北風と太陽という童話があります。
旅人のコートを脱がせる為に太陽と北風が競う話。
人間同士の関係でも時々見られるんですが、安保が絡むと、こんな連鎖的に、しかもはっきりと見られるんですね。
ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアが全方位的に恐喝まがいの外交をした結果、ウクライナと同じくソ連の旧衛星国かつロシアから軍事的な圧迫を受けている、ジョージアやモルドバもEU加盟を申請しました。
また、ポーランドやバルト3国など、旧ソ連の衛星国だった国々は、ウクライナが陥落すれば次の火の粉は自分達に降り掛かってくると、エネルギーという命綱を握られている西欧に比べて強硬な声を上げています。
そして、ソ連とは因縁がありつつも中立の軍事的姿勢を保っていたフィンランドとスウェーデンも、ウクライナ側に立って武器を供与し、国民の間でもNATO加盟論が盛り上がってきているとのこと。
北風も北風、暴風ですな。
コートをしっかりと巻き込み、襟を立てて北風に抗うが如く、ベラルーシなどを除いて反ロシアということで西欧から東欧までが、ドミノ倒しのようにまとまりそうな勢いです。
国家というのは組織が大きい為、何事も決定に時間が掛かりがちですが、こんな劇的に物事が進むのは珍しい。
ほぼ1週間の出来事ですからね。
一方、ロシアの脅威をあまり感じていない日本の動きを見ると、やはり鈍いですな。
ロシアは隣国であり、北方領土という領土問題を抱えてる関係なんですが、ね。
ようやく今日、渡航中止勧告が出ました。
何事も欧米に追従する必要はないですが、ロシアがリース切れの航空機の差し押さえを免れる為に国際線を止めるという状況になってからですから、遅きに失した感があります。
また、ユニクロが営業を続けると表明したように、欧米の企業に比べて、企業の営業中止の判断も鈍いですね。
金融は、最大手のズベルバンクを通じた取引がまだ可能ですが、物流は止まりつつありますし。
グローバルに展開した企業では、商品がロシアの外から補給できず、すぐに無くなるのが目に見えています。
どう商売していくんですかね。
また、日本全体に横たわるこの辺りの判断のスピード感は、この問題だけの話ではない、もっと本質的な部分として、ちょっと気にはなりますな。
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