2023年12月19日火曜日

どうする家康

大河ドラマの「どうする家康」が終了しました。
ドラマですから、賛否両論あるとは思いますが、残念ながら自分はあまり刺さりませんでしたね。
なんだかんだ最後までは見ましたが。
 
1話目で春日局が嘘八百のナレーションをしていたので、神君神話のアンチテーゼ的な、人間味のある家康像が描かれるのかなと、先を楽しみにしていたんですが、途中から話があらぬ方向へ。
家康にとって信長の存在感が大きすぎ、要所要所でお市との絡みも多すぎた上、ちょっと時代背景的にあり得ない描写も多かったですね。
戦国時代を生き抜いた政治家兼軍人である家康ながら、なんか個人的な問題が続くような描かれ方でした。
家康だって人間なので、当然ながら悩みも苦悩もしたでしょうが、その苦悩がドラマの家康では小さいんですよね。
言い換えれば、個人が確立している現代人的な悩みという感じ。
リアリストたる戦国武将なのに、善人過ぎるというか、悲劇のヒーロー的というか。
当時の豪族というのは、社長や役員が世襲される株式会社みたいなもので、利益共同体なんですよね。
当然、当主の意向だけでは物事は動かず、重臣などの意向や利益なんかも大事で、しがらみだらけですし、清濁も併せる必要があるんですが、そこはあまり描かれないまま。
また、築山殿と信康に関しては、今の通説ではなく昔の通説が採用され、信長という巨人の圧力に苦悩する家康という従来像に近く、ちょっと食傷感がありました。
さらに、築山殿の経済圏の確立で平和を実現するという案。
それを進めるとしても、信長とどうしてもぶつかるので結局は戦が避けられず、むしろ楽市楽座を進めていた織田経済圏の確立に加担した方が平和が早く訪れるんちゃうの?というツッコミをしてしまうんですよね。
どうもこの古い通説やストーリーにツッコミつつ見てしまうのが、没入できない要因だったのかもしれません。
この辺りは、大河ドラマの難しさでしょうか。
普通のドラマなら、シナリオが分からないので新鮮に受け止められますが、大河ドラマの多くの視聴者は、大まかなストーリーを知っている状態。
さらに、今年は家康という、史料が多く残っている武将ですから、フリーハンドで描ける部分が少ないというのもありましたね。
 
トータルの評価の印象としては、歴史にそれほど詳しくなく、現代的なドラマを期待する層にはちょうど良い感じで、歴史をある程度知っている層で、ついついツッコんでしまう層には不評だったという感じでしょうか。
で、大河ドラマを見ようとする層は、自分も含め後者が多いので、それが難しさに繋がったような気がします。
さて、来年は紫式部ですね。
平安時代は、自分もそれほど詳しくないので、楽しく見ることができるような気もします。
ただ、興味が持つかどうかが心配ですが笑
 

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