2018年9月11日火曜日

米中の貿易戦争の本質

久々に政経ネタで。
個人的に、朝鮮半島情勢の情報源として重宝しているシリーズ記事があります。
日経ビジネスオンラインの鈴置高史記者の記事で、普通のメディアには載ってこない深い情報があり、検証してみても確度が高いので、なかなか良い記事ですね。
すぐに導入部しか読めなくなるので、うっかり逃してしまう事があるのが痛いですが(^^;)
 
早読み 深読み 朝鮮半島
https://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120120/226331/
 
このシリーズ記事として、前日の9/10に新しい記事がアップされましたが、珍しく中国に対する記事でした。
朝鮮半島情勢に関して、中国はアメリカと並ぶ重要なプレーヤーですので、このシリーズ記事でもよく登場していますが、特に中国に焦点を当てた記事と言うのは珍しいですね。
記事の内容を端的にまとめると、題名にもあるように、「アメリカは中国をいたぶり続ける」です。
米中の貿易戦争の本質が、中国の対米黒字削減ではなく、中国による基軸通貨のドルに対する挑戦、つまり国同士の覇権争いであるならば、冷戦当時にアメリカがロシアに対してそうであったように、アメリカは中国に対してなんだかんだと理由を挙げて貿易についての条約や協定を妥結しないのかもしれません。
どこに焦点を持ってくるかの話ではありますが、記事通り覇権争いであるならば、手加減もしなければ譲る要素もありませんから、至極当たり前の話ですな。
利を得られるなら臨機応変にビジネスマン的な動きをするトランプ大統領よりも、共和党民主党の垣根無く中国に対して強硬な姿勢を保っている議会の方が、そのような覇権に対して敏感なのかもしれません。
そもそも、中国が改革開放路線で経済成長を甘受できたのは、WTOの加盟にあります。
WTOへの加盟、つまりは西側諸国と同じルールでやっていく、という前提のもとに、自由貿易ルールに乗ることができ、貿易量が飛躍的に増え、世界の工場と呼ばれるまでに製造業が発達したわけですね。
ところが、成長してみると、保留されている国内の特異的な経済ルールはそのままで、果実だけを貪る状況となっています。
これでは、アメリカが怒るのも無理はありません。
ただ、その怒りが、不均衡貿易に留まるのか、怒りの顔をしつつもしたたかに覇権争い策を練っているのか、アメリカが、トランプ大統領が、中国とどのような交渉を続けるかによって見えてくるんでしょう。
また、両国関係には、中国に対する携帯関連機器の締め出しを盛り込んだ国防権限法を可決させている議会も、重要な1要素になるはずです。
どのような展開になるのか、それが日本にどのように影響してくるのか、気になる所ですね。
 

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