2015年7月3日金曜日

阿蘇・佐賀ツーリング その11

前回のあらすじ

ね、ね、寝坊だってぇ~!?
おっさんになっても寝坊癖が直りゃしねぇ。
 
水ヶ江城の次は佐賀城ですが、水ヶ江城自体が江戸時代の佐賀城の内堀のすぐ外側にあり、城下町を含めた城全体という意味では、もう佐賀城内と言えるかも知れません。
惣構がはっきりしていれば、間違いなく城内と言えるんでしょうけどもね。
佐賀城の惣構に関しては、ちょっと探してみても詳しい史料が見当たらないのですが、どうも一部にはあったらしいです。
城の東に構口という地名があり、往時はそこに番所がありました。
この構口あたりに流れる大溝川やその南の八田江川は直角に曲がっている場所が何ヶ所もあり、どうも惣構っぽいんですが、どうなんでしょうか。

それはともかくとして、水ヶ江城から佐賀城は目と鼻の先。
徒歩でも行ける距離ですが、バイクでササッと移動です。
そう、50人ぐらいのブラスバンド部が見守る中を。
エンストしてカッコ悪い姿を晒さないよう慎重に、且つ大胆に。
無意味に緊張するわ!

佐賀城周辺での駐車場は、県立博物館前にあるんですが、前に来た時も恐らくここに止めたはずです。
なんか思い出の中の駐車場の景色と現在の駐車場の景色があまり一致しませんが、博物館は記憶のまま。
懐かしいです(^^)
時間を見ると、まだ9時過ぎ。
ほんまなら蓮池城も見終わってたはずやのになぁなんて考えつつ、開館時間まで佐賀城を散策。
まずは三ノ丸側から本丸。

 
道の両サイドが少し窪んでいますが、これは本丸と二ノ丸の間にあった堀の跡。
今は綺麗に芝生が敷かれています。
ちなみに、往時にこの通路はありませんでした。
奥に見える屋根が御殿の屋根。
木の裏側が天守台です。
石垣を南へ歩いていけば、現存する堀があります。

 
この幅広の堀が佐賀城らしさですかね。
いかにもクリーク地帯の中にある城という感じで、水面が近く、そして広い。
雄大です。
芝生の気持ち良さを踏みしめつつ、今度は北へ戻って天守台へ。
この天守台、ちょいと変わっていて、本丸からは入れず、本丸北側の石塁沿いを通って入るようになっています。
下は天守への桝形。

 
天守台の石垣は、中ほどの打込矧と隅部のきっちりとした算木積という江戸時代前半の特徴をよく残しています。
正確には井楼積というのかな?

 
ちなみに、佐賀城の石垣は何度か補修されており、表面が滑らかな切込矧の石垣もあって、その時代時代によって城内でも各所で石垣の積み方や印象が異なります。
天守台の上はこんな感じで何も無し。

 
前回来た時にあった天守台の上の建物は、本丸歴史館の開館の際に解体されたようですね。
協和館という名前の建物でしたが、明治時代の建築物ということもあって、割に違和感無く天守台に建っていた記憶があります。
この天守台から見た本丸は、当時は発掘調査でブルーシートが所々掛けられたりしていて風情もへったくれも無かったんですが、今は立派な木造御殿が復元され、一面芝生が敷かれた雰囲気のある城となっていました。
本丸と反対側の二ノ丸側の景色はこんな感じ。

 
往時は、この眼下に本丸と二ノ丸を囲う堀があり、三ノ丸や北側の重臣屋敷と区画されていました。
今は残念ながら面影が無いですね。
天守台を下りて本丸へ向かうと、その正門として鯱の門があります。

 
この門は、主要な城郭建造物としては唯一現存する建物で、他の建物の大半が焼失した佐賀の乱の際の弾痕が残っています。
面構えとしてもかなり重厚で、大藩の城門として存在感が抜群。
この鯱の門の先に、佐賀旅行の本丸たる佐賀城本丸歴史館があります。

 
到着した時は、まだ開館時間になっていなかったんですが、周辺に結構大勢いたのが外国人観光客の人でした。
恐らく中国の人か台湾の人なんですが、ここはツアーにも組み込まれているんですね。
こういう地方の博物館の類はツアーに入っていないイメージがあるんですが、そうでもないのかな?
それとも、復元とは言え、二条城のような御殿需要なのか。
なんか不思議な光景でした。

この本丸歴史館は、木造で復元された幕末の本丸御殿で、内部は資料館となっています。
その展示内容は、当然ながら幕末に関する事が主なのですが、ビジュアル的に見やすく工夫されており、解り易かったですね。
幕末から維新に掛けての技術的な解説もあって、理系の人間としては面白かったです。
これも日本随一の西洋工業技術を持っていた佐賀藩に関する展示だからでしょうか。

一通り見て外に出てくると、この日はイベントとして寸劇があるらしく、門の前では簡易劇場的な場所を作って芝居をやっていました。
こういうイベントなんかも積極的にやっているようで、なかなか熱心ですな。
何より感心したのは、県立博物館や美術館でもそうでしたが、入館料が無料なこと。
自分みたいな観光客は、遠くから来てるので興味があったら金額も気にせずに入るし、どっちでもいいんですが、無料なら地元の人や子供達に手軽に興味を持ってもらえていいなと思うんです。
大英博物館も入場無料ですが、文化財と親しむ土壌を育てるという観点では、無料が大正義ですね。
何も無いなんて歌われていた佐賀ですが、ここはかなり誇っていいと思います。
なのでちょっと奮発して寄付してきました(笑)
是非、この無料政策は維持してほしいですね。
 
つづく
 
参考:
佐賀城
佐賀城本丸歴史館

地図付きはこちら
 

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