2018年3月13日火曜日

飛騨富山ツーリング その5

前回のあらすじ
 
下呂温泉熱すぎ!
 
桜谷公園を出発し、上中下の内の上呂を過ぎると、下呂地域とはお別れです。
また、下呂温泉には1泊してみたいですね。
高山へと向かう国道41号線は、飛騨川沿いを北上東進しながら延びていきますが、久々野で東の野麦峠へ向かう飛騨川と別れを告げ、北西に山を越えます。
ここが分水嶺で、山を越えると、今度は北流する宮川沿いの道となり、宮川は神通川となって富山湾に注ぐわけですね。
ここまで来れば、なんだかひと山越えた感じです。
 
飛騨には、地域としてざっと大きく4つの塊があるんですね。
一番南の下呂地域、そこからかなり北に離れた高山地域、そこから更に山ひとつ北に越えた古川地域、そして古川地域と同じ飛騨市ながら北東に離れた神岡地域。
これ以外に白川村などの庄川の川筋というのもありますが、歴史的に見てもこの4つが飛騨を代表する地域でしょう。
南北朝時代から戦国時代を見ると、この4つの地域にそれぞれ勢力が勃興しました。
南北朝時代早々には国府のある古川盆地に姉小路氏が中央から下って勢力を築き、それからやや遅れて神岡地域こと高原郷に江馬氏が、下呂地域に三木氏が興ってきたのが史料から窺えます。
高山盆地は、守護京極氏の家臣で守護代を務めた多賀氏が拠っていたようですね。
そして、戦国時代に入ると、三木氏が高山盆地までを勢力圏として掌握し、姉小路氏や江馬氏と攻伐を繰り広げました。
まさに、今、辿った道を三木氏も辿って勢力を拡大していったわけですな。
地勢を見ると、三木氏の本拠である下呂市の萩原地区とその周辺は、いくつかの細流が飛騨川に合流して、飛騨の中では盆地が広い部分なんですが、高山盆地は萩原地区の細流よりも大きな川が互いに合流する、より大きな盆地ですし、古川盆地は2本の大きな川が作り出した肥沃な盆地です。
こうして見ると、萩原から高山盆地に進出する三木氏は、戦国時代に山間から平野部に進出して勃興した、いくつもの戦国大名の物語と同じようなものなのかもしれませんね。
そして、次に目指すのは、その三木氏が、本拠である萩原の桜洞城から、高山盆地に本拠を移すべく築かれた松倉城なのです。
 
ちなみに、今回の旅には副題がありまして、それは、「松倉城の旅」なんですよね。
高山に2回も泊まったことがありながら行けていない飛騨松倉城と、ダムの工事による通行止めで行くことができなかった越中松倉城。
最初に高山に泊まってから、と言っても野宿ですが、22年の時を経て、ようやく1つめの松倉城に到達しました。
いや~長かった・・・。
松倉城へは、高山市街から国道158号線に入り、飛騨民俗村といういくつかの体験施設なんかが集まった松倉城の北中腹を過ぎてそのまま山へ向かうと、城のすぐ西側に到達することができます。
まずは、城への登山道入口のかなり手前にあった説明板をば。
 
 
この説明板からかなり上った所に、登山道入口がありました。
一帯は公園として整備されていて、駐車スペースもあります。
ここから登山道に入って行くわけですが、既にそこは城域で、堀切も明確に残っていましたね。
 
 
ここは明確な堀切ですが、他にも浅くなった不明瞭な堀切が確認できます。
更に進んで行けば、すぐに主郭部の石垣が見えてきました。
 
 
ん?なんかいる・・・
なぜかカモシカがお出迎えしてくれてますな(^^;)
しかし、こんな山上に高石垣は見事ですね。
石垣の脇から主郭部に入ると、まずは搦手門の跡。
 
 
そして三ノ丸へ。
三ノ丸の西南隅櫓台。
 
 
と、カモシカ(笑)
次いで、三ノ丸の中心部分。


 
そして、カモシカ。
 
 
相当警戒されているようだ・・・
一方その傍らでは、研究者らしき人が石垣の調査をしていました。
 
 
お互いがお互いの存在を知りつつも、何ら気にせずに居る。
なんとも、独特の空気感で、自然過ぎてちょっとした感動のようなものがありました。
いや、大げさかな?
続いて三ノ丸の南石門跡と東南隅櫓跡。
 
 
続いて二ノ丸。
 
 
二ノ丸の先は主郭部の端になりますが、こちらが大手のようですね。
突端部には堀切が明確に残っていました。
 
 
写真右手の窪みが堀切です。
いや、位置的には空堀と言った方がいいのかな?
二ノ丸からは、本丸の北に続く段郭も明確に見えました。
ただし、こちらは石垣造ではありません。
 
 
次は、いよいよ本丸へ。
 
 
小さいながら、本丸虎口は桝形となっていました。
そして、本丸全景。
 

更に、城址碑と残雪の山々。
 
 
ここから見ると、北の段郭も凄く分かり易い。
 
 
ちなみに、本丸は2段構成でした。
下は本丸下段から本丸の石垣。
 
 
帰りは再びカモシカがお見送り(^^)
 
 
バイバイ!
しかし、カモシカと遭遇したのは2度目やけど、相変わらず鹿と違って逃げずに堂々としてますな(笑)
何だか楽しかった(^^)
 
つづく
 
参考:
松倉城
地図付きはこちら
 

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