2018年4月18日水曜日

飛騨富山ツーリング その5

前回のあらすじ
 
ワタクシはカモシカに監視されてゐる・・・
 
松倉城は姉小路こと三木氏時代の高山の拠点でしたが、天正13年(1585)に秀吉配下の金森長近が飛騨に侵攻し、佐々成政と組む姉小路自頼は敗れて没落しました。
戦後、そのまま飛騨の支配を任された長近は、高山盆地南西の松倉城ではなく、盆地南東の山にあった城を再築して拠点とします。
これが高山城ですね。
ただ、高山城は、江戸時代の金森氏の移封後に徹底的に破却され、今では石垣などの城らしい構造物はほとんど無く、元からそうであったかのように、ほとんど土の城となってしまっています。
説明が無ければ分からないぐらいに。
ちなみに、金森氏の移封は、森林資源や鉱物資源目当てに幕府が直轄にしたという説が有力ですな。
こうして、この高山城の破却後に支配拠点となったのが、北西側の麓から宮川を越えた所にある高山陣屋なんですね。
 
松倉城からは、高山陣屋のほうが近いので、まずは江戸時代後期の政庁機能を担った陣屋へ向かいます。
山を北に下りて飛騨の里通りを抜け、国道158号線の1本南の脇道を東へ行き、飛騨天満宮を左折、八軒町通りから高山陣屋へと到着。
思ったより近かったですな。
バイクの楽しみのひとつですが、こういう地方都市の路地を走るのっていいですね。
土地土地の雰囲気が味わえます。
陣屋に着いてみると、恐ろしいほどの外国人観光客が陣屋前で休憩していました。
噂には聞いていたが、これほどとは・・・
そりゃインバウンドインバウンド言いますわ(^^;)
外国人を掻き分け掻き分け、というほどでもないですが、高山陣屋の門まで行くと、もう見学時間が終わって門が閉められるところでした。
 
  
惜しい!
でも、ちょっと無理を言って、パンフレットだけは貰えました。
ま、建物自体にはあまり興味が無いので、概要を知る事が出来れば満足です。
 
次に向かうは高山城。
高山陣屋からは歩いても行けるぐらい至近です。
まずは、説明板をば。
 
 
山頂付近に堅固な縄張があり、中腹から麓にかけて広い削平地が展開する、典型的な近世平山城ですね。
現在、二ノ丸付近一帯は駐車場などになっています。
下は北側から写したもの。
 
 
その一角には、金森長近の騎馬像もありました。
 
 
織田家中では、四天王や方面軍司令官の武将、それに続く前田利家や佐々成政、池田恒興といった家老ではないが一線級という武将に比べ、ややマイナーながら、要所要所で顔を出す1.5線級の武将ですね。
野球で言えば、代走や守備固めで出てきそうな選手のポジションですが、決して2軍に行くような選手ではないという感じ。
しかし、知名度は低いので、同じ1.5線級でも、稲葉一徹や氏家卜全、森長可、そして信長の側近たちなどよりも知られていないというところでしょうか。
ん~、いぶし銀っぽいですな。
河尻秀隆、津田信澄、織田家の盟友に近い立場の水野信元辺りと同列な雰囲気でしょうか。
とは言え、江戸時代は飛騨一国の主であり、移封までは国持大名の格であったと推測されています。
この騎馬像のある二ノ丸は、広々としてていかにも近世城という雰囲気がありますが、ここから山へ入って行くと、山城の雰囲気が急に色濃くなりました。
まず到着したのは、本丸の北東側下段に位置する東北郭。
 
 
もちろん搦手の守りという役割はあるんですが、大きさからすると、本丸からの馬出、武者溜という性格も強そうな場所です。
 
 
ちょっと見難いですが、東北郭から本丸や反対方向の搦手の縄張を見ると、動線が複雑に曲げられているのがよく解りますね。
ここから上がれば、すぐ本丸です。
まずは、使者之間。
 
 
ここだけは石垣が復元されていました。
そして、本丸御殿の跡。
 
 
ちなみに、本丸御殿は、望楼と一体型という珍しいものだったようです。
破却が無ければなぁと思わずにはいられません。
 
 
この本丸周辺、大手道の方はすごく動線が凝っています。
コントラストを上げてみましたが、見えるでしょうか。
 
 
破却で徹底的に石垣が無くされていますが、残っていれば石垣造の込み入った道だったはずで、相当いい城跡だったのにな~
非常に勿体ない・・・
ちなみに、この本丸付近には、破却を免れた石垣が部分的に残っています。
下は本丸から大手三ノ門へ向かう階段。
 
 
こちらはその三ノ門付近の石垣。
野面でいい感じですね。
 
 
また、石垣が無くても、往時の姿を偲ばせる構造が残っています。
これは、大手三ノ門の下、大手門と大手二ノ門の間にあった南之出丸。
ここも石垣造でした。
 
 
そして大手門跡。
 
 
南之出丸の下の、道の両側に土塁が迫る地形。
門跡かな?
 
 
最後に、白雲水。
岐阜県の名水50選のひとつです。
 
 
いや~、長らく来たかっただけに、満足ですわ(^^)
しかし、気になったのは、高山の宿場町から足を伸ばして来たであろう外国人観光客の姿がちらほらと城跡に見えたことですね。
姫路城みたいな城を日本の城というイメージで捉えてたら、ここを散策しても拍子抜けするんじゃないかと心配になりましたが、解って来てるんでしょうか。
解ってるとしたら、かなりの通やけどねぇ(^^;)
 
今日は、目的地訪問を完全に達成したので、とてもとても満足です。
その満足な気持ちで向かうは温泉の宿。
今日の宿は、高山市の郊外にある臥龍温泉です。
料金的に、健康ランド+宿的な施設かなと思ったら、ロビーから落ち着いた雰囲気があって、いい意味で予想を裏切られました。
食堂も非常に綺麗。
調子に乗ってビールを頼んだら、疲れもあって回る回る(^^;)
いやいや、今日はすごく恵まれた1日でしたわ(^^)
 
つづく
 
参考:
高山陣屋
高山城
臥龍温泉
地図付きはこちら
 

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