石破政権の支持率が低迷する中、国民民主党や参政党などの台頭があり、自公の与党で過半数を維持できるかが焦点となっていますね。
一番の争点となっているのは、物価高対策。
その対策として挙げられているのは、消費税減税か給付金か、というところでしょうか。
物価高の対策としては、色々な方法が考えられるとは思いますが、輸入原材料費などの輸入物価対策として円高誘導というものがあり、一部ネットでは円安是正の論もありますね。
ただ、為替というのは、相手方との相対的なものですから、色んな方法があるわけではなく、伝統的な手法が中心です。
つまりは、基準金利を上げるか、市中に供給しているお金を減らしてモノに対するお金の価値、つまり円の価値を上げるか、という2つ。
基準金利を上げると、他通貨との金利差が縮小しますから通貨高方向に圧力が掛かりますが、新たな資金調達の利子が膨らんでしまうので借りにくくなり、景気悪化の方向へ圧力が掛かります。
もうひとつのお金の価値を上げるという方法は、同じ価値のモノが少ない円で買えるということで、デフレ圧力が強まることになるんですね。
30年間の停滞なんてことも言われますが、突き詰めれば、その多くはデフレに由来します。
単純化すると、物価が上がらないんだから売り上げも増えず、社員の給料も増やせないというスパイラルが働いていました。
このデフレの世界から、やっとの思いで抜け出したのに、再びデフレ政策を採るのか、というジレンマがありますね。
現在は、一時期の大規模金融緩和から恐る恐る元に戻している最中ですので、ここでの大胆な政策変更は非常に危険な気がします。
円安是正を言う人は、この辺りの事情も説明しておかないといけないと思うんですがね。
そこをバシっと言ってる人は見当たりません。
となると、物価高対策としては、選挙前のバラマキの色が濃いものの、減税か給付金かという選択が現実的でしょうか。
ただ、色々な案が出ていますが、その中では、期間限定の減税というのが一番愚策のように思います。
庶民は一息つける、というのはありますが、そのための事務作業費などの社会負担が大きすぎる上、すぐ戻すので、また苦しい状態に戻るのが見えてるわけですしね。
本当の意味での一時的な対処療法にしかならない。
やるなら、恒久的な消費税減税にして、その財源も何をカットするか議論してから導入して欲しいものです。
現役世代からすると、減税されたはいいけどすぐに社会保険料を上げられて、手取りが変わらないってなりそうなんですよね。
そうなると、いつものように老年世帯だけが恩恵を被ることになるので、それなら減税しない方がマシです。
社会保障費が自然増となっている中、みんなで負担する消費税の方が、まだ現役世代にとっては優しいまでありますから。
思う事をつらつらと散文的に書きましたが、1週間後には優劣が決まります。
給付や減税など、飴がぶら下げられていますが、各政党には、その原資である財源の議論を徹底的に行って欲しいと思いますね。
とは言っても、国債を無限発行できるみたいな主張は論外ですが。
すでに超長期国債の発行額は、金融機関の要望で減額されており、需要が弱くなっていることは自明で、そこは無視できません。
魔法の杖は無いんです。
財源については、高額療養費制度を変えようという話がすぐ潰されたように、給付や保障をカットする議論は茨の道ですが、各党には、そこは勇気を持って語って欲しいと思いますね。
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