日本は衆議院選挙の話題でいっぱいですが、その少し前、世界の動きとしては見逃せないニュースがありました。
9月21日に、アメリカが北朝鮮に対して、独自の金融制裁の強化を発動したことです。
これは大統領令によるものですが、北朝鮮と取引のある個人や団体を規制、もしくは資産を凍結し、また、これに関与した金融機関をドル決済システムから追い出すという厳しいもの。
世界の貿易量は膨大で、輸出入が多い国は影響が大きく、特にエネルギーと食料の決済はドルの比重が高い為、ドルの金融市場から締め出されることは、そのまま死活問題となります。
ムニューシン財務長官は、「外国の金融機関は今後、米国と取引するか、北朝鮮と取引するか、選ぶことになる」と発言しており、どれだけ影響範囲が大きいか解りますね。
これと同じ日、金正恩委員長が自ら声明を発表した事も注目されます。
正恩氏自ら声明を発表したというのは前例が無く、これが非常に異例な事で、また、それまで強気一辺倒だったのが、「慎重に考慮する」というようなややトーンダウンした文脈が見られることも、声明の印象をそれまでとかなり変えました。
北朝鮮内で、何か方針が変化する兆しかもしれません。
また、アメリカの金融制裁強化を受けて、22日には、北朝鮮との取引が多い中国遼寧省で、北朝鮮の企業や個人が所有する口座が全面凍結されたことが判りました。
なんだかんだと北朝鮮にお目こぼしをしていた中国ですが、さすがにドル決済できないというリスクを北朝鮮の為に抱え込むのは無理なようで、アメリカに押される形で強硬政策に転換したようです。
ただ、その前の安保理決議によって、ロシアンマフィアと繋がりの深い北朝鮮が、ロシアをアメリカと北朝鮮の対立する舞台に仲介役として引きずりだしたことで外交カードを得たという見方もあり、どう転がるか、まだまだ一筋縄では行かないかもしれません。
国内に目を向けてみると、この金融制裁強化の情報を、安倍首相は事前に知っていた可能性がありますね。
金融制裁は、言わば兵糧攻めです。
効果が出るまでには時間が掛かる。
少なくとも、その効果を見極める時間、効果を見つつ外交的に取引する時間、というのが必要となってきます。
万が一、衝突する事になったとしたら、そのような時間を置いた後になり、衆議院の任期切れが視界に入って来る。
つまり、政治的な空白が生じる可能性が出てきたわけですな。
おまけに、選挙前となると、各議員も浮足立ってきますしね。
となれば、どの道、任期から考えて選挙は通常国会の前か後の2択なんだから、通常国会前にやろうか、となった可能性は否定できません。
実際にどの程度の情報が得られているかというのは表に出てくることは無いでしょうが、なかなか深読みしたくなるところですな。
今後も、要注視です。
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