選挙ポスター用の掲示板ジャックや、普通じゃない人数の候補者など、いい意味でも悪い意味でも色々と話題になった東京都知事選挙が終わり、小池さんが再選しました。そして、対小池さんの最右翼(ポジション的には左翼ですが笑)と見られていた蓮舫さんが、石丸さんの後塵を拝し、3位に沈みましたね。
これに関する諸々の解説はニュースに任せるとして、石丸さん2位、蓮舫さん3位というのは、勢いと戦略のまずさとが絡み合った結果なんでしょう。
ここまでかと、驚きました。
石丸さんは、ネットを中心に支持層を広げ、ボランティアの数も多く、選挙活動に草の根的な広がりが見られましたね。
ネット中心の新しい選挙という一面があったと思います。
これに対して蓮舫さんは、無所属ながら政党色を漂わせ、首都とは言え、地方首長選挙に国政の構図を持ち込み、そして共産党とは、選挙協力とは公表しないまでも、近しい関係で挑みました。
スタンスとしては、反自民公明の色が最も強く、都政をどう行っていきたいかというのがあまり見えませんでしたね。
舌鋒鋭く批判するというのは、野党においては重宝されます。
ですが、それは責任の少ない身軽な立場ならいいんですが、実際に現実的な問題を前に政治を進めていくという立場で考えた場合、ある程度は清濁併せ呑む必要があり、舌鋒の鋭さ、批判力というのは、あまりメリットにはなりません。
組織のトップが、喧嘩腰の批判をしていては組織が動きませんからね。
有権者は、そういう姿をイメージし、忌避されたのかもしれません。
都市部の選挙では、浮動票が多くなります。
大阪では、かつてお笑い100万票なんて言葉がありましたが、東京も似たようなもので、過去の都知事選を見ると、タレント的な候補で浮動票層を掴めば、150万票程度は獲得できるはずなんですね。
今回は、それが石丸さんでした。
石丸さんは石丸さんで、公約が抽象的でしたし、安芸高田市では軋轢を起こして途中退任となっていますから、それほど評価される実績ではない。
それでも蓮舫さんが大差をつけられたわけですから、民主党は根本的に戦略を考えないといけないでしょうね。
共産党の固定票が欲しいようですが、今回の投票年代を見ると、高齢層に支持されているものの、現役層から若者の層には見向きもされていない。
リベラルの内輪向け政策で盛り上がっても、広がらないですよね。
共産党と決定的に仲が悪い連合の組織票を捨ててまで、共産党支持層の票が欲しいものなのか、批判一辺倒でこれからもやっていくのか。
与党批判は媚薬のようなものなんですよね。
野党の仕事と言えば仕事なんですが、与党が失点した場合に批判するだけで得点できる。
つまり、美味しい。
そろそろその味を捨てて、ちゃんと政治に向き合わないといけないでしょうね。