2025年7月27日日曜日

日米関税交渉合意

日米関税交渉が合意しました。
これは、かなりサプライズでしたね。
交渉があまり進んでないと思っていましたが、これは素直に評価したいですね。
ただし、中身があまりはっきりとしていない。
その事を批判する向きもありますが、ホワイトハウスからファクトシートが公開されているので、その内容はホワイトハウスとして担保しているという事でしょう。
かなり大まかな内容となっていますが。
 
さて、関税交渉は一段落つきましたが、石破総裁退陣論は吹き荒れるばかり。
続投デモや一部野党から支援の声が出るなど、かなり特殊な状況ですが、やがて退陣は避けられないものと思われます。
そこで、次期総裁が少数与党ながら次期首相になるとして、総裁の人選で政策協力をどうするか。
右派の高市さんであれば、参政党、日本保守党はかなり協力できるでしょう。
プラスで、政策によって国民民主と維新でしょうか。
小泉さんであれば、菅ルートが使えますので、小さな政府かつ新自由主義の維新が近しく、ちょっと主張は違うものの、国民民主あたりも政策によっては協力できるでしょう。
林官房長官であれば、岸田さんと同じく宏池会の系統ですから、リベラル色が強く、立憲民主が協力相手になるでしょうか。
とは言っても、衆議院の選挙区調整が難しいので、いわゆる大連立は無さそう。
なので、部分部分で協力ということになりそうです。
ここで、今回の比例票を確認すると、

自民党 12,670,709票 18,256,582票 -5,585,873票 -30.6%
国民民主党 7,553,194票 2,671,793票 +4,881,401票 +182.7%
参政党 7,353,825票 1,771,722票 +5,582,103票 +315.0%
立憲民主党 7,336,563票 6,774,365票 +562,198票 +8.3%
公明党 5,151,587票 6,181,431票 -1,029,844票 -16.7%
日本維新の会 4,323,908票 7,208,672票 -2,884,764票 -40.0%
れいわ新選組 3,845,037票 2,214,387票 +1,630,650票 +73.7%
共産党 2,838,792票 4,384,943票 -1,546,151票 -35.3%
日本保守党 2,952,808票 新規参入 +2,952,808票 新規獲得
チームみらい 1,503,918票 新規参入 +1,503,918票 新規獲得
社民党 1,202,091票 1,314,438票 -112,347票 -8.5%

となります。
これを各総裁候補ごとに協力できそうな党と票数を当てはめると、

高市さん 自民・公明・参政・日本保守で28,128,929票 + 国民民主・維新
小泉さん 自民・公明・維新で22,146,204票 + 国民民主
林さん  自民・公明で17,822,296票 + 立憲民主

こうなります。
これを見ると、高市さんが最大公約数として最も支持されそうですね。
しかし、自民から保守系の有権者が離れたと言われていますが、それ以上に保守政党を支持する人は増えていることが見えます。
これは世界的な流れですね。
 

2025年7月22日火曜日

惨敗からの続投

参議院選挙当日は、もっと自民党の議席数はもっと少ない予想でしたが、意外と最後は粘りましたね。
それでも、惨敗には違いなく、自公で過半数という甘めの「必達目標」すら達成できませんでした。
このまま責任を取って辞任・・・というのが自然な流れのように思いましたが、どうしてどうして、答弁と同じく粘りますね。
まさか石破首相が続投宣言するとは。
かなりびっくりしました。
政治空白を作らないというのは解りますが、まだ起こってもいない天災を理由に持ってくるなど、さすがに見苦しいですね。
そもそも、政治空白を作らないというのも、実質的にはもう政治空白と言えるでしょう。
これだけ不人気で先の不透明な政権に協力しようなんて野党は無いでしょうし、下手をすれば、協力した野党が批判の流れ弾を喰らいかねない状況。
関税交渉も、先日のベッセント財務長官が来日した時でさえ、まともなコメントが出てきていませんから、交渉は滞っていると見て間違いないでしょう。
そして、今さらレームダック化した政権と話を進めるとは思えません。
つまり、何も進められない状況なんですよね。
潔く辞めた方が、まだしも名を落とさずに済むと思うんですが。
党内野党だった頃は、あれだけ歯切れよく時の総裁に辞任要求してたのに・・・
よく言われるように、本当に総理になってみたかっただけの人だったんでしょうか。
そこまでは流石に思っていませんでしたが・・・
 
