2016年11月7日月曜日

韓国の政治混乱

ニュースを見ていると、お隣の韓国では政権がえらいことになっているようですな。
なんでも支持率が5%とか。
更に地域別に見ると、朴大統領の地盤の弱い地域では0%なんていう驚異的な数字が出てるようです。
降水確率じゃないんやから・・・
しかし、韓国に関する数字は極端ですな。
あくまでなんとなくの印象なんですが、韓国の世論は勝ち馬に乗る性質があるようで、しばしば異常に支持されたり異常に叩かれたりします。
今が朴政権にとって、必要以上に叩かれるターンというわけなんですね。
当の本人は、疑獄の中心人物は信頼できる相談相手で、その相談相手を失った上にこの状況ですから、相当辛いでしょうけども。
日本では、不人気だった森政権時代や、方向が定まらずにっちもさっちもいかなくなった鳩山政権時代ですら、20%前後の支持率。
10%台は危険水域と言われますが、それ以上は固定の支持基盤があるので下がらないようです。
この辺りは、国民性の違いでしょうかね。
ただ、政治的混乱はこれだけが理由ではなく、面白い事に、こんな低支持率でも野党が辞任要求を出していない所です。
日本では、野党がしょっちゅう辞任要求を出していますが、この部分はえらい違い。
何でも、辞任すると60日以内に選挙となるんですが、そこで当選した大統領は辞任した大統領の残りの期間しか任期が与えられないそうです。
残りは1年と4ヶ月ほど。
こりゃ割に合いませんわな。
そんな大人の事情もあるので、政治的混乱はまだまだ続くでしょう。
 
韓国の大統領は、大統領の職務を終えた後、逮捕や暗殺など、大半の人物が不幸な目に逢っています。
中国では、王朝交代は易姓革命と呼ばれ、前王朝時代のものは全否定されたりしますが、韓国ではこれになぞらえて、5年ごとの易姓革命と呼ばれることもあるようですね。
実際、権力の座から降りた大半の人が不幸な目に合ってるわけですから、間違いではないようで。
しかし、こういうのは、儒教や科挙の流れがまだ隠然とした空気として残っているということなんでしょうね。
中国や朝鮮では、年長者が絶対で過去世界に重きを置く儒教と、官僚の登用制度である科挙が王朝時代に存在しました。
科挙自体は、門閥ではなく有能な者を登用するという意味では正しいのですが、それがいつのまにか郷村に利益誘導するシステムに変質していきます。
出身地の年長者に頼られたら便宜を図らないわけにはいかないという、儒教的な価値観ですね。
しかし、便宜を図る方が絶大な権力を持っていた場合には、恐ろしいことになります。
こうして利益誘導がシステム化し、一人科挙に受かれば一村が潤うと言われるほどになりました。
一村が潤うわけですから、今度は逆に村で聡明そうな子供を選んで村民や一族みんなで援助するという状態にもなっていきます。
こうなると、恩やしがらみのズブズブ状態から抜け出せない。
こうして、一部の人間やそれに連なる枝葉に対する権益がどんどんと雪だるま状に膨らんで行くわけですが、それが膨らみ切るとリセットされます。
権益の恩恵にあずかれない人間によって。
これが、易姓革命ですね。
前の権益者を抹殺しないと新しい権益が確保できませんから、前時代の全否定と大量の粛清が行われてしまいます。
こういう世界が、まだ韓国では存在してるんでしょうね。
王朝時代に比べればマイルドなものですけども。
こう見ていくと、韓国の財閥がすさまじいトップダウン制で、更に一族によるお家騒動が多いのも頷けます。
集まる権益が膨大ですからね。
こうやって見てみると、韓国も北朝鮮も、社会体制としては本質的に同じなのかもしれません。
 

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