この新型肺炎で騒がしい中、ネットに流れていた話で、「外来の医師のバックアップのバックアップをする」というのがありました。
新型肺炎への感染の危険がありながら前線に立たれている医療関係者の方々には本当に頭の下がる思いですが、病院という機能を運用維持していく上で、医師という人の機能面を冷徹に取り出していかないと、やはり運用というのはできないものなんだなというのを感じましたね。
戦前には、美濃部達吉の天皇機関説というのがあって、軍部に猛烈に叩かれましたが、明治の帝国憲法でも天皇陛下に実権はなく、実務や諸々の決定は大臣が輔弼するという構造でしたから、実際の所は、天皇陛下は国家という組織の中の国家元首という機関・機能を背負った個人と言い換えることもできるわけです。
軍部にすれば、現人神たる天皇陛下をそのように言うとは何事だという話なんでしょうけど、組織の機能的な面で捉えた話ですからね。
根本の論の立ち位置が違う。
ただ、議論、というか本質的には議論ではなく関西弁で言う所のイチャモンってのは、そういう部分をうまく突きますよね。
これに天皇陛下という印籠を付けてしまえば、誰も逆らえなくなる。
戦前の軍部は、天皇機関説に対する難癖のような、頭の良い人が仕掛ける質の悪い議論的な面がしばしば出てきますね。
今で言うインテリヤクザ的、それも低級のインテリヤクザといった感じですが。
そういう空虚な議論が、軍部の中でも自家中毒のように回って、現実をきちんと分析できない組織になっていたように感じられますな。
ちょっと話が逸れました。
バックアップのバックアップ。
システムに携わる人間の端くれとしては、これほど解り易い言葉はありません。
その人の持つ能力を機能として見、その機能のバックアップを準備する。
主サーバーがコケた時、データが破損した時、それに備えてバックアップを用意するのと何ら変わりはないわけですね。
企業の中で、ある業務を担当している人間の機能面を抽出し、バックアップを作っておく。
今の状況では、新型肺炎に罹患していつ誰が出勤停止になるか分かりませんから、企業活動を続けていく上で、非常に大事になってきます。
新型肺炎に対しては、災害対処などの大きく捉えたBCPだけではなく、個々の業務についてもバックアップを用意し、BCPを作っておくということが必要になってきますね。
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