今年の大河ドラマは、新しい一万円札の肖像になる渋沢栄一です。
明治に突入したし、さて今週も見るかとスタンバイしていると・・・
パラリンピックやないかい!
うっかりしてました。
オリンピック後に再開したので、定期放送が再開したのかと思ってましたが、冷静に考えたらパラリンピックの中継しますわな。
がっつり見るつもりで予定も空けていたので、このブログを書いているわけですが、ちょうどよいので、前半の感想をば。
前半の前半は、栄一の青少年期で、言わば幕末通史とはあまり関係なく物事が進んで行くということもあり、自分みたいな歴史を主眼において観ようとした層にとってはあまり興味の無い部分ではあるんですが、予想より面白く観ることができました。
駆け出しの家内制手工業の経営見習いとして、その商習慣や仕組みを理解していく様は、ちょっと少年誌の漫画のようで、成長物語としてテンポが良かったように思います。
また、経済原理が成熟して浸透していた江戸時代後期の空気感も、良かったですね。
江戸時代の農村と言えば、水呑百姓が赤貧の苦しい生活を送るというのが一般のイメージだと思いますが、実際は、各藩が商品経済に乗って自藩のブランド特産物を育てて保護し、江戸や大坂といった大市場で売りさばいていた時代。
民間でも、庄屋層や富農層が資本投下して色々な商品を作り、大都市に売っていた時代です。
今で言えばご当地ブランドですが、そういうのが成立していた、今の時代にすぐに置き換えられる言葉がある、というだけで、どれだけ商品経済が浸透していたか解りますね。
大量生産や道具の性能、利便性という点では全く違いますが、ブランドに対する意識という意味では、当時の都市生活者は今の一般消費者とそれほど変わらなかったんじゃないかとすら思うことがあります。
そういう側面が描かれているのは、商才の人が主人公の作品ならではでしょうか。
前半の中盤あたりからは、幕末の歴史が濃厚に栄一にも降りかかってくるわけですが、大筋としては幕末史にとって関係がなく、極端に言えば気楽な展開とも言え、肩肘張らずに観ることができましたね。
若い時代の熱病のような時間。
栄一にもそういう時間があり、自分自身、そういうのをやや懐かしく感じたのは、残念ながら自分も歳を取った証拠ですね(^^;)
一橋家臣となって以降は、再び少年誌漫画的な成長の物語となって行きます。
色々なアイデアを出し、それを実現して行く。
観ている方としては、面白い。
また、大きな時代の流れとしては、幕末ものの大河ドラマはやはり勝者側である薩長土肥の視点で描かれているものが多いのですが、今回は幕府側から見た視点というのがバックグラウンドとして存在しているのが良いですね。
徳川慶喜が、京都の宮中政治で四苦八苦していたことも描かれていました。
どす黒い寝技が渦巻く宮中で、慶喜が孤軍奮闘していたのはもっと評価されていいと思いますが、なかなか敗軍の将の評価というのは難しいですね。
ただ、このことが、今までの幕末ものと一線を画している雰囲気のような気がします。
さて、これから明治編に入るわけですが、幕末ものは、明治時代に入るとどうしてもリタイアしてしまいがち。
ですが、栄一にとってはこれからが活躍の本番。
今年はドラマの出来も良く、このまま完走できそうな気がしますので、楽しみですね(^^)