2013年11月18日月曜日

バブル後の対応

近頃、また株価がやや乱高下の気配を見せていますな。
為替、株、共に少し動きが荒い。
金融危機の出口理論とリンクして、思惑が交錯しているようで。

バブルとバブルの崩壊というのは、グリーンスパン元FRB議長も書いてましたが、それ自体は避けるのが非常に難しく、大事なのは事後処理といわれています。
日本では90年代のバブルの崩壊が象徴ですが、直近ではアメリカのサブプライム問題もバブル崩壊ですね。
2006年頃から、すでに崩壊は近いんじゃないかとネットではちらほら言われていました。
このサブプライム問題でFRBの舵を取ったのがバーナンキ議長で、この人はヘリコプターベンという異名を持っています。
なぜそんな異名なのか?

バーナンキ元議長の師匠はフリードマンという学者で、バーナンキもフリードマンも世界恐慌の研究者です。
で、その論はというと、おおまかには、世界恐慌の時にはもっとお札を刷って供給すべきだった、という理論。
この理論に基づき、バーナンキはある席で、恐慌になりそうだったらヘリコプターからお札をばら撒けばいいと言ったとされています。
ここから、ヘリコプターという冠を名前に付けられることに(笑)
実際、サブプライム問題以降のアメリカの金融政策は、QEという量的緩和を推し進めており、その政策はFRB議長だったバーナンキ元議長が主導しました。

日本はバブル崩壊時にどういう対策を行ったかと言うと、簡略的に言えば、財政政策が主ですね。
ハコモノ行政だのなんだのと言われて評判の悪い公共事業です。
ただ、投資としては乗数効果、つまり投資した何倍の国民所得が得られるかという数字が高く、悪い選択ではありません。
日本人の国民性からして、直接給付金としてばら撒いたのに貯め込まれるよりは遥かにマシです。
ただ、それに頼りすぎたきらいはあります。
また、色々批判されたのは、政治的な絡みも多かったようにも思います。

財政と金融。
経済学の素人である自分には、なかなか理解するのも難しいですが、バブルで上がりすぎた不動産や株に対し、アメリカはサブプライム問題でお札の価値を減らして物価などを上げるという金融中心の政策を採り、日本は実体経済を底上げしようと財政中心の政策を採った、というところでしょうか。
上がりすぎた値は、適正価格まで崩れるのが摂理。
崩れれば、その差額が不良債権となります。
逆資産効果という言葉もありますが、売却損や含み損は個人消費などを冷え込ませてしまいます。
その適正価格を、貨幣の希薄化でバブルの基準近くまで上げようとしたアメリカ、実体経済の底上げで値を支えようとした日本。
端的に言えば、こんな感じですかね。
バブルの頃に株に投資していた日本人はそう多くは無く、アメリカでは一般の人々が単純な投資以外でも個人年金などで突っ込んでるという場合も多い、という違いもあります。

財政と金融のバランスというのは難しいはずなんですけど、アメリカがこの年月で回復の道筋が見えるところまで漕ぎつけていることを考えると、それなりに最善に近い政策を打って来れたのではないかと感じます。
ただ、時間は不可逆で、違う方法を試すことは不可能であり、最善だったかどうかは不明です。
未だに金融危機を先延ばしして揉めている欧州なんかを見ると、震源地のくせにさすがだなと思わずにはおれません。
日本は前例が少ないというハンデがあったにせよ、バブルの後処理に関しては、金融の経験も知識も豊富だったアメリカが日本や欧州よりも優秀ですな。

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