24日、アメリカの格付け会社ムーディーズが、中国の長期国債の格付けをA1に格下げしたと発表しました。
詳しくは下から。
http://jp.reuters.com/article/column-china-downgrade-idJPKBN18L07Z
記事中にあるように、同じく大手格付け会社のフィッチは、先行して同クラスに格付けを引き下げています。
格付けは、3大格付け会社と呼ばれるフィッチ、ムーディーズ、S&Pが有名ですが、このうち2社が引き下げたことになり、中国に対し弱含みの見方が一般化してきていると言えるのでしょう。
ちなみに、日本のレーティングもA1で同じです。
これは、上から5番目の格付けで、投資対象としては十分なのですが、最上級のAaaとは明確な差がありますね。
ただ、日中どちらも国債消化は国内資金がほとんどである為、象徴的な意味にしかなりません。
とは言え、中国はこれから外資導入を進めていこうかという段階であったので、少し冷や水を浴びせられたような状態とも言えるでしょうか。
これにやや関連する話として、AIIBの件が少し気になりますね。
先頃、中国で一路一帯の国際会議がありましたが、それに伴ってAIIBについても語られていました。
しかし、AIIBの出資金はまだまだ集まっておらず、今年春の段階で、総額の6.8%という数字が報じられています。
世界銀行、ADBと、この種の銀行は、出資されたお金を基金として債権を発行し、インフラ工事に融資するわけですが、AIIBの場合はその債権の格付けが決まっていません。
AIIB参加国の拠出金には、GDP準拠かつアジア以外の各国は減額というルールがある為、最大の出資国が中国になるのですが、最大の出資国の格付けが債権に大きく反映される為、高い格付け、すなわち低い利率で債権を発行することができないのです。
また、こういう事情があるのは中国も自覚しているので、日本やアメリカに門戸を開いているというコメントがしばしば出てくるわけですな。
ところが、アメリカや日本にとっては、影響力が行使できるADBで事足りるわけで、しかもAIIBとの協調融資という仕組みもある為、中国が事実上の拒否権を持っているAIIBに参加する意味が本当にありません。
出資したからといって、日本企業が受注できるわけではないですし、そもそも日本企業はADB案件の受注も少ないですからね。
今回の格付け引き下げが、地味にAIIBの方に影響するかもしれないというところは、今後、ちょっと興味深いですな。
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