側から最新式の武器が供与されています。
そこに同等の兵力で侵攻しても、ゲリラ戦術のような非対称戦を仕掛けられたら、泥沼の長い戦いになりかねません。
プーチン大統領は、恐らく電撃的に首都を制圧してゼレンスキー大統領を引き摺り下ろし、親ロシア政権を樹立するというのが狙いだと思いますが、その狙い通りにスムーズに進むのかは、微妙なところになってますね。
情報戦もあって、伝わる情報は玉石混交で確度も不明ですが、ロシア自身が想定していたよりも進捗は遅れているようです。
この作戦が早期に成功しないと、侵攻終結の落とし所が非常に難しくなってきますが、どうなるのか。
また、外交では、スウェーデンやフィンランドに対しても、ロシアはNATO加入を牽制して強硬姿勢を示しており、NATO絡みで全方位的な敵対姿勢を取っている雰囲気です。
これも心証が悪く、国際政治的に非常に厳しい立場になりつつありますな。
軍事的にも外交的にも、次の1週間で大きく事態が変化すると思われ、目が離せません。
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