2014年7月28日月曜日

裁判員裁判

先週24日、裁判員裁判に関して、次のようなニュースがありました。

http://topics.jp.msn.com/flash/article.aspx?articleid=5189522

簡潔に言うと、検察の10年という求刑の1.5倍の懲役刑が裁判員によって出され、最高裁が公平性を考慮して10年と8年に軽減されたという記事です。
まぁ裁判官の話はある程度の説得力があるんですが、ちょっとなんだかなぁという気が。
正直な話、それなら裁判員いらんやん!
という感想はどうしても持ってしまいますね。
そもそも、市民感覚を量刑に反映するというのが目的の制度で、それ以前から裁判官の出す量刑と市民が考える量刑に差があったというのは数々の調査で判明していますが、あとでちゃぶたい返しして結局裁判官の価値観で量刑を出すなら、最初からいらないのでは?という話にも説得力が出てきてしまいます。
実際、自分の身内もニュースを見ながら、いらんやんって言ってたし・・・

確かに、この事件は過去の同様の事件に比べて刑が重いですし、裁判の素人たる裁判員が少数で結論を出すとなると、独特の雰囲気で声の大きい人間が主導してそれに引きずられたり、感情的な判断が出ることも有り得る話でしょう。
求刑の10年に対し、父親を10年としたのも、裁判官の配慮が窺えます。
求刑の年数がそのまま出されることはあまり無いですから。
そして、過去の判例とのバランスも大事です。
でも、裁判員は、人によっては事件の証拠写真でトラウマになるほどの難しい判断を、考えてちゃんと出したと思うんですよ。
加害者の事も被害者の事も、色々考えながら。
幼児虐待が問題になって、幼児への事件は刑が重くなる傾向にはあります。
でもそれは、幼児虐待に対する世間の目が厳しくなってきたという表れではないでしょうか。
それなのに、裁判員制度導入前の、法曹の価値観で出された判例とのバランスを取ろうとすると、市民感覚を取り入れるという目的が無駄になるような気がします。
量刑を軽くするにしても、裁判員があえて求刑より重い量刑を出した、その意思を尊重して欲しかったというのが個人的な思いですね。
この話は、専門家でも両論あるようで、まだまだこれから判例を重ねてほど良い落とし所が見付かってくるとは思いますけど、ちょっと考えさせられる話ですな。
 

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