2016年3月12日土曜日

労働組合の政治的パラドックス

歴代政権の中で、安倍政権は賃上げ圧力の高い政権といえるでしょう。
労働組合の頭越しに経営者や経団連に働きかけているニュースが毎年出ています。
これについて思うのは、政治的な矛盾。
自民党と民主党の性格としては、自民党が経営者や自営業者に近く、民主党や他のリベラル系野党は労働者に近しい。
ところが、安倍政権がやっているのは賃上げ要請です。
もちろん、法人税の減税や経営者側に立つ政策もありますが、このような明確な賃上げ要請は、労働組合に支持された民主党政権でもありませんでした。
庶民層の賃金が上がらないと内需が拡大しないという強い認識の顕れなんでしょう。
しかし、支持基盤である経営者層から嫌われるというリスクもあるわけです。
なかなか思い切った働き掛けだと思いますね。
経営者的立場からすれば、そんなのはお上が言うことじゃないだろ!筋違いだ!という反発があってもおかしくない。
建前的には、雇用契約と言うのは双務契約ですから。
 
一方、賃上げを歓迎すべき労働組合は、連合を含めそのほとんどが自民党ではなく民主党支持です。
賃上げ圧力の強い政権なのに、与党ではなく野党支持。
また、そのような民主党支持の労働組合の中には、公務員の労働組合である自治労もあります。
しかし、民主党は公務員給与削減も政策として掲げていますね。
・・・ん~なんなんだろう、この矛盾。
労働組合なら賃上げ方針を掲げる党を支持すべきだし、特に自治労なんて給与削減を掲げる政党を支持するなんて労働組合としては自殺行為。
違和感が半端ないですな。
旧社会党の流れが民主党に組み込まれているので、そのまま惰性で支持というのもあるんでしょうが、もう政治的な主張を持つ労働組合という組織が、組合の本質とかけ離れてしまってる気がします。
そら、組合に入る人も減るわ・・・
特に自治労なんて、組合費払って給与削減を求めてるようなもの。
もっと現実に即した支持や主張が求められているんではないでしょうかね。
いや、世の中の空気を見ると、それすら通り越えて、もう求められてすらいないのかも。
労働組合に関係無い人間なんで他人事ですが、当事者ならとてつもない鬱憤が溜まるだろうな・・・
 



2016年3月7日月曜日

2016スーパーチューズデーの後

共和党の大統領候補であるトランプ氏の優勢がはっきりしてから、過激な言動のトランプ氏に対するネガティブキャンペーンがCNN等で加速していますね。
個人的には、もしこのままトランプ氏が大統領になっても、トランプ氏の人脈だけではとても政権は回せないでしょうし、行政官僚やブレーンなどは共和党人脈から政権に出すことになるので、もっとマイルドな政策に落ち着くと思っていますが。
とは言え、トランプ氏も黙る訳もなく、トランプ支持は低学歴層だというネガティブキャンペーンに対して、支持してくれる人は低学歴でも大好きだ、という返しをしました。
なかなかうまいものですな。
低学歴の人だってアメリカ人ですからね。
1票は1票。
高学歴の人間が上から目線でネガティブキャンペーンをしても、低学歴の人は反発して支持を強くするだけでしょう。
下から見れば、その選民意識が鼻につく。
そもそも、学歴なんて相対的な指標であって絶対的なものではないですしね。
日本でも大卒は昔は高学歴でしたが、大学全入時代に突入しつつある今では、もはや大卒は取り立てて高学歴でもなく、普通になってます。
就職には、専門的な訓練を受けた専門学校の方がよほど強みがあるほど。
そんな絶対的ではない指標でネガティブキャンペーンというのも、煽りが見え見えで悪手ですわ。
あと、注目すべきは、移民に対して辛辣な発言が多いトランプ氏ですが、移民層からの支持も厚いことですね。
合法的に移民をしてきた人間にとっては、違法に入ってくる新たな移民は、自らの権益や立場を侵す者です。
先行者利益の維持というやつですね。
そういう人間からすれば、当然ながら後続者が少ないほうが良い。
この辺り、アメリカの複雑な移民事情が窺えます。
 
