2021年11月21日日曜日

ガソリン高

ガソリンの価格が、直近ではやや下がりましたが、ここ最近はずっと上がり続けていましたね。
ガソリン税に関するトリガー条項に引っかかる水準になっていますが、凍結されているトリガー条項は解除せず、ガソリンの元売り会社のほうに資金を入れ、価格引き下げを図るようです。
ちょっと解り難い対応ですが、1度も発動されたことのないトリガー条項に対応するために、システム改修が必要なガソリンスタンドも多そうなので、その辺りがネックなのかな、と思ったりしますな。
経営の苦しいガソリンスタンドも多く、燃費の向上とガソリンタンク改修の件も相まって、ガソリンスタンドの数はずっと減り続けていますしね。
それから、コロナ対策の給付金などで傷んだ財政の問題も強いんでしょう。
無秩序に財政ファイナンスができるわけではない以上、配ったお金はどこかから税金として徴収しないといけません。
国はともかく、地方の財政のほうが厳しいので、地方の取り分があるガソリン税は下げられない、というのが理由としては強そうです。
その結果、直接減税ではなく、元売りに資金を入れるという、まどろっこしいやり方になったと考えられますな。
 
日本のガソリン高もそうですが、世界に目を向けてみると、資源高が直撃している国が多いですね。
イギリスは10月の消費者物価指数が4.2%高で、過去10年で最大。
同じくアメリカは6.2%で、6%台は31年ぶりとのこと。
ユーロ圏も4.1%高です。
特にヨーロッパやイギリスは、原油よりも天然ガスの価格高騰の影響が強そうですね。
他の大国はというと、インドや中国の消費者物価指数はそこまで大きな影響は出ていないようですが、卸売物価指数や企業物価指数、生産者物価指数などの上流の物価は大幅に上がっており、資源高の影響が見て取れます。
ただ、夏から秋まで強気一辺倒だった鉄鉱石や石炭などの先物価格が、中国当局の介入によって需要が旺盛なはずの中国国内で下がっており、原油もアメリカが戦略備蓄の放出を呼びかけたことで少し下落し、資源高の過熱感はやや和らいだように思いますな。
とは言え、先高感は変わらないまま。
また、SDGs投資などで脱炭素の動きが強まり、原油採掘設備に資金が回りにくくなっているようです。
この辺り、脱炭素の理念と現実の動きの乖離が大きくなり、バランスが非常に悪い状態に見えて仕方ありません。
特にヨーロッパ。
理念先行で、議論にバランスを欠いているように思います。
経済的に安定してこその環境問題ですからね。
余裕が無くなれば、環境問題への意識も低くなります。
EVの電池や送電線、供給電力の問題もそうですが、移行はするにしても、もう少し現実的な議論が欲しい。
この資源高を受けて、議論に現実の要素がもっと入り込んでくれるのか、落とし込めるのか、気になります。
 

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