2017年5月17日水曜日

2017韓国大統領選

ちょっと遅い話題ですが、朴槿恵大統領の解任により、韓国で大統領選挙がありました。
勝ったのは、かなり前から有利に戦いを進めていた文在寅氏。
リベラルで親北朝鮮の人物です。
系統としては、李明博、朴槿恵と続いた保守系統から、それ以前の金大中、廬武鉉路線への転換で、実際、文氏は廬武鉉陣営の中で活動していましたから、リベラルの本流と言えるでしょう。
保守系だった朴政権からの揺り戻しですかね。
ただ、問題なのは、トランプ大統領就任以降のアメリカは、北朝鮮への圧力を強めており、中国とも何らかの合意があったようで、中国から北朝鮮への経済制裁も強まっています。
これに対し、文氏の公約には、開城工業団地の再開や観光事業の復活など、北朝鮮に外貨を獲得させる政策が含まれており、アメリカの政策と相容れません。
更には、アメリカによる先制攻撃がはっきりした場合、北朝鮮に対話を促す、という公約さえあります。
これは、先制攻撃は機密情報ですから、機密情報の北朝鮮への暴露ということになり、とてもトランプ政権に受け入れられるものではないでしょう。
漏らされるのであればと、外交軍事的に蚊帳の外に置かれる可能性すらあります。
この辺り、外交分野では政治センスが無いように思われますが、今後、現実路線に修正するのか、気になる所です。
 
経済制裁については、ひと月ほど前にトランプ政権が、北朝鮮と取引のある企業について、資産凍結などの処置に出る可能性について新たに言及しました。
これは、主に中国企業が当てはまるわけなんですが、開城工業団地など経済支援活動が再開された場合、関わった韓国の企業はアメリカで商売ができなくなってしまいます。
最悪、ドル決済が行えなくなるかもしれません。
政策に実現性があるのか、それとも違う方法で公約を回避するのか。
新大統領の腕の見せ所ですね。
これに関しては、国内でも全銀協の会長や経団連が、以前にテロ資金規制法の遅れに懸念を表明したりと、一見畑違いの経済方面から声が上がったりしてたわけですが、最終的にはアメリカ国内やドルで商売できないという切実な理由があるからなんですね。
商売の根幹にかかわる部分。
そりゃ懸念も表明しますわ。
テロ三法が成立し、次段階としてテロ防止法があるわけですが、野党は今も共謀罪を声高に叫んでいます。
しかし、FATFという国際的な金融の作業部会の決まりがあり、そこから日本は法整備が遅れていると指摘され、危うくグレーリスト入りしそうだったことを考えると、ダラダラ審議している場合じゃないと思うんですがね。
国際組織犯罪防止条約や、それを踏み台とするFATFでは、準備段階での処罰が義務とされています。
アメリカの法制度次第ですが、FATFからハイリスク国の指定をされれば、連動して自動的に経済活動が制限されかねません。
現実にはそうならないと思いますが、わざわざリスクを取る必要もないですからね。
北朝鮮でさえ批准している条約の整備ができないなんて、野党はもっと大きな目で物事を見てほしいですな。
 

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