2018年1月30日火曜日

コインチェック

コインチェックからNEMという仮想通過が流出したことがニュースになっていますね。
その事件の表面は各メディアで報じられていますが、時系列や細かい内容については、下のニュースが詳しかったです。
 
 
この記事によると、かなり杜撰な管理体制だったようですね。
何より、NEMに関しては取り扱い開始以降も、2ヶ月ほど自社保有分が無かったというのはちょっと驚きですな。
つまり、コインチェックの顧客は、売買を起こしても売買の実態は無く、コインチェックの出す数字のみの上下でしかなかった、と。
更に、自社の自己売買勘定と顧客の売買勘定が同じだったというのも驚きです。
これは、取引仲介の要件を成してないですからね。
一般に証券会社や投資銀行等は、顧客売買勘定と自社売買勘定は別で、自社の取引で膨大な損失を出した場合でも顧客の資産は守られるような仕組みになっています。
これもすべてというわけではなくて、信用取引や貸株をしている場合は別なんですが、大まかにはオーソドックスな取引では守られると考えて問題ありません。
ところが、コインチェックでは、これがまさにどんぶり勘定で、すべてがひとつの財布にあったようですな。
ようこんなシステムで運用してたなぁとは思いますが、CM競争で顧客獲得に走り、投機として安いうちに仕込みたいマイナー仮想通貨を扱って人気を集め、巨額の利益を得たわけです。
なんとも荒っぽい・・・
 
しかし、流出した資産の保護、返還は大丈夫なんでしょうか。
マウントゴックスも同じように流出で破綻しましたが、資産の返還を約束し、それがまだ守られていないようです。
どうも、それと同じ結末を迎えるような気がしますね。
コインチェックは、その杜撰な運用体制から、通常2ヶ月程度で済む認可が4ヶ月掛かってもまだ下りていません。
その状況でこの事件ですからね。
今後、よほどシステムをガラっと変更しないと認可が下りない可能性が高い。
少なくとも、認可が始まる前から営業していた事業者が暫定処置として営業できるのは今年3月まで。
それを過ぎると営業停止ですからね。
それまでにシステムや管理体制が刷新されるのか、時間的に厳しいように思います。
また、自己資産も諸々の仮想通貨がこれだけ乱高下している状況では、どうなるかも分からないですし。
 
しかし、ブロックチェーンという技術は素晴らしいんですが、仮想通貨がこれほど高騰する価値があるものなのか、疑問ですな。
個人的には、ポイントプログラムと同じだと思うんですよ。
それぞれ各社のポイントプログラム内では決済手段として使用可能ですが、それ以外では融通が利かないところとかね。
ポイントプログラムを実施している各社が価値保証する部分が無いというのと、決済の出口はもう少し大きい所が違いますが、本質的には同じようなものではないでしょうか。
その出口も、今の所、なかなか広がってませんし、手数料の負担に耐えかねてやめるところも出てきてます。
どこでも決済手段として使える。
これが通貨の定義で、強い通貨であればあるほど、その傾向が強いわけです。
途上国でドルが珍重されるように。
とは言っても、日本ではポイント制が幅を利かせていて、2015年度の市場規模は1兆4440億円と推定されており、2020年度には2兆円を超えるとも言われています。
なかなか馬鹿にできない規模ではあるんですよね。
ですから、そういう意味でも似たようなものという気がします。
ただ、本当に通貨として考えるなら、これだけ乱高下してしまうと、どうにも実用には向きませんな。
ジンバブエじゃないんだから・・・
いずれにしろ、このニュースに関しては、まだまだ先がありそうですな。
 

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