吉本興業と加藤浩次さんのエージェント契約解消についての話題が、まだ燻っていますね。
週刊誌やワイドショーなどでは、吉本興業が加藤さんを切りに掛かったとか、クビにしたなんて字が躍る一方、エージェント契約は法人とタレントの対等な契約であって吉本興業がドライに利益が無いと判断しただけ、という意見もあります。
加藤さんが「びっくりした」という発言をしたように、加藤さん側としては継続したかったのは間違いないようですね。
しかし、吉本興業側は継続の意思は無いと通告したことから、期間満了に伴う契約解消になった、という経緯です。
契約書では、1年契約かつ自動継続の条項があっても、どちらかが契約満了の意思を一定の期間前に伝えれば更新されないというのは、ほぼ確実に入ってくる条項で、今回のニュースが3月の頭ということを考えれば、少なくとも1ヶ月前までに意思表示をすれば更新されないという契約だったんでしょう。
経緯はその程度にして、エージェント契約というのは何か、というと、プロスポーツ界を見ると解り易いですね。
日本語で言うと、代理人。
契約などの交渉、仕事の獲得など、本業以外の事を本人に代わって代行する人です。
芸能人の場合も同様なんですが、問題になるのは、代理人たる吉本興業には専属マネジメント契約の芸人さんがいること。
つまり、クライアントたる加藤さんと競合関係になるわけですな。
プロスポーツ界では、代理人が「俺がやる!」とプロスポーツを代わりにすることなんてできませんが、吉本興業の場合は、本人そのものの代わりは無理とは言え、ある程度、代わりになる者を用意できてしまうんですよね。
これは、一般企業の元請けと下請けにも見られる関係です。
元請けが暇になれば、余った人的リソースを使って下請けの仕事もしてしまうということはありますし、逆に下請けが力を付けて元請けと同じ仕事を受けるようになる、というのもよくある話。
吉本興業には、芸人さんの人的リソースは山ほどありますから、今回は上のパターンと言えるでしょうね。
更に、加藤さんのエージェント契約では、取り分が8:2だったという話も出ています。
これが本当かどうか分かりませんが、仮に加藤さんの出演料が1本100万円とすると、吉本興業の取り分は20万円。
吉本興業と一般の芸人さんの取り分が半々だった場合、1本40万円の芸人さんで同じ利益が得られてしまうんですよね。
しかも、恐らく加藤さんより若い芸人さんで、まだ伸びしろがあるでしょう。
身内扱いの芸人さんで利益的な代わりが利き、しかも伸びしろがあるとなると、どちらを売り込むかは自明となってきます。
個人的には、関西の人間なんで、吉本興業は一般の会社とは違って利益だけで判断しない会社というイメージを持っていますが、やはりエージェント契約になれば、枠外に出た芸人さんという扱いんでしょうね。
そこでドライに判断した、と。
エージェント契約と言っても、なかなか、プロスポーツ界のようには行きませんね。
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