親トランプ派による議事堂乱入などがあり、就任式には何か起こるんではないかと色々取り沙汰されていましたが、無事、バイデン氏がアメリカ合衆国の第46代大統領に就任しましたね。
議事堂乱入に関しては、デモ隊の主張を見ていて、中国の歴史上でよく見られる「君側の奸を除く」というのをお題目にした叛乱軍もこんな感じの酷い版だったのかな、なんて思ったりしてました。
そういう意味では、人間のやってることなんて、時代が変わっても意外と変わらないものだな、と。
話が早々に逸れましたが、バイデン大統領は、早速、トランプ前大統領が進めてきた一国主義の修正を図り、パリ協定復帰の大統領令に署名するなどしています。
ただ、対中国政策は、トランプ大統領が進めてきた強硬路線を引き継ぐとしており、心配されていた中国とのズブズブの関係は避けられそうですね。
オバマ大統領時代に中国への対応が甘かっただけに、オバマ政権Ver.2のような顔ぶれのバイデン政権ではどうするのかと気になっていましたが、中国と安全保障上の問題を抱える日本人としては、ひとまずは安心。
ただ、バイデン大統領がトランプ前大統領の進めていたことへの揺り戻しを進めていくのは間違いなく、それが行き過ぎにならないようにしてほしいですね。
揺り戻しというのは、大抵行き過ぎるものですから。
ただ、大統領就任を巡る報道で気になる点がひとつ。
分断というキーワードがよく使われています。
トランプ前大統領によって分断が進んだアメリカ、というような感じで使われますが、主客転倒のような気がしますね。
分断が進められたのではなく、既に分断が進んでいたからこそ、トランプ前大統領のような極端な大統領候補が出てきたのではないか、と思います。
トランプ大統領が共和党の大統領候補として出てきた時、誰も大統領になるなんて思っていなかったはず。
その程度の存在でした。
それを大統領にまで押し上げたのは、国民の間に浸潤する分断という名の空気でしょう。
確かにトランプ前大統領にはそれを煽る言動がありましたが、与党となった民主党内ですら、サンダース候補のような強硬的左派が台頭しており、それまでの主流派とは主張に大きな乖離がありますからね。
これも分断の空気による結果ではないでしょうか。
そう考えると、バイデン政権下でもアメリカ国民の分断は続く、あるいはより進む可能性すらあると思います。
さて、バイデン大統領にとっては、これからが正念場ですね。
逆説的ですが、トランプ前大統領が極端であったからこそ、バイデン大統領の中道的な部分が支持されたという部分があり、言わばライバルに下駄を履かせてもらってた状態なんですな。
なんだかんだ、最後までトランプ前大統領に関する報道が多かったというのが、それを物語っています。
これからは、比較されての評価ではなく、単独での評価が下されるわけですから、本当の評価というのが見えて来るでしょう。
アメリカ国内はともかくとして、日本人としては、中国に対して明確な意思を示さずズルズルと増長を許したオバマ政権の副大統領ですから、同じ轍は踏まないよう願いたいものですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