しかし、こういう一連の流れから見えるのは、どこの国でもそうですが、メディアの影響力が弱っていることでしょうか。
一昔前なら、これだけネガティブキャンペーンをやられると、ちょっと勢いを保つのは無理だったと思います。
大統領選で多額のお金がメディアに流れるのは、そういうネガティブキャンペーンの攻防の意味がありました。
ところが、メディアのそういう恣意的な部分がネット経由では丸見えになり、大元の情報へ直接アクセスして自分で判断するという人が増えています。
すると、ネガティブキャンペーンなんて底が知れたもの。
恣意的であれば、それが逆に反感を買うことすら珍しくありません。
翻って日本を見てみても、テレビや新聞の論調と、政権支持率の調査結果が、どうも合致しません。
紙面や画面から漂う雰囲気と調査結果が合わないのです。
これは、あくまで個人的な主観ですがね。
それだけ、市井の空気と、メディアの空気にズレが生じているとも言えるでしょうか。
ネットに到達可能な人口比率が98%を超える今、ネットで発信しているのは普通の人々なのですから。
これは政治的な話だけではなく、流行もそうですね。
昔はメディアで流行を主導した部分がありましたが、今はそれが難しい。
本当に良いものか、ネットで下調べしますからね。
 
しかし、情報革命というのは、かなり大袈裟な言葉ではありますが、この15年ほど掛けて革命に値するほど世の中に影響を与えて来たのだなと思わずにいられませんな。
色々と変わって来ていますが、これからも変わって行くんでしょうね。
おっさんは、もうついていけないかも知れません(笑)
 

2016年3月3日木曜日

2016スーパーチューズデー

アメリカの共和民主両党の大統領候補選挙が、連日報道されていますね。
前半の山場のスーパーチューズデーと呼ばれる選挙日を越え、共和党はトランプ候補、民主党はクリントン候補が優勢となりました。
以前にもトランプ候補には少し触れましたが、トランプ候補がここまで支持を集めるとは意外でしたね。
ちなみに、共和党の候補を見てみると、トップが過激な発言で知られるトランプ候補、2番手3番手に主流派のルビオ候補と保守強行派のクルーズ候補がほぼ並ぶ形となっています。
つまり、中道的な主流派はルビオ氏だけで、全体的に強硬な主張をする候補に支持が集まる傾向があるようですな。
トランプ候補支持とクルーズ候補支持を合わせると、ざっと4人中3人までが強硬派支持。
これは相当な割合ですな。
ちなみに、もう撤退を決めましたが、ブッシュ家の3番目の大統領になるかと言われたジェブ・ブッシュ氏も、共和党では主流派と呼ばれる人物で、ブッシュ氏支持の層はその撤退によってルビオ氏支持となっています。
それでいて尚、トランプ候補のこの強さ。
いや、主流派の弱さというべきでしょうか。
以前とかなり選挙の様相が変わってきているようです。
ただ、同じ強硬系のトランプ候補とクルーズ候補に親和性があるかと言うと、これがまたちょっと違っていて、ややこしい。
最終的に共和党候補として一本化された時に、撤退した候補の支持層がどう動くかというのは、まだまだ流動的な面があるようです。
 
一方の民主党。
こちらはほぼクリントン候補で決まりの様子。
対抗するサンダース候補は、ざっと見た所、ピュアリベラリストとでも言ってもいいんじゃないかというぐらいの社会主義的政策を掲げています。
その為、貧困層からの支持が厚い。
比率にすると4人中1人程度ですが、この辺り、共和党とはベクトルが違うものの、やはり過激な政策が受け入れられる素地があるんでしょう
 
チェンジを掲げて8年前にオバマ大統領が誕生しましたが、共和民主双方で強硬な政策を掲げる候補が支持を得ているという事は、そのような変化を求める空気が今尚強いようです。
オバマ大統領時代は、リーマンショック後で難しい局面でしたが、アメリカ経済の相対的強さを見ると、うまく切り抜けたという印象でしょうか。
それでも、あまり評価は高くありません。
外交的には、失策と見ていいような部分が多いですしね。
ただ、それよりも、アメリカの一般層には、表層的には見えない鬱屈した閉塞感というのが問題として横たわっているんではないでしょうか。
いつもとちょっと風向きの違う選挙戦。
どうもそれが気になりますね。
 

