2021年2月6日土曜日

「麒麟がくる」最終回

重要な登場人物のキャストがクランクイン後に降板したり、新型コロナウイルスで撮影が中断したりと、色々あった今年の大河ドラマですが、例年より2ヶ月ほど遅れて、いよいよ最終回を迎えることになりました。
最終回は本能寺の変。
ドラマ開始当初から、どのように本能寺の変を描くのか楽しみにしていましたが、それがいよいよ拝めるわけですな。
しかし、諸説ある原因をなぞるように、伏線という伏線を張ってきてますね。
 
まず、古くからある怨恨説。
ただ、光秀が足蹴にされる描写はありましたが、国盗り物語であった、光秀の母が磔にされたシーンはありませんでした。
元が講談ベースの話ですし、色々と新事実が明らかになっている現在では、採り上げにくい説ではありますね。
そう考えると、怨恨説は無さそうです。
次に、朝廷黒幕説。
しきりに信長が譲位を迫っているというような描写がされており、ここまでは物語中で一番有り得る説のような感じになっています。
ただ、室町時代の中頃までは、譲位して院政を敷くというのが一般的でした。
朝廷が経済的に困窮して譲位や即位の式典をできないという理由から、後土御門天皇が在位のまま崩御し、以降、譲位というのは無くなってしまうんですが、後土御門帝以降が慣例的に異例だったという説には説得力があり、譲位と院政というのは朝廷側の念願であった可能性が高そうです。
そう考えると、このまま朝廷黒幕説のような感じで描くというのは、ちょっと考えにくい気がしますね。
次に来るのは、足利義昭黒幕説。
織田家は、兵農分離が果たされていますから、諸将は職業軍人的な側面が大きく、各戦場を行き来して非常に忙しかったんですが、物語の中では、その忙しい合間を縫って光秀が鞆ノ浦まで義昭に会いに行っていましたね。
室町幕府が事実上滅んでも、個人としての繋がりがあることが描かれています。
実際、鞆幕府というような呼び方をされる時もありますから、織田政権全盛時でも義昭にスポットが当たるというのは、最近の史観を踏襲している気がしますね。
また、比較的最近の2017年に雑賀の土橋重治へ宛てた光秀の書状が見付かっていますが、これも義昭黒幕説を補強するものとされています。
これが結末にどう影響するのかは分かりませんが、結末としては、キーワードとしてよく出てきていた武家の棟梁を推戴という意味で、一番説得力がある説のような気がします。
次に家康黒幕説。
物語の中では、幼少の家康と繋がりがあったり、わざわざ摂津沖で密会したりと、家康と光秀が特に懇意にしている様子が描かれました。
これまで、光秀と家康に具体的な繋がりを持たせた物語は、少なかったように思います。
そういう面では、斬新に感じましたね。
これが、黒幕説にまで発展するのか?と言えば、しなさそうではあるんですが。
ただ、個人的には、なぜか光秀天海説が好きなので、そういう意味ではちょっと推したい説ですな(笑)
最後に秀吉黒幕説。
さすがにこれは無さそうですね(^^;)
軽く、譲位には納得いかない、みたいな感じで描写されてましたけど、さすがに黒幕としては唐突過ぎますな。
 
なんだかんだ、早々にリタイアした2019年の大河ドラマに比べれば、1年間、いや、1年と少しの間、十分に楽しませてくれました。
さあ、どういう展開になるのか、純粋に物語として楽しみにしましょう(^^)
 

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