2019年8月24日土曜日

GSOMIA破棄

GSOMIA、いかめしい日本語にすると、軍事情報包括保護協定というやつですが、日韓の間のGSOMIAの破棄が22日に決定され、韓国から日本に通告されました。
これにより、この協定は3ヶ月後に切れることとなります。
これにはちょっと驚きましたね。
相互的な情報協定ですが、偵察衛星を持たない韓国の方が、得るものが多いからです。
この日韓のGSOMIAは、民主党のオバマ政権時代に米軍が特に望んだものですから、トランプ大統領が構想しているとも言われる在韓米軍撤退の可能性も、少しだけですが現実味を帯びてきた感がありますな。

今、2020年の予算がアメリカで審議されていますから、議会多数派となっている民主党がこれを受けて、今までの方針から転換するのかどうか、気になる所です。
兎にも角にも、このGSOMIA破棄に関してはニュースがいっぱい出てるので、分析には困らないわけですが、穿った見方としては、文政権の民情秘書室長で次期法務部長官に内定しているチョ氏に不正疑惑が噴出しており、保守派による反文政権デモが警察発表で4万人にも上っていることから、この批判を逸らす為というものまでありました。
ただ、過去の政権を見ても、そういう近視眼的な政策は度々ありましたから、安直に否定もできないところですな。
また、表に出てきた公的な発表を追うと、韓国側によって最初に、「米国は理解している」との発表があった後、米国から「一度も私たちの理解を得た事が無い」と直接的に否定され、翌日に韓国側はコメントを後退させました。
このバタバタを考えると、事前の根回しは全く無かったと想像できます。
まるで思い付きで決めてしまったような、そんな印象さえ受けてしまいますね。
実際、この破棄に関して、アメリカ政府の公式な発言では、「強い失望と懸念を表する」とありますが、政府関係者からは、「壊滅的なほど愚かな決定」と言った言葉や、アメリカは理解しているという事に対しては「嘘」という、ちょっと外交関係では見られない言葉が並びました。
普通は、行き違いがあるとか、コンセンサスが取れていないとか、もうちょっとオブラートに包んだ表現をするんですがね。
アメリカのみならず、韓国や日本でも、延長するというのが大方の見方でしたから、この決定に対する驚きと失望の度合いが表現にモロに出ていますな。
 
しかし、世界を見ると、この日韓も話題豊富ですが、米中は米中で再び貿易に関する軋轢が増し、トランプ大統領は「米国企業は中国から撤退しろ」なんて言葉も飛び出しています。

アメリカのダウ工業株も大きな下落となりましたし、FOMCでの利下げ観測もあって、市場はまたしばらくの間、乱高下するかもしれません。
夏休み最後の週、韓国のホワイト国外しの実施も控え、宿題と同じように切羽詰まった状況になるのか、今後が気になりますな。
 

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