2018年6月14日木曜日

米朝首脳会議

6/12に、やるだのやらないだので紆余曲折していた米朝首脳会談が、開かれました。
まずは非核化の第一歩という所ですが、細かい所の評価はこれからでしょう。
北朝鮮は、アメリカとの交渉の舞台に立ち、今後の具体的なプラン無しに米韓軍事演習の中止を引き出したりと、北朝鮮の優位が伝えられています。
ただ、体制保証に関しては、当たり前ですが非核化無しには約束されておらず、そもそも北朝鮮という国の枠組みの話でしかありません。
つまり、今後、北朝鮮という枠はあっても金体制が倒れる可能性はあるというところですね。
この辺り、政権が倒れてしまえばリビアのカダフィ大佐と同じになってしまうだけに、北朝鮮、いや、金正恩は、経済制裁をなんとしても解きたいところでしょう。
瀬取りで密輸してくれそうな中国は、今はアメリカと貿易で対立していますし、イラン絡みで制裁を受けて破綻しかけたZTEの前例もあるので動き辛いですしね。
金正恩委員長は、経済制裁に対抗する為に取り得ることのできる選択肢がかなり少なくなっていると思われます。
かつての非核化交渉では、のらりくらりと躱し続けましたが、今回は厳しそうで、単純に、アメリカの合意に乗ってしまった方が得な状況なわけですな。
また、トランプ大統領は非核化の言質を取ったことになりますから、非核化が進展しなかった場合、軍事オプションの大義名分が立ちます。
実際に軍事オプションを選択するには非常に高いハードルがあるとは思いますが、金正恩委員長に軍事オプションを取り得る可能性があると意識させればいいわけで、その意味では重要な合意になります。
やりかねない、というのはトランプ大統領にとって強みですな。
今までは北朝鮮が強みとして使っていた要素ですがね。
ただ、気を付けたいのは、北朝鮮の意図する朝鮮半島の非核化とは、韓国がアメリカの核の傘から外れる事を意味している可能性があります。
トランプ大統領は、在韓米軍の撤退を飴として用意した可能性も考えられますな。
朝鮮半島から手を引きたいという意味の発言は、今まで何度かありましたしね。
 
トップ2人の階段で総括的な合意ができたとは言え、詳細は何も決まっておらず、非核化の進展は今後の実務レベルでの交渉に移ります。
この実務交渉を担当するのは、ボルトン大統領補佐官やポンペオ国務長官ですが、トランプ大統領はこの日を見越してか、ズラリと強硬派を揃えました。
トランプ大統領就任以降、大統領に仕える要人が多く辞任していますが、見方を変えれば、前オバマ政権時代からの人物や共和党の主流派から押し込まれた人物の多くを排したとも言えるわけで、トランプ大統領の意思を体現できる体制にようやくなってきたと言えるのかもしれません。
両国でどのような交渉が展開されるのか、目が離せませんな。
 

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