2021年6月4日金曜日

オリンピック中止論

昨今、オリンピック中止論というのが、色々なところで囁かれています。
やる、やらない、というのは、色々な見方、意見があっていいと思うんですが、一部の主張に妙に違和感があるんですよね。
先日、朝日新聞が社説で中止を訴えました。
 
 
これ以前にも、楽天の三木谷社長やソフトバンクグループの孫会長が以下のような主張をしています。
 
 
でも、朝日新聞主催の夏の全国高校野球選手権大会はやるつもりですし、楽天やソフトバンクがチームを持つプロ野球もやっている、サッカーのJリーグもやっているんですよね。
オリンピック云々を声高に表明するほどリスクと考えるなら、「隗より始めよ」ではないですが、同じようなリスクが考えられる、自らが関係する国内スポーツイベントの見直しが先なんじゃないか、と思うわけですよ。
もちろん、政府の説明も非常に曖昧で説得力は感じませんが、中止論も、ちゃんと考え得るリスクを冷徹に評価して、テーブルの上に並べて判断した結果なのか、全然見えてこない。
それをせず、中止を主張するところに、妙に感情的、いや扇動的な感じがするんですよね。
その辺りに違和感を感じるんでしょうな。
通信を営む2社はNTTがゴールドハートナーだから?などど、いらぬ勘繰りもしたくなります。
ま、朝日新聞は政権を叩きたいだけやな、という安定の納得感はあるんですが(笑)
 
オリンピックに関して整理すると、まずオリンピックというのは、各競技で会場は別々ですから、突き詰めれば同時に各種の世界大会をするということでもあるわけです。
で、現在の世界のスポーツイベントはと言うと、一部で会場変更などもありますが、ゴルフもやっていればテニスもやっているし、各種の世界大会も行われるようになっているんですよね。
つまり、競技運営に関しては、試行錯誤でこうやったらリスクは低いという知見が得られてきているのもありますし、各競技を行う事自体に関しては、現在行われているスポーツイベントと、リスクの面でそれほど差は無いはず。
となれば、あとはオリンピック全体の運用次第ということになります。
その運用面のひとつである、選手や関係者の感染予防に関しては、IOCからワクチンが供給されますので、全員とはいいませんが、ワクチンを接種して来日する選手が多いでしょう。
実際、今年の一番乗りとなったオーストラリアのソフトボールチームは、チーム全員が接種を受けて来日しています。
現在の世界の状況を見ると、これ以上の感染予防策はありません。
どちらかと言えば、日本の接種状況では、来日する選手の方が気にする状況でしょうね。
次に、運用面での移動に関してですが、基本的に選手は合宿所や選手村でほぼ隔離され、会場への移動も公共交通機関は使わないということになっています。
そうなると、一般市民との接点はゼロにかなり近づきますから、影響もほぼ無いでしょう。
実際、オリンピックの開催と中止でどのような変化が出るか試算したものがニュースになりましたが、開催と中止でほとんど変わらないという結果でした。
 
 
色々整理して考えると、自分は職種的に運用側の人間なんで、運用でカバーできるならやればいいんじゃないか、というスタンスですね。
ただ、焦点になるのが人流。
上のニュースでも、人流によって大きな差が出ていますから、観客を入れる入れないを含め、どこまでリスクを許容するのか、はたまたしないのか、ここは本当に十分議論をすべきだと思うんですよ。
リスクの面で言えば、本当に重要なポイントなんです。
一番大事と思われるこの部分に焦点が当たらず、問題の洗い出しや科学的な推測を無視して、開催と中止の二元論になってしまっているのも、違和感の原因ですね。
メディアも、もうちょっと冷静に論点整理して欲しいものですな。
でないと、評論家的やコメンテーターが出すような、実の無い議論しか生まれませんしね。
 

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