2022年12月21日水曜日

ついに転換

昨日、日銀の黒田総裁が10年物日本国債の上限金利を0.25%から0.5%に引き上げることを発表しましたね。
ちょっと予想外でした。
アメリカのFRBの利上げペースが0.5%に下がり、一時の円安から円高に傾いている状況でしたから、円安のピーク時よりも日銀に対する圧力は弱かったはずです。
でも、黒田総裁は、市場において事実上の利上げと受け止められるような、イールドカーブのコントロールを緩める決断をしました。
市場もノーマークだったようで、サプライズとなり、1ドル137円台から一気に130円台まで、一時的に急上昇しましたね。
1ドル150円から折り返した後、円安のトレンドは転換したという意見が多く出てきていましたが、これで円安トレンドの終息は確定でしょう。
そもそも論として、円安が進行中でも、あのゴールドマンサックスの予測が来年春に1ドル125円でしたから、一般に報じられるニュースで騒がれていたような、ひたすら円安が続くという方向性は無いというのが、市場参加者の予想だったと思うんですが、その値に到達するのが前倒しになる可能性すら出てきましたというのは、ちょっと影響が大きいですね。
 
ただ、衝撃が和らいでくるにつれて、なぜ今のタイミングでそのような決断になったかに議論が移ってきています。
市場に押し切られた形なのか、それとも出口戦略の第1歩なのか。
個人的には、ちょっとどのエコノミストが言っていたかソースが見当たらないんですが、頑ななまでに緩和に拘った黒田総裁の任期切れが視野に入ってきている状況ですから、次代への継承の一環ではないか、という意見に惹かれますね。
大河ドラマで、汚名を地獄まで持っていくと言った義時の最期を見た影響かもしれませんが(笑)
ま、異次元緩和という非常時の政策を自分の代で目途をつけ、市場機能の正常化を進めておきたいというのは、多少なりともあると思います。
影響の大きさが為替に出ているように、次の一手がどう市場を動かすか、注意が必要ですね。
 

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