2016年2月25日木曜日

支配者階級比率

前から気になっていたいた事がありまして、それについて調べてみました。
それは、支配階級の人口比率。
世界的に見ると、大規模に封建制というのが成立したのはヨーロッパと日本だけとされ、先進国への脱皮は封建制を経ないと成立しなかったという論もあるようですね。
厳密に言えば、中国でも封建制の時代がありましたが、と言うか封建制自体が元々は中国の言葉なんですが、ヨーロッパや日本と同じ程度まで領主権が確保されていたかには議論があるようです。
具体的に言うと殷や周の時代ですからね。
江戸時代や中世ヨーロッパと比べるには時代に隔たりがありすぎるのと、はっきりさせるには昔過ぎて史料的な制約も多いのでしょう。
 
本題の支配者階級比率ですが、日本の場合を直球で言うと、明治最初期の調査で6%と少しでした。
江戸時代中期以前は人口調査もされていないので、そもそも比率を追うことはほぼ不可能なんですが、江戸時代の中期以降も武士の数については不明で、明確に数字が出るのは明治時代が初めてとなります。
戊辰戦争での敗戦藩における武士の大量解雇も考慮すると、江戸時代末期で大体7%といったところでしょうか。
これに臨時雇いの武士や中間などの武家奉公人を加えると、最大で10%程度と考える事ができるようです。
一般に、日本の江戸時代は、戦国時代の動員システムのまま行政組織化した為に支配者階級が高かったと言われていますが、どうだったのでしょうか。
日本と同様に封建制が成立していたヨーロッパでは、といっても、明確なソースがWikipediaにしか見つけられなかったんですが、
 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%B4%E6%97%8F
 
にあるように、高くて2%だった模様。
ただし、辺境部は比率が高く、10%を占めるとのこと。
おぉ、10%!
なんかひとつの真理を見つけた気がしますね(^^)
辺境部がなぜ高かったかと言うと、本文にも書いていますが、辺境であるが故に軍事階級に対する需要が多く、域外から獲得できる褒賞も多かった為のようです。
日本の戦国時代も条件は同じで、そのままの体制であったことからの江戸時代の数字でした。
つまり、
 ・江戸時代の支配者階級比率は、やはり世界的に見て大きかった
と言うことができ、さらに、
 ・封健制度における軍事的な動員体制というのは、洋の東西を問わず10%程度が標準
と読み取る事ができそうです。
うむ。
ひとつ勉強になったわ~
 



2016年2月19日金曜日

GL05Pのその後

勝手に通信量が増えていくという、なんかよく分からないSIMの不具合があったGL05Pですが、その後は特に問題なく稼動しています。
で、このGL05P、SIMフリーの機種なんですね。
というわけで、かれこれ6年ぐらい使ったEMobile改めY-Mobileを解約し、OCNに移りました。
主に仕事用に使ってるんですが、通信量を見ると、大体多い時で200MB/日、少ない時で40MB/日という状況です。
動画とかを見ないとこんなもんでしょう。
MVNOをいくつか比較しましたが、OCNモバイルONEなら、最小プランで日ごとの割当てが110MB/日。
しかも翌日まで繰り可能。
これが一番使い方に合っているようです。
それで、税込み972円。
初期費用等はありますが、Y-Mobileの契約が機種代込みで3900円弱だったことを考えると、かなり安くなりますな。
端末もまだまだ普通に使えるし。
 
というわけで、早速アマゾンでSIMを購入し、設定。
設定は簡単で、SIMに同封された紙に書いてあるのをそのまま入れるだけ。
 
 
これは一度保存した後の画面なのでプロファイルリストにOCNの名がありますが、最初はありません。
任意に設定したプロファイル名で保存すると、リストに出てきます。
あとはトップ画面のプロファイルリストでOCNを選択すればOK。
 
