2023年1月29日日曜日

インボイス制度

インボイスとは、直訳すれば請求書という意味でしかないんですが、今度始まるインボイス制度というのは、適格請求番号を記載し、消費税を8%と10%で分けて表示している請求書(適格請求書)でないと、消費税の仮受け分の控除処理ができないの制度の事です。
その辺り、ホットな話題となっているので、国税庁はもちろん、解説しているサイトが多いんですが、予想以上にややこしい、というか事務負担がえげつないんですよね。
自分の周りでもその話題が多くなっており、一時、売り手側負担の振込手数料の処理が非常にややこしくなるなんていう話題が一部で広がっていましたが、これ以外にも、この場合はどうすんねん、あの場合はどうすんねん、という話ばかりです。
国税庁のQAの量がそれを表していますね。
 
インボイス制度に関するQ&A目次一覧|国税庁 (nta.go.jp)
 
軽減税率導入の際も、QA数はこれほど多くなかったですから。
そして、経過措置というのがまたややこしい。
適格請求書ではない場合、消費税の仮受分の控除ができないというのは原則なんですが、経過措置として、時限で控除できる割合が変わってきます。
取引業者が多くなければそうでもないですが、何千社と取引のある企業さんの場合だと、適格請求書発行の業者なのか、免税業者なのか、それを各企業に問い合わせてシステムに入れておかないといけませんし、ある程度システムで自動化省力化をしているでしょうから、システムの改修も必要となってきます。
誰やねん・・・こんな仕組み考えたやつ・・・
免税業者が受け取った消費税分を益税として儲けているという面ももちろんあるんですが、益税分の上乗せされた利益には、自営業者なら所得税、法人なら法人税がかかるので、利益が出ている場合はそれほど得ではないんですよね。
ジムのトレーナーのような、仕入れがほとんど無くて雇われに近い自営業の人は、そういう形で税を払うことになります。
そして、免税と言う事は、仕入れで払った消費税分は控除できませんから、仕入れが多い商売もそこまでお得にはなりません。
つまり、仕入れが少なく、売上が1000万以下で、赤字か微量の黒字にしているところがお得になるわけですが、そんなところ、数は多くないでしょう。
また、免税の仕組みはそのまま温存されるんですが、消費税分を控除できないことで、課税業者は免税業者に対して、値引きや取引停止の圧力がかかります。
しかも、値引き交渉も、下請け法や独禁法が絡んできたりで、これまたややこしいんですね。
免税業者は使うなと言われたら、接待で使う店が免税かどうか確認、なんてのもあるでしょうか。
個人的には、免税業者が取引から外される懸念は仕方ないと思っていますが、それなら免税をやめて簡易課税に一本化してしまったほうが、どうせ交渉の必要が出てくるなら、建設的だと思うんですがね。
税制はシンプルに、という原則から、どんどん離れて行ってて、しかも事務作業がやたら増える。
今回のインボイス制度は、そういう制度なんです。
住民みんなで地引網をして僅かな雑魚を狙うような、そんな徒労感がありますね。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