何度か書いている話ですが、何かをやろうとプロジェクトを起こした時に、評論家然として批判しかしない人がしばしばいると思います。
実際にそのような人に取りまとめなどを頼むと、あまりまとまりません。
そういう評論家活動をずっとやってると、助けてくれる人がいなくなるんですよね。
石破さんは、よく後ろから撃つと言われていましたが、党内でそういう評論家ポジションでした。
だからこそ党外から過分な人気があったんですが、それを真に受けた岸田-菅ラインが、自分たちの影響力を残す目的もあって総裁に据えてしまったんですよね。
石破さん自身がやりたかった政策はあったでしょうが、仲間も少ない、コネクションも少ないという状態で、これまで総裁選には出続けていたものの、自分のやりたいことに人を巻き込むという準備をしてこなかったわけで、何も決められない状態になったのは、総裁就任前の準備不足のひと言に尽きます。
さらに、主に補佐する予定であった3つのグループは、菅グループが衆議院選の敗北で弱体化し、幹事長の森山さんも10人に満たないグループで、岸田さんに近しい人たちも政策実務に強い人が少ない。
状況的に、今の窮状は、なるべくしてなったという気がしています。
 
さて、続投表明はしたものの、党内の理解は得られていない状況で、今後はどうなるんでしょうか。
党則によるリコールが取り沙汰されていますが、国会議員の過半数と都道府県連の過半数でリコールが成立するとのこと。
すでに月曜の段階で、公式か非公式かは別として、高知と山口県連幹事長が退陣要請を出しました。
今日、メディアに報じられたのが、茨城、栃木、愛媛県連の幹事長、山梨の青年局、青森の県連会長などなど。
これもどんどん増えそうで、リコールが成立するかもしれませんね。
石破首相がどんな決断を下すのか、注視したいです。
 

2025年7月20日日曜日

与党大惨敗

2025年の参議院選挙の開票が始まりましたが、早々に与党の大惨敗がはっきりしてきました。
ある程度予想されていたとは言え、その負け具合がかなり激しそうですね。
公明党は、負けは負けでも、惨敗というほどではなさそうですが、創価学会の組織票が高齢化で弱ってきており、その影響が一番大きそう。
一方の自民党は、史上最低の獲得議席となりそうです。
ただ、自民党に関しては、自業自得的な面が強いと思いますね。
岸田前首相の政権運営が感度不足で不味かった上、自民党の総裁選では、最初の投票で高市さんがトップだったにもかかわらず、岸田-菅ラインがひっくり返して石破さんに決まった経緯があります。
とは言え、長期政権を築いた安倍さんも、総裁への再就任は決選投票での逆転でしたから、それが決して悪いことだとは思いませんが、就任後も党内基盤の弱さがあって方針が定まらず、外相や幹事長などの親中的な陣容も支持されませんでしたね。
党内野党として批判するには好き勝手言えますが、実際に政策を決めるとなると、色々と調整が要る。
そういう時に、かつての発言を苦々しく思っていた人は、協力を控えてしまうでしょう。
閣僚の陣容や、対米交渉担当として赤沢大臣を起用したことを見ても、人材不足感は拭えませんでした。
長期間無所属だった石破さんと10人弱の森山派の森山さんですから、他のグループと協力せず、この陣容で運営して行こうというのは、少し無理がありましたね。
あとは、自民党支持層にとっては、リベラルに近い立ち位置が嫌われたというのもあるんでしょう。
先の都議選では、自民党支持層でさえ自民党に投票しなかった層が多かったのも、そういう経緯が影響したんではないでしょうか。
また、俯瞰して見れば、参政党の台頭も、岩盤支持層と言われていた保守層が、自民党から参政党に鞍替えしたとも言えそうですね。
日本では、自民党は保守政党として認識されていますが、世界的に見れば穏健左派の政党です。
自民党より右側が存在しなかったから自民党に投票していたが、リベラル化した自民党より右側の政党ができたらそちらに投票する、という人は多いように思いますね。
 
