2020年2月22日土曜日

クルーズ船雑感

毎日、メディア上を賑わせている新型コロナウィルスですが、なかなか封じ込めとは行かないですね。
全国で散発的に感染が報告されており、それは今後も続きそうです。
富士フイルム富山化学が開発したアビガンという薬が投与開始されるとのニュースが出ており、これが効けば、持病持ちの人にとっては要注意ではあるものの、やや酷い程度の風邪という扱いになるのかもしれません。
そこは効果に期待したいですね。
このままだと、半年ぐらいは相当経済に影響が出てしまいそうですから。
 
さて、クルーズ船についてなんですが、色々な情報が飛び交ってますね。
ただ、意外だったのは、旗国主義というのが案外知られていなかったことですな。
自分は昔に、旗国主義とその延長理論が大前提となっている沈黙の艦隊という漫画を読んでいたので、船というのは公海上は船籍国の飛び地のようなものというは常識だったんですが、世間一般には知らない人が多かったようです。
ここ数日になってようやく報道され出しましたが、船内は船のトップたる船長が統括しなければならず、船長や船医の指示がまず第一であるということは、大事なポイントでしょう。
感染者が下船した後も、船内ではパーティ等が開かれていたそうなんで、船長と船医にそこまでの危機感が無かったように思います。
また、WHOも、基本再生産数という、感染者が平均何人に感染させるかという指数を、特性が未知のウイルスなのに低く見積もっていたのではないか、と感じられますね。
クルーズ船を始め、院内感染の経緯を見ると、基本再生産数はちょっと低すぎるのではないでしょうか。
このようなWHOの指針から、各国、特にアメリカCDCのような感染症対策の組織を持たない日本は行動指針を決定しますから、対策が後手に回りがちになった可能性が高いです。
これらの要因を見ていくと、あくまで結果論でしかありませんが、各国でクルーズ船寄港拒否が頻発したように、日本にとってのリスク管理と自国民保護の観点では、自国民だけを受け入れての寄港拒否が最善だったのかもしれません。
ただ、人道的な見地から、なかなかそうもいかないですからね。
難しい所ですな。
クルーズ船での隔離を終え、各国が自国民をチャーター機で帰国させていますが、感染者は日本に残している場合が多く、この辺り、それぞれの国の本音というか、国としてのリスク管理の難しさが滲み出ていますね。
 
また、クルーズ船の隔離に関連し、DMATとして船内に入った岩田教授の告発動画と、高山医師による補足が注目を集めました。
もう消されてしまった動画も見ましたし、高山医師のFacebookも見ましたが、検疫の組織運営上の話としては、医療の素人の目から見ると高山医師の言に理があるように感じます。
組織を動かすというのは会社などでも変わらないわけで、そういう観点から見ると、という話ではありますが。
ただ、岩田教授も十分経験のある方だと思いますし、どちらが100%正しいという話でもないんですがね。
組織で動かす検疫と、スタープレーヤーが活躍できる余地がある感染症の臨床との差でしょうか。
まして、設備がチープでも感染者の隔離をある程度は考えられているであろう医療施設と、完全なるレジャー施設である旅客船では構造に大きな違いがあり、船内構造も最初は把握し切れていなかったであろうという条件は、結構大きかったのではないか、と思いますね。
あと一点、検疫に従事した方の二次感染が発生していますが、色々とガイドライン違反が発覚しています。
ここだけは、しっかりと是正してもらいたいですね。
どんな立派なマニュアルを作っても、守らなければ無いのと変わらないですし。
状況が混乱している時こそ、組織として動く上で大事なことですから。
 
最後に、今回のクルーズ船で、本当にリスク管理できる人は直前にキャンセルしているはずです。
君子危うきに近寄らずのように、目の前の数十万よりもリスク回避を選んだ人が。
日本を出港した段階で、中国で未知の肺炎が発生している事と、その中国に寄港することは判っていましたからね。
もちろん、各人にとっての数十万の価値の大小が選択に影響することは避けられませんが。
バブルの時代に異変を感じて株を売れ抜けた人のように、正常性バイアスに流されず、きちんとリスク管理できる人になりたいものですな。
 

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