 
OCNでの利用登録をお忘れなく。
 
しかし、OCNの登録はちょっとめんどくさいですな。
送られてくる紙に認証IDと認証パスワードが書かれているんですが、それとは別にメールアドレスとメールパスワードがあり、OCNのマイページにアクセスするとログインパスワードとセキュリティパスワードを設定しろと言われる。
ログインはメールアドレスで行けるからいいとしても、
パスワード何個設定せなあかんねん!
たださえ年齢的に鳥頭になってきてるというのに・・・
普段使うアクセス用のパスワードは覚えているはずなので、それ以外は書き残しておくってのが確実ですが、パスワードを紙に残すってセキュリティ的に本末転倒過ぎやしません?
それなら最初に送られた紙で事足りるわけで。
かと言って書き残さないと、めったに使わないセキュリティパスワードなんてきっと忘れるだろうし。
同じNTT系列のぷららも最初はこんな感じでしたけど、パスワードは後でひとつに統合されたよなぁ
多重パスワードはセキュリティ上は有効ですけど、パスワードが分からんけどどうしようという相談も多いので、せめてひとつに統一して欲しいものですな。
慎重にし過ぎて余事が増えるという典型的なパターンの気がします。
 

2016年2月12日金曜日

マイナス金利と円高

昨日、ロンドン市場で一時、1ドル110円台に突入したようですね。
ついこの前まで120円台だったことを考えれば、かなり動きが荒いですな。
テレビのニュースでは、日銀のマイナス金利導入がトリガとなって円高が進んでいるというような印象の報道をしています。
確かに、マイナス金利というのはかなりのインパクトで、それに理由を求めるのも分からないではないですが、マイナス金利はあくまで金融緩和方向の施策です。
先立って導入された欧州では、導入以降、確か年末までは5%を超える通貨安の方向だったはず。
緩和ですからね。
通貨安へ動くのは当たり前。
つまり、今回の円高は、緩和策による通貨安方向のベクトルを打ち消すだけの何かがあったということで、マイナス金利が引き金ではないでしょう。
更に言えば、金融が不安定な流れに抗う為に打たれた対策だったとも言えます。
ま、日銀のマイナス金利自体は、今まで積み上げられた預金には適用されず、今後積み上げられた分にはマイナス分を適用するよ、という影響の少ないやり方で、マイナス金利という言葉のインパクトを最大限に利用しようとするやり方でした。
テレビでは、この辺りの影響の少なさをあまり説明しませんが。
逆に言えば、影響が少なかったが故に、これほど円高に動いたのかなという気もしますね。
それはともかく、よく言われるような中国の経済不振だけでは説明がつかないほどの動きなので、何が原因なのか色々とニュースを見ていたところ、ユーロ圏の中では例外的に堅調だったドイツで金融不安が持ち上がっているようです。
具体的には、ドイツ銀行の発行するCoCo債が売られているとのこと。
CoCo債というのは初耳だったんですが、ノックイン条件が付いた転換社債の一種のようですね。
欧州危機で財政が傷んだユーロ圏の銀行は、何もなければ社債にしか過ぎないCoCo債を、自己資本増強の為に1000億ドルほど発行していますが、これは何かあれば株式転換や債券の減額などが発動する債券です。
ん?株が希薄化するからまずくね?と、金融不安の空気から投資家が疑ったようで、希薄化は株価下落を意味しますから、発動に先駆けて売ろうと株価が下落しました。
当然ながら、人気の無い債券も売られており、ドイツ銀行自身が買い戻すことに言及する状況にもなっています。
ドイツ銀行と言えば、サブプライム問題から欧州危機の頃にかけて、好調なドイツ経済を象徴するように割と攻めの戦略を採ってデリバティブの取引を増やしていたんですが、今は裏目に出ていますね。
欧州の銀行は、危機を受けて、傷んだ債権を満期目的で保有すると時価評価しなくて良いというルールにしましたから、本質的には先送りしただけで、あまり解決していません。
日本のバブル崩壊の際には、あれだけ時価評価を求めたにもかかわらず、今回はサクっとルールを変えたって点は、日本人としては腹立たしいですが、誰しも我が身はかわいいということなんでしょう。
それはともかく、満期になれば、発行元は債券を償還しなければなりませんが、景気後退で実業で稼げていないと当然払えず、デフォルトもあるわけです。
デフォルトになれば再び銀行の自己資本が傷付く。
ただ、この潜在的な問題を浮き上がらせたのは、巡り巡って、正月早々荒れ模様となった中国の株価を受けた空気なんかに行き着くんでしょうね。
結局、中国かいな(笑)
とりあえず、もう少し落ち着いて欲しいものです。
 

2016年2月9日火曜日

放送について時事ネタ

自分はかつて、郵政省が管轄する許認可業界で働いていた事があるので、それを引き継いだ今の総務省の許認可業界関連にも少し興味があったりします。
ただ、郵便事業はもう時代の趨勢からは遠い事業になってしまったので、具体的には放送と通信ですかね。
ここ数日、放送関係の記事が出ていたので、ちょっと気になりました。
まず7日に上がってた記事、というか炎上ネタですが。
 
NHK経営委員「最近の若者は本当にダメだから法律でNHKの番組を強制的に見せる時間をつくるべき」
http://netgeek.biz/archives/65874
 
NHKの経営委員の安田喜憲氏が、最近の若者はダメだから強制的にNHKを見る時間を決めてもいいぐらいだ、という発言をしたという記事ですね。
これを見て、そもそも疑問に思ったのが、ダメな若者を矯正させるほどの良質なコンテンツをNHKは創っているのか?という素直な疑問。
自分は大河ドラマやニュースなんかを割とよく見てるクチなので、NHKのコンテンツを比較的多く視聴している部類かと思われます。
その上で、各々の番組が良質かどうかは主観的なものなのでなんとも言えないですが、番組表を見る限り、良質なラインナップとは言えないと感じますね。
視聴率に左右されず良質なものを創る為、というのが受信料を徴収するひとつの建前だったはずですが、ドラマやバラエティなど、民放で補完できる番組が多いように思われます。
そして番組中に入ってくる番宣。
民放と同じやん・・・
なんかね、
いや、それは違うやろ。
視聴率と予算とのバランスが難しいドキュメンタリーを相当重視してるなら、その建前とかも解ります。
しかし、現状では量として全然物足りない。
BSで流してるMLBやプレミアリーグなんかも、高い放映権料を払ってまで取ってくるほど国民に潜在的需要があるのかというと、相当疑問ですしね。
自分は野球部でしたし、サッカーやフットサルもするので、たまに見てたりはするんですけど、こういう専門的な需要はケーブルテレビやCSに任せるべきで、受信料を原資にやることではないでしょう。
そのほか、問題になった新国立競技場よりも遥かに高額な新社屋建設とか、テレビ離れが進んでるのに時代に合わなくなった受信料制度とか、利権にもメスを入れつつこういう議論ならまだ解るんですがねぇ
あと、話はそ逸れますが、安田氏に限らず、若者ダメだ論を振りかざす人は、経験上、老害と化すことも多いので、信用なりませんね。
高年層には高年層の、若年層には若年層の育った環境と成功体験があるわけで、もちろん人によりますが、高年層の成功体験と価値観が今の世の中に合ってるかどうかというのには、かなり疑問があります。
それを理解しないと、若者の○○離れという言葉も無くならないでしょうね。
「最近の若い奴は」と「若者の○○離れ」。
便利な言葉ではありますが、根本には、自分が理解できない事に対してレッテルを貼って片付けてしまうという心情が見え隠れしているように思います。
でも、それでは本質を見誤りかねない。
若い人がダメなのではなく、若者が離れたんではなく、考え方やモノが若い人の価値観に合わなくなった。
ただ、それだけの事です。
新しい物や考え方が絶えず登場し、流動していくのが世の中というものなのだから。
これは誰しも何となく感覚で理解している事だとは思いますが、明確に主語を意識するだけで、ぐっと鮮明になりますね。
些細な事ですが、意外と大事な事だと思います。
人間は表面的な言葉に案外縛られますから。
それに、若者ダメだ論で思うのは、個人的には若者のマナーだなんだと言われる割に、体感的に60前後の人のマナーもかなり悪いです。
電車内とか駅とか。
年を取ると厚かましくなるのか、それとも年齢的なホルモン等の変化で我慢が難しくなるのか。
それとも、戦後すぐで戦中からの揺り戻しによって導入した欧米風の個人主義教育が悪い方向に出てるのか。
そこには少し興味ありますがね。
 
2つ目の記事はこちら。
 
総務相、電波停止の可能性に言及 - 政治的公平性で
http://news.mynavi.jp/news/2016/02/08/415/
 
不偏不党、政治的に公平であることという部分において、放送法違反を繰り返した場合は、停波もあり得るという答弁の記事ですね。
まず、放送法を見ると、第1条に不偏不党、第4条に政治的に公平であることというのが明記されています。
そして、第174条には、違反した際には総務大臣の判断として業務停止を命じることができる、とあります。
さて、何が問題なのでしょうか。
放送法で明記されている以上、総務大臣としては、停波を命じることがあるのか?と聞かれれば、可能性としてはある、と答えるしかありません。
法律で縛られる法治国家の行政を担当する一大臣としては。
しかも、私の時には無いだろうが、という注釈付きでの発言です。
何が問題なのか。
これは、民主党が政権を握っていた場合でもそうだったでしょう。
法律に明記されていない処分を言えば問題ですが、明記されている以上、勝手に法の運用を変えることはできないし、してはいけない。
もちろん、運用上の弾力性というのはありますが、可能性は法治国家としては否定してはいけないのです。
ただ、これを受けたメディアの報道は、政治的な圧力をかけるのではないか、という含みを持たせた報道でした。
いや、それは違うやろ。
政府内の総務大臣が停波云々の権限を持つのは危険だから第三者機関を作るべき、というのなら解ります。
現状では、どの党も政権を取れば同じ指摘をされても文句は言えないわけで、ことさら現政権に対して批判的に報道する事柄ではありません。
自分らがこういうちょっと偏った見方をしているという自覚があるから、こんな報道の仕方になるのかな?なんて勘繰ってしまいますね。
個人的な意見としては、そもそも放送に明記されている不偏不党や政治的公平なんて幻想だと思います。
かつての椿事件が象徴的ですが、日本のマスメディアは、どうも政権批判の方向にしか耳目が向いていないなと感じるのは気のせいではないでしょう。
現状でも、政権批判、自民党批判が多い。
そして、どうも映像などで印象操作をしている可能性も疑われる。
ドイツでは、年末年始の移民系難民系住民による強盗や暴行がようやく4日になって報道されたというニュースがあり、これは移民推進派のメルケル首相に迎合したんではないかというぐらいの遅報っぷりで、メディアの報道しない自由としてこれはこれで問題なんですが、日本ではこういう政権寄りの姿勢というのはちょっと想像できないですよね。
公平を期すなら、称賛するところは称賛し、批判するところは批判する、というのが正しい放送メディアの在り方、監視のはずですが、現状は遥かに遠い。
今回の事も、本来なら政権に批判的に捉える案件ではなく、システムとしての不健全さに目を向けるべき案件なんですが、この報道の仕方では偏ってると見られてもしょうがないわ、という感想しか出てきません。
商業的には、批判のほうが視聴率が取れるという理由もあるんでしょうけども。
しかし、自民党なんて、世界的に見れば穏健左派なんですが、基本的にリベラルが多いはずのメディアはよく批判しますよね。
なんでだろう。
もちろん批判するなというのではありませんが、建設的な議論を吹っかけられない野党の尻も与党と同じぐらいしっかり叩けよ、とはよく思います。
現状、現実的な政策論で考えると、選挙では一択になってしまいますから。
こういうのは、投票する側としても良いとは思えません。
もう、放送メディアも、どうせなら思い切ってアメリカのように、政権に近しいのか、遠い立場なのか、はっきりしてくれたほうが分かりやすいかもしれませんね。
一方、新聞については、政権寄りが産経、中立やや政権寄りぐらいに読売、批判側に朝日と毎日で、割とバランスが取れています。
本来、こうあるべきで、賞賛も批判もあって初めてバランスし、比較もできるようになるんですが、現政権の支持率が発足後から概ね50%前後を維持しているというのに、テレビでは批判がやたら多い。
もう少し、国民意識に近い形でバラけてくれることを願います。