さて、歴史的大敗の可能性が高くなりましたから、石破首相の退陣は避けられないでしょう。
で、次は誰か?
自民党より保守寄りの党が台頭しましたから、過半数割れとはいえ、思想が違い過ぎて、全野党が協力して政権を奪うということは考えにくい。
自民党では、順調に行けば総裁選の1回目の選挙で党民票も議員票もトップだった高市さんでしょうが、火中の栗でもあります。
どうなるか、興味深いですね。
また、減税が選挙の中心議題として挙がってきてましたが、財源が無い以上、突き詰めれば、今までの社会保障体制から小さな政府の方向へ向かうということです。
これについて、野党がどこまで語れるのか、そこも注視したいですね。
 

2025年7月13日日曜日

あと1週間

3年に1度の参議院議員選挙まで、あと1週間となりました。
石破政権の支持率が低迷する中、国民民主党や参政党などの台頭があり、自公の与党で過半数を維持できるかが焦点となっていますね。
一番の争点となっているのは、物価高対策。
その対策として挙げられているのは、消費税減税か給付金か、というところでしょうか。
 
物価高の対策としては、色々な方法が考えられるとは思いますが、輸入原材料費などの輸入物価対策として円高誘導というものがあり、一部ネットでは円安是正の論もありますね。
ただ、為替というのは、相手方との相対的なものですから、色んな方法があるわけではなく、伝統的な手法が中心です。
つまりは、基準金利を上げるか、市中に供給しているお金を減らしてモノに対するお金の価値、つまり円の価値を上げるか、という2つ。
基準金利を上げると、他通貨との金利差が縮小しますから通貨高方向に圧力が掛かりますが、新たな資金調達の利子が膨らんでしまうので借りにくくなり、景気悪化の方向へ圧力が掛かります。
もうひとつのお金の価値を上げるという方法は、同じ価値のモノが少ない円で買えるということで、デフレ圧力が強まることになるんですね。
30年間の停滞なんてことも言われますが、突き詰めれば、その多くはデフレに由来します。
単純化すると、物価が上がらないんだから売り上げも増えず、社員の給料も増やせないというスパイラルが働いていました。
このデフレの世界から、やっとの思いで抜け出したのに、再びデフレ政策を採るのか、というジレンマがありますね。
現在は、一時期の大規模金融緩和から恐る恐る元に戻している最中ですので、ここでの大胆な政策変更は非常に危険な気がします。
円安是正を言う人は、この辺りの事情も説明しておかないといけないと思うんですがね。
そこをバシっと言ってる人は見当たりません。
 
となると、物価高対策としては、選挙前のバラマキの色が濃いものの、減税か給付金かという選択が現実的でしょうか。
ただ、色々な案が出ていますが、その中では、期間限定の減税というのが一番愚策のように思います。
庶民は一息つける、というのはありますが、そのための事務作業費などの社会負担が大きすぎる上、すぐ戻すので、また苦しい状態に戻るのが見えてるわけですしね。
本当の意味での一時的な対処療法にしかならない。
やるなら、恒久的な消費税減税にして、その財源も何をカットするか議論してから導入して欲しいものです。
現役世代からすると、減税されたはいいけどすぐに社会保険料を上げられて、手取りが変わらないってなりそうなんですよね。
そうなると、いつものように老年世帯だけが恩恵を被ることになるので、それなら減税しない方がマシです。
社会保障費が自然増となっている中、みんなで負担する消費税の方が、まだ現役世代にとっては優しいまでありますから。
 
思う事をつらつらと散文的に書きましたが、1週間後には優劣が決まります。
給付や減税など、飴がぶら下げられていますが、各政党には、その原資である財源の議論を徹底的に行って欲しいと思いますね。
とは言っても、国債を無限発行できるみたいな主張は論外ですが。
すでに超長期国債の発行額は、金融機関の要望で減額されており、需要が弱くなっていることは自明で、そこは無視できません。
魔法の杖は無いんです。
財源については、高額療養費制度を変えようという話がすぐ潰されたように、給付や保障をカットする議論は茨の道ですが、各党には、そこは勇気を持って語って欲しいと思いますね。
 

2025年7月7日月曜日

令和7年7月7日

気付けば・・・7/6になっていました。
うむ・・・なんとか生き永らえたようだな・・・
しかし、この7/5の大災害の騒動は何だったのか。
世紀末という言葉がよく言われていた1999年のノストラダムスの大予言を経験した世代としては、あ~またか的に冷ややかに見てたわけですが、人間って、予言みたいなオカルトに魅せられる脳の構造があるんでしょうね。
人類の脳が高機能化して想像力という能力を獲得した時、新たな道具の創出や開発という、文明化へのパスを得たのと同時に、オカルト的なものや、霊感的なものや、呪術的なものなど、そういう目に見えないものを準リアルとして肯定してしまう能力も身につけてしまったと思います。
大半の動物は、もっとリアリズムで即物的ですからね。
目に見えないものは、考慮の範疇に無い。
いたってシンプル。
万物の霊長なんて言葉がありますが、大半の動物とは違う能力を得た人類が人類である以上、オカルト的、霊感的、呪術的なものも、切り離せない人間の一部なんでしょう。
そんな事を思った夏でした。
まぁこれらは、現代の科学で証明できないってだけかもしれませんがね笑
辛うじて生き残ったのが判った日から、さらに明けて7/7。
7年7月7日のスリーセブンは、平成7年以来30年振りの、なんだかおめでたい日となりました。
今年は、というか今年も、長く暑い夏になりそうですが、めでたい日をテコに気分を上げて、年々暑さに弱くなる体に鞭打ちつつ、乗り越えて行きましょうか。
 

2025年7月3日木曜日

対日関税の行方

7/9にアメリカとの関税交渉期限終了を迎えますが、それを前にトランプ大統領の日本批判の回数が、ここ数日でぐっと増えてきていますね。
下のブルームバーグの記事を始めとして、各メディアでその内容が報じられています。
 
 
記事によると、関税は最大35%、もしくはそれ以上も考えられるとトランプ大統領はコメントしていますね。
これが、ディール大好きトランプ大統領の駆け引きなのか、単純に交渉が進んでいないことへの苛立ちなのか、読めません。
この辺りは、本当かどうか腹の底を窺わせない、かつ過激なことを本当にやりかねないという懸念を抱かせるという、トランプ流交渉術なんでしょう。
しかし、7回も渡米している赤沢大臣は、ちゃんと交渉できているのでしょうか。
今回は、関税政策を任されているベッセント財務長官と会談すらできなかったようなので、交渉は進んでいないと見るのが妥当そうです。
そもそも、アポイント無しで訪米することが多いようなので、相手にされていない感すらありますね。
訪米の回数の割に、どの分野で妥協するなどの取引内容がほとんど漏れ伝わっていないですし、真摯に交渉して理解を求めろという命令だけで、取引できるカードを持たされていない可能性も。
もしそうなら、ディール大好きで結果を早く求めたがるトランプ大統領に対しては、苛立たせるだけで悪手のような気がしますね。
近付いている交渉期限を考えると、個人的なパイプを持っている安倍昭恵さんや、麻生派のパイプも活用すべきとは思いますが、石破首相には、時には政敵すら使うというリアリスト的側面や、清濁併せ持つといった政治家特有の感じは、言動からもあまり感じられませんから、このまま時間切れになるかもしれません。
期限まで残り1週間ですが、なかなか厳しそうです。