2016年9月15日木曜日

韓進海運破綻の余波

いまだに蓮舫さんの話題が続いていますね。
結局台湾籍あったんか~い!
と懐かしい男爵風で突っ込みたいぐらいですが、過去、学歴詐称で議員を辞めざるを得なかった人がいたことを考えると、今後、厳しい展開が予想されますな。
学歴より遥かに大事な国籍、しかも、過失ではなく意図的な発言を過去に繰り返してますからね。
攻めたい人にはいくらでも攻め口がある状態。
もし党首になったとしても、与党を批判するとすべて返ってきますよね。
どうするんだろ?
 
ま、それは置くとして、これ以外にもしばらく燻ってるニュースがあります。
それがいよいよ割と身近なところまで影響が出てきたので、それについて少し。
韓国に、韓進海運という会社があります。
世界7位の会社なんですが、これが8/31に破綻しました。
以降、規模が規模だけに世界中でコンテナの滞留が起きてまして、日本ではなかなか報道されにくい分野ですが、一部では詳しく続報が流れています。
通常は、影響範囲が大きいので、政府が仲介したり保証したりして影響を小さくしようとするんですが、韓国政府にその動きはあまり見られません。
その余波が、ついに神戸港にもやってきました。
神戸市は14日、以下のリリースを出しています。
 
韓進海運の空コンテナ滞留に伴う緊急対応について
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2016/09/20160914173003.html
 
破綻企業からは当然お金が出てこないので、緊急的に神戸市が荷役に補助を出してターミナルとして円滑に運営できるようにするという内容ですね。
緊急避難的には仕方のないことですが、早く通常運用に戻って欲しいものです。
 
この韓国海運の破綻の元は何かと言うと、リーマンショック後の海運不況なんですね。
韓国の海運業と造船業は、リーマンショック前は非常にアグレッシブな経営をしていました。
バルチック海運指数という、鉱石や穀物などを運ぶドライカーゴの運賃の指数を見ると、1985年4月の基準日が指数の1000で、リーマンショック前の2008年5月が11793ですから、わずか23年で10倍以上となっていました。
背景には、中国の資源爆買いを筆頭とする新興国の需要増があったわけですが、当然、需要が盛り上がってるということで、造船もどんどん設備投資をして船を造るわけです。
海運業も、その納品された船を、船主に高い庸船料を払って運用していました。
造船と海運は、直接ではないが裏表の関係にあったわけですね。
また、この時期、韓国の造船と海運は安値でシェアを取りに行く戦略でもあったわけです。
ところが、そこにリーマンショックが襲いました。
10000を優に超えていたバルチック海運指数は、2008年の年末には663と、基準日の1000すら割り込むという非常事態。
これにより、造船はキャンセルの嵐、海運は運用すればするほど赤字という最悪の状況になったのです。
それからもう8年が経とうとしていますが、中国の減速、世界貿易の縮小などがあり、基本的な構図には変化がありません。
バルチック海運指数は、1000前後を行ったり来たりで、今は再び1000を割っていますしね。
破綻に伴う残存者利益というのはもちろんありますが、業界の構図にそれほど変化が無いままであれば、ババ抜きはまだ続くのでしょう。
第2波、第3波が無いか、ちょっと注意が必要ですね。
また、当然ながら日本の造船も大変なわけなんですが、日本の海運会社からの受注が下支えとなっており、低位安定といったところです。
それ以前から無理に規模を追わず、収益構造の強化や経営統合を図っていましたからね。
日本のバブル後の対策が功を奏したという所でしょうか。
日本企業は、このままなんとか頑張ってほしいものですね。
 

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