2017年2月8日水曜日

厄落としツーリング その5

前回のあらすじ
 
茶畑を抜けた先にある天方城。
これが茶畑ツーリングの始まりになるとは、まだ知る由も無かった・・・
 
気が付けば2月8日。
個人的に思い入れのある日ですが、ま、それは置くとして、年末年始もあって書きたいことが多くなり、ちょっとしばらく飛んでしまいました。
ぼちぼちと旅日記を再開しますかね
早くせんと、花粉症が来たらもう春やしな!
 
前回は諏訪原城に到着したところまででしたが、この城、兎にも角にも雄大です。
甲斐武田家の武田勝頼の時代に、遠江進出の拠点として大井川の水運を利用すべく流域に築かれた城のひとつですが、後に徳川家が奪取し、関東に移る頃に廃城となりました。
廃城後は原野に還った為、何よりも史跡の残存具合が素晴らしい城です。
泰平の時代の牧之原台地は、台地だけに水運も悪く、里山として使われる程度でした。
干拓されて茶畑になるのは明治時代以降の事なんですが、なかなか利用し辛い土地だったのが幸いしたんですね。
今の諏訪原城は、駐車場も整備され、非常に訪れやすい城になっています。
 
 
まず駐車場に案内板。
縄張が色で綺麗に示されていて、とても解かり易い。
マイナーに城へ行くと縄張図が無かったりしますから、全体像を掴むのに苦労するんですよね。
非常にありがたい(^^)
駐車場の横には大手南外堀があります。
 
 
写真右手の窪みがそれ。
駐車場とその付近の茶畑は、大手曲輪とそれに付随する武家屋敷などがあった場所で、台地上の平地となっています。
この辺りは視界が広く平坦で、雰囲気としては凄く近世的な趣がありました。
ここから、諏訪原城の目玉である巨大な丸馬出へ向かいます。
 
 
まず、左手に茶畑へと開墾された大手曲輪が。
その一角には、今福浄閑の戦死跡という碑。
 
 
ただし、これは伝承に過ぎないようです。
史料上では、今福浄閑斎は諏訪原城陥落後も活動が見られ、久能城で討死したようですな。
ま、こういう史実かどうか分からないという碑も、史跡には付き物と言えますね。
この大手曲輪を過ぎて歩いていくと、大手北外堀がありました。
 
 
駐車場付近の南堀と、この北堀の間の方形の区画が大手曲輪です。
この大手曲輪周辺は、徳川時代の拡張によってできた部分ですね。
北堀の右手は林になっていますが、往時はここに武家屋敷が並んでいました。
ここを過ぎて進むと、諏訪原城の立派な城址碑と大きな案内板があり、いよいよ丸馬出が見えてきます。
 
 
ドーン!
と言いたいところですが、写真じゃ迫力が伝わらん・・・
柵の向こうが丸馬出の空堀なんですけどねぇ
穿たれた!というような高低差と平坦地のコントラストがあったんですけど、普通の農地の写真みたいになってるな・・・
この中馬出の左手には、北馬出があります。
この北馬出の空堀も見事ですね。
綺麗な薬研状でした。
 
 
北馬出と中馬出の間は土橋状になっています。
 
 
これらの馬出を越えて中心部へ入ると、諏訪原城の二ノ曲輪と呼ばれていた二ノ丸です。
下は二ノ丸の南側部分。
 
 
この左手の二ノ丸外側の外堀も規模が大きい。
 
 
所々石材が斜面に転がってましたが、往時は部分的に石垣だったのかな?
何にしろ、壮大な切岸ですね。
二ノ丸の中に入ると、やたらめったらだだっ広い平地。
規模の大きさが凄い。
何人ぐらい籠れるんやろか。
二ノ丸から奥に進み、内堀の空堀と土橋を渡って奥に進むと本丸です。
下は本丸から見た内堀。
 
 
本丸も広いですが、こちらは変哲もない方形の郭という感じ。
 
 
本丸には櫓台があります。
天主台地となっていますが、境の城だけに天守があったかどうかは不明。
治所としての城でもないですしね。
 
 
本丸の崖側には搦手。
搦手郭なる区画がありました。
 
 
搦手郭を上から。
こちらは崖側なんで、非常に重層的ですね。
山城のような感じで、こちらもまた良し。
 

 
本丸に再び戻って、反対側から本丸の眺め。
 
 
本丸からは、大井川と島田市街も見えます。
 
 
本丸から再び二ノ丸へ。
二ノ丸中央部へと繋がる部分には、水の手であるカンカン井戸があります。
 
 
ここから崖側へとつながる谷筋には、水之手曲輪が。
下まで下らず、上から見ただけですが、木々から漏れる陽光が反射する部分があって、今でも水が溜まっている部分があるようです。
 
 
水之手曲輪から上がると再び二ノ丸。
その二ノ丸にはいくつかの馬出が繋がっています。
下は二ノ丸東馬出。
 
 
そして二ノ丸東内馬出。
 
 
最後に、諏訪原城の名のもとになった諏訪神社。
ここも馬出で、大手馬出という名前。
 
 
その証拠に、三日月堀が周囲にあります。
 
 
いや~ええ城やわ~
よくこんだけ残ってたもんだ。
満喫したわ!
良すぎて、なんか写真紀行みたいになってしまったけど(^^;)
 
つづく
 
参考:
地図付きはこちら
 
 


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