ウクライナ侵攻以来、東西冷戦の頃の雰囲気が戻ってきていますね。
世界が分断されていたあの頃に。
いや、当時は分断されつつもそれなりの秩序と仕組みはありましたから、それよりも厳しいかもしれません。
侵攻を切っ掛けとした金融制裁により、ロシアの外貨準備は凍結され、ルーブル安が進んでいます。
そのせいで、ロシアのデフォルトの可能性は非常に高まっていますが、ロシア政府はルーブルで支払うことが可能とする法令を成立させ、ルーブルで支払うのでデフォルトにはならないと強弁する始末。
ドルで貸したのに、値が下がり続けるルーブル、しかも恐らくは公定のレートで支払って貰っても、どうしようもないでしょう。
デフォルト認定は貸し手の認識ですから、ルーブルで払うことにデフォルト回避的な意味はないですし、普通の投資家は当分の間、恐らくは10年以上、ロシアの外貨建て債券は買わないでしょうね。
航空機のリース問題もそうです。
国際線を停止させ、リース契約を解約された機体の差し押さえを阻むつもりのようですが、その影響からリース債権を組み込んだ金融商品が大荒れです。
こうなってしまったら、ロシア向けで航空機のリースは今後も成立しなくなりますな。
ニュースで「借りパチ」という懐かしい表現が使われていましたが、まさにその通り。
でも、エアバスもボーイングもロシアから撤退を表明していますから、正規部品が供給されず、「借りパチ」しても共食い整備ぐらいしかできませんけども。
そして、とどめは撤退する企業の商標や特許の使用の無償化したこと。
法律の立て付け的には、ロシア政府が強制的にライセンス許可を命じ、0%のライセンス料を払うということらしいです。
いずれにしろ、撤退企業の知的財産がロシア国内で使いたい放題ということになりますな。
更に、事業停止をしている企業に対して、再開をしない場合は資産没収ができるような法律策定を進めているようですから、ロシアに進出していた企業は全損処理しかありません。
こんな前例ができると、ウクライナでの軍事衝突が終了しても、ロシアに進出しようという西側の企業は二の足を踏むでしょうね。
すなわち、ウクライナの状況や結果に係わらず、今後はどんどんと分断が進むというわけです。
それがどれくらいの期間になるのかは不明ですが、イランや北朝鮮などとは違い、GDP10位の国ですからね。
そんな国が、金融や物流から離脱するというのは、世界にとってもかなり大きなインパクトで、今後どういう世界になっていくのか、ちょっと想像がつかないですな。
0 件のコメント:
コメントを投稿