前回のあらすじ
僅かな平地に拓けた町。
神岡は山間の雰囲気があって良いですな。
神岡城を出て、そのまま東方向へ向かうと、国道471号線へと出ます。
次の目的地は江馬氏下館ですが、その前にちょっとお土産を、というわけで、道の駅宙ドーム神岡へ。
駐車場に入ってみると、やたらとバイクが多い。
そんなに471ってメジャーな道なんか?400番台やのに?と思いつつよくよく見てみると、止めるバイク止めるバイク、みんな楕円形のステッカーを貼ってました。
そうか、SSTR!
今日はSSTRの日だったのか。
秋から5月に変わったというのはうろ覚えで知っていましたが、まさか今日とはね。
ほうほうそうだったのかと思いながら道の駅に入って行き、土産物を見てみると、今度はやたらと「君の名は」という文字が目に入りました。
なんでかな?とスマホで調べてみると、三葉の生活していた町が飛騨古川をモデルとしていたみたいですね。
もう今朝寄ってきてもたがな。
知ってたら駅ぐらいには寄ってたのに。
いや、見たいと思いながらまだ見てないから、結局は寄らんかったかな?
ま、それは置くとして、土産も買えたし、カミオカンデの展示も見れたし、満足ですわ。
次に向かう江馬氏下館跡の史跡公園は、宙ドームからわずか200mほどのところにあります。
バイクを止め、眩しい陽光の中、芝生が敷かれて綺麗に整備されている公園内を散策すると、とても清々しかったですね。
下は全体図。
観光客は自分ひとりでしたが・・・
眺めが良くて、当時の殿様気分が味わえます。
居館も一部が復元されていました。
この居館の前には堀跡が。
往時はもっと深くて壮観だったんでしょうね。
復元居館の塀の内側に入ると、復元されていない建物の部分も大きさが明示されていました。
渡り廊下を持ち、4棟の建物があったようです。
高原郷を見る限りでは、平地は少なく、農産物の穫れ高は期待できません。
飛騨全体ですら、慶長検知で3万8千石です。
その北側の1/4程度、平地だけで言えばそれよりもっと少ないかもしれませんが、それでこの規模の居館ですからね。
どれだけ米以外の収入、山の資源から恩恵を受けていたのかが解ります。
復元居館の方へ行くと、ちょうど大阪からの観光客の方も来られて、人恋しそうな係の人に案内して頂きました。
建物自体は、当地の技術も取り入れられており、往時よりも立派になっているようです。
建物からは、当時の庭園が見えました。
この復元居館で一番の見所かもしれませんね。
この館跡が発掘される前、農地にこの庭園の岩の頭だけが露出していたようです。
地元の伝承で、殿様の庭園の石として伝わっていました。
その後、神岡鉱山の排水を原因とするイタイイタイ病の公害が発生し、農地がカドミウムに汚染された為、土壌入れ替えの必要が生じたんですが、その際に発掘されて、伝承の正しさが証明されたわけですね。
単純に発掘されたわけではないのが複雑ですが、高原郷の良くも悪くも色んな歴史が籠められている場所かもしれません。
江馬氏下館の次は、同じく江馬氏の詰城である高原諏訪城へ向かいます。
人恋し気な係員の方に場所と行き方を聞き、バイクを走らせるとすぐに到着しました。
ただ、ダムへと向かう道の為か、坑口に通じてる道の為か、大型ダンプが頻繁に通るので、そこは注意が必要ですね。
その道脇にバイクを止め、山へと入って行きます。
道から少し入ると、そこはもう段郭でした。
しめて3段ほどあります。
その2段目と1段目の切岸。
こういう形って、いかにも城という感じで好ましいですね。
段郭を越えると、土塁付きの武者走りのような地形が続きます。
土塁は北東方向にあるんですが、どういった用途なんでしょうかね。
往時は今のダムへと向かう川筋から山之村や和佐府へ抜ける街道があったと思われるので、その街道筋に対する防御用、目隠し用の土塁かもしれません。
ここを抜けると、主郭部の下に出ます。
そこには堀切もありました。
ちょっと判りにくいかな?
少し進むと、竪堀らしきえぐれた地形が出てきました。
ここを過ぎると、主郭部から北東に続く段郭に入って行きます。
こちらの段郭はざっと見た感じ4段。
登山道が段郭の途中に出るので、ちゃんと散策すればもうちょっとあるかもしれません。
その段郭を過ぎるといよいよ主郭部。
二ノ丸と言うべき次段は、帯郭のような細さでした。
二ノ丸南側。
そして、東側。
どちらも見事に同じような感じですね。
帯郭や段郭を多用するのも飛騨の城の特徴ですが、この城は楕円の主郭部の同心円状に帯郭のような次段を置くという、ちょっと変わった構造です。
そういえば、木曽の妻籠城がこんな構造でしたね。
北アルプス繋がりで何かあるんでしょうか。
そして、最高部の本丸。
城址碑が小さい・・・
江馬氏が地味だからかなぁ
最後に、本丸から神岡町市街の眺め。
下館もはっきり見えますね。
うん。
飛騨もついに廻り切ったな。
満足じゃ!
つづく。
参考: