どこから出た話なのか、突然、年金生活者に5000円を配るという話が出まして、そして白紙に戻りました。
この騒動はなんだったのか・・・
与党である自民党の政調会長である高市氏にも話が無かったようで、当然ながら与党内で議論もされておらず、政策としては思い付きに近いものと言えそうですな。
なんとも杜撰です。
年金生活者に対する5000円給付が俎上に上がったのは、新型コロナによる影響で、年金のマクロ経済スライドという仕組みによって0.4%の年金支給額の減額が発生するからなのですが、この算出要素は賃金と物価なんですよね。
つまり、賃金が下落しているから支給額も下がる、という事。
この2つの要素は、現役世代も影響を受けている、どころか賃金はダイレクトな要素ですので、現役世代たる自分としては、なんで年金生活者だけ補填されるのか?という疑問が当然のように湧きます。
まして、年金は給料や賞与と違って、新型コロナの影響で減額されたなんてことも無かったわけですからね。
一昨年の給付金は年金生活者を含む国民全員に配られましたし、今さら、現役世代と区別を付ける意味が解らない。
そして、実務として5000円を配るのにその半分ぐらい経費が掛かるというのも、アホらしい話。
無駄が多すぎますわ。
やるとしても、来年度分は単純にマクロ経済スライドを停止すれば済む事。
デフレが続いている間、マクロ経済スライドはずっと停止されていましたから、実績はありますし、スマートで負担も少ない。
ついでに言うと、その停止された期間の分だけ、今でも支給水準は高いままになっていますからね。
これ以上まだ忖度するんか、という気分すら出てきてしまいます。
なんだか、シルバー民主主義の悪い部分を凝縮したような、整合性が無くて筋の悪い施策でしたな。
強引に推し進められなくて、良かったです。