源氏と平家の争いはよく描かれる題材ですが、それ以降の鎌倉時代草創期、執権政治が確立されるまでを描くというのは、なかなか難しかったと思います。
主役の知名度も、合戦の華々しさが影を潜めて権力争いがメインとなってくる時代背景にしても。
しかし、さすがは三谷幸喜ですね。
自分を含め、最期まで飽きずに見ることができたという人が多かったんじゃないでしょうか。
本筋はシリアスで陰湿な権力争いながら、所々に笑うポイントを入れて間をずらしてくる、そんな三谷ワールドでしたね。
しかし、義時の最期は、異説とも言える継室伊賀の方による毒殺説とは。
史実としては、かなり陰謀論的な雰囲気さえ漂う怪しい説ですが、ドラマとしては、暗黒に染まった義時に相応しい最期かもしれません。
最後の「報いの時」という題名がぴったりの内容とも言えますが、死にゆく義時を見た時に、ひとつまみの救いが見えるような気もします。
引導を渡したのが、もうひとりの主人公とも言える北条政子であるが故に、それを感じさせるんでしょう。
死の床にありながら、尚非常な手を打とうとする義時を、死によって解放した姉の切ない優しさ。
「長く生き過ぎた」という言葉に凝縮されていますな。
そして、最後まで気付かなかったのが、13人に込められたダブルミーニング。
宿老13人による合議制という数字だけではなく、義時が手に掛けた、或いは間接的に死に追いやった13人。
秀逸ですね。
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