つい先日、中国がTPPへの加盟申請をしたことを記事にしましたが、なんと、台湾もTPPへ加盟申請をしたとのこと。
中国の国内体制との整合性から、加盟申請をしたことの真意を測りかねていましたが、理由がはっきりしましたね。
理由が台湾の加盟申請であったのは、間違いないでしょう。
どちらの申請もたまたま偶然的に近い日になったというのはさすがに考えにくく、どちらかが申請をするという確度の高い情報があり、一方が申請に動いて、或いはどちらも申請を急いで、それぞれ近い日に申請の運びとなったというところだと思われます。
整理すると、中国の申請が16日の夜で、発表が17日。
台湾の申請が21日で、発表が22日です。
時系列的には、台湾が後追いしたように感じられますが、17日の中国の発表からGoサインを出して21日に申請というのは、政府部門だけではなく民間部門も絡む話ですから、ちょっと調整時間が短すぎ、困難でしょう。
ですので、前述のようにどちらかが申請する情報を得て動いたという話になるわけですが、それはどちらだったのでしょうか。
あくまで何の情報も無い推測に過ぎませんが、個人的には中国が情報を得て先手を打ったように思います。
台湾も中国も、TPPの加盟申請については以前から公言していましたが、その熱量は台湾の方が明らかに高かったんですね。
台湾は、民主体制ですし、輸出国家でもあるので、得られる恩恵も多く、ルールへの親和性も高い。
一方で中国は、対応として様々な規則や法律の変更や整理が必要ですし、ここしばらくは恒大集団のデフォルト騒動のような経済的な問題が噴出していて、対外的な対応を考える余裕は無さそうでした。
だからこそ、あれだけの衝撃的ニュースになったわけですが。
その中国の申請の狙いとしては、1つの中国という革新的利益の喧伝と、台湾の牽制はもちろんですが、TPPに足枷を嵌めることができるのも大きいのでしょう。
TPP加盟国の中でも、シンガポールやマレーシアなどは親中的な行動を取りますから、全会一致の原則を利用して、内部で台湾の加盟交渉を膠着させる。
もちろん、中国自身の加盟交渉もオーストラリアや日本の抵抗で難航することは織り込み済みでしょうが、台湾も中国も交渉が膠着していれば、中国にとって不利にはならないですからね。
なかなかうまい戦略ですな。
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