2015年2月10日火曜日

自己責任と役割

最近、ISILによって日本人が殺害されるという事件がありましたが、必ず出てくるのが自己責任論。
自分は、危険地帯に立ち入るのは自己責任だと思う方ですが、各メディアやネットを見ると、なんか色々一緒くたになってる気がします。

まず、整理すると、外国の情報というのは、一般人では個人ベースで得られる情報はそんなに多くなくて、現地や隣国に置かれた大使館や領事館等による情報収集によって得られる部分が多いはずです。
この大使館等の運営資金は税金。
つまり、その国が安全か否か、という情報の収集と発信は政府の責任です。
ここまでは当たり前の話。
で、この先。
その危険であるという情報を知った上で行動するのは、どこに責任の所在があるのか。
ここは、やはり行動した本人に掛かる部分ではないですかね。
今回、政府は湯川さんに関しては把握してなかったようですが、後藤さんに関しては把握しており、3回も渡航自粛要請をしている。
また、かなり前からシリアやイラクに関しては退避勧告も出している。
これは、危険情報の中では最も重いランクです。
更には、後藤さんも自己責任というのを強調した動画を撮っていました。
本人の自覚もあったわけですね。

しかし、この自己責任論と、救出云々の話はまた違う話です。
国には、国民、つまり国籍保有者の生命と財産を守る義務があります。
その過程がどうであれ、つまり責任の所在がどこにあろうとも、救出はしなければなりません。
やらざるを得ないわけです。
それが国としての義務、役割だから。
自己責任だからほっとけばいい、という訳にはいきません。
政府の責任だから救え、というのもまた違います。
責任は観念論みたいなものですが、役割というのは実務です。
好悪善悪は脇に置き、どこに責任があろうが、発生したものにはしっかりと対処するのが当たり前なんです。
この辺り、きっちりと分けておいて欲しいですね。
 

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