アルケゴス、もしくはアーケゴス。
今、金融の世界では、降って湧いた疫病神みたいな感じになってますね。
アルケゴス・キャピタル・マネジメントというのは、ビル・ファンという人間が運営していたファミリーオフィスで、一般から資金を募集するファンドでもない会社です。
なんとなく、またファンドかな、なんて思ってたら、ファミリー・オフィス、つまり、個人資産の資産運用管理会社なんですね。
運用資産は100億ドル程度で、複数の投資銀行や証券会社と契約を結び、5倍から10倍のレバレッジを掛けていたとのこと。
そして損失を80億ドル以上出し、追証を払えなかった為、デフォルトになったわけです。
このデフォルト劇に連なっているのが、そうそうたるビッグネームだけに、ちょっとニュースとして衝撃が大きいんですな。
漏れ聞こえる所によると、元手は中国系の資産で、テンセントやアリババの株が中心だった模様。
切っ掛けは、米大手テレビ会社の増資発表で、アルケゴスはこの株に集中投資していたらしく、損失によって発生した追証を払えなかった為、その元手の株を売り払われたみたいですね。
その売り払った契約先というのが、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどの大手証券会社など数社といわれ、逃げ遅れたのがニュースに挙がっている金融大手というわけです。
真偽は、自分みたいな一般人には確認しようが無いですが、名前の出ているゴールドマンサックスやモルガンスタンレーが本当だとすると、さすがとしか言いようのない逃げ足ですな。
そして、損失を被った大手をざっと挙げると、
クレディ・スイス 5200億円
野村 2200億円
三菱UFJ 330億円
みずほ 100億円
といったところ。
これまた真偽は不明ですが、野村はリーマンショックでリーマンの投資部門を買収したものの、成果が芳しくなく、インサイダー取引の前歴があったファン氏との契約を、リスクを取って結んだという話です。
ゴールドマンサックスなどは、前歴を考慮したリスク管理からなかなか契約を認めませんでしたが、野村などに入る巨額の手数料に目を瞑り切れず、ファン氏との契約に応じたとのこと。
ただ、上に書いたように逃げ足は流石ですから、結局はババを引いたクレディ・スイスと野村のリスク管理の話という、すこぶるシンプルな事案ではあるんですがね。
ただ、ファミリー・オフィスは個人資産の管理運用という名目から、いわゆるファンドと呼ばれるものより規制や情報開示が緩く、アメリカ金融当局も関心を寄せているようで、金融の規制に積極的なバイデン政権の性格も相まって、いずれ規制が強化されそうですね。
確かに、資産規模がいくら大きいとは言っても、個人資産の運用管理会社が金融大手に数千億もの損失を与えかねないというのは、さすがにシステム全体のリスクとして許容しがたいレベルではありますな